暁の空に浮かぶ月

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大学付近のボロいアパートに住み始めて１ヶ月もしない頃

俺は真面目に桜子さんのマンションに帰ろうか悩んだ。



このアパート…いわゆる訳あり物件だった。

変な女が上り込むのだ。



っていうか、俺は元々物事に対してあんまり気にしない性格だし

生活に差し障りが無ければ、どうでも良かった。



初めは布団が重たくなって、いわゆる金縛り初体験ってやつ…。

布団の隅に女が座っていた。


俺はそのまま意識を失って

気がついたら朝になっていた。

夢か何かだろうと、その時は思った。

どのみち学校とバイトであんまりアパートには寝に帰ってくるだけだし

実害がなければ放置していい

実際肉体が無い霊より肉体がある分だけ俺の方が強いだろって

斜にかまえていた。

ところがだ…。




この女の霊

超リアルに話しかけてくる。

かなり、めんどくさいこの霊は早苗といった。