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と
しおりを挟む双子の善良な商人のはなし
その昔、双子の薬を取り扱う
善良な商人がいた。
2人は同じ薬の知識と商売の才能を持っていた。
大人になると2人は
それぞれは別々の国で
薬を煎じてはそれを売り
生活の糧にした。
2人の行動は、ほとんど同じだった。
仮に2人を商人A商人Bとしよう。
AとB 2人ともそれぞれ知識を振り絞り
色んな薬を煎じては
それを必要な者に売り対価を得る生活
そこに変わり無かった。
ただ違ったのは
Aは貴族に取り立てられた事だ。
Aは貴族の専属薬師になる対価として
金銀財宝を
たくさん頂き
潤いのある暮らしをしはじめた。
お金で人を雇う事ができ
田畑を耕す事も
薬草を摘む事も使用人にしてもらった。
薬の煎じ方を使用人に教え
その仕事までも使用人達に任せた。
Aは手の空いた時間で
薬の研究をした。
使用人は独立し散らばった。
Bも、もちろん丁寧に仕事をしていた。
困っている人には
気前よく少ない対価で力を貸した。
手のかからないものは安価で売り渡し
時には対価を受け取らずして
困っている人のために尽くした。
薬草摘みや田畑の面倒など
1人で出来ない分は
助けた村の人達や子供達が
手伝ってくれた。
質素ではあったが暮らすには
困らない生活をしていた。
ある時、2人の住む町に
大規模な疫病が流行った。
大量の薬が必要となった。
Aは既に
貴族の要人が囲い込んでいたので
本人の意思とは関係なく
薬の所有について制限がなされた。
貴重な薬を作りはしたがそれを
1部の王族や裕福な家の者が
我先にと求め
山のように薬を買い占め
高価な値段で売買され
利権争いが始まった。
命を対価として高い金額が設けられ
それを支払えなかった多くの者が
疫病で死んでしまった。
自分たちが食べる作物を耕す人が
疫病でなくなるから
国を捨てる者達も増える。
逃げたした者も多く
国には廃れ人は居なくなった。
結果、国は隣国に侵略され滅んだ。
Bは疫病が流行すると
村に赴き人々に薬を渡した。
人々に薬を作り方を教えてたり
予防に努めて
元気な者達にその方法を教えて
疫病は速やかに治まった。
ただBはAと同じ日に亡くなった。
最初からそう決めて来ていたらしい。
さてここで面白い現象
恨み辛み嫉みの念は
背中にくっついてる。
それが衣の重さに変わる。
本人の意思とは関係ないところでは
時には理不尽だと思う事もある。
Aにはそれが多かった。
でもそれは仕方ない事だ。
誰もが羨むそんな生活をして
国まで滅ぼしたのにAも
Bはもちろん
晩年は穏やかにどちらも過ごした。
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