不思議な話し

MOKO

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あぁ、そういう事か

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友達のKちゃんが
亡くなったのは
今から40年くらい前の事だった。

Kちゃんは心臓が生まれつき悪くて
大きな手術をしなければ
長く生きられなかった。

胸を大きく切る大手術
成功率は10%
しかも手術痕は
一生消えないと言われていた。

Kちゃんは手術を受ける事
家族に反対されたけど
元気になって一緒に走りたいから
その手術を受けるんだって言って
自ら手術に臨んだ。

でもその手術は失敗に終わり
Kちゃんは亡くなった。

危篤と聞いて駆けつけた
空の病室のベットの傍で
訃報を聞いた。

当時、悲しくて悲しくて
私の命を半分あげるから
生き返って欲しいと願いたくさん泣いた。


不思議な事は
泣いてる最中
何故か胸の奥の
締め付けられる様な苦しさが
急にふっと軽くなって
涙が引けて
なんで泣いてたのか
一瞬分からなくなった。

それは子供心に
不思議な感覚だったから覚えてる。


しばらくしたら
また思い出して泣いた。


その時はまだ幼かったから
あの一瞬は
泣きすぎた所為だと思っていた。






それから時が経ち
Kちゃんの事は次第に忘れていった。


私は結婚して
子供が生まれた。
生まれた子供のお腹には
Kちゃんの手術の後のような
大きな傷痕の様な白い線があった。

娘のその白い線は
結構大きくなるまで
消えなかった。

好きな食べ物や
好きな絵本
生きてる時、よく言ってた言葉
几帳面な所も
Kちゃんに似ている様な気がした。



髪の毛がまっすぐだから私みたいな
くせ毛が羨ましいって言ってたなぁ。

娘はくせ毛だった。

もちろん娘は元気で思いっきり走れた。


Kちゃんはよく私と
家族になりたかったて言ってくれてた。


私的結論


Kちゃんが亡くなったあの時
私が思いっきり
まだKちゃんと一緒に居たいと望んだ。

多分Kちゃんも望んでくれてた。

だからKちゃんは
生まれ変わって

我が家の子供として来てくれた。

もしかしたら
一瞬だけ心が軽くなった時
約束したのかもしれない。







待って


待って

思考はそこで止まらない。





私の望みやKちゃんの望みが
叶ってるって事は


もしかして
私も誰かに望まれて生まれて来た?


両親?
兄弟?
主人?
子供?
義父母?
友達?
先生?
上司?
後輩?
知人?



私自身も強く誰を望んだから
こうして生まれて来た?


考える。



それがホントだとしたら

ものすごく貴重な事だよ。

私として居られる今のこの時間

私の傍にいてくれる人達。

なんだ なんだ

気合いいれて大事にしとかなきゃ


出会えたのは

出会いたかったから
 

生きたいと願い

願われて


今生きてるんだもの

1分1秒

大切にしとかなきゃ。


もうすでに大いなる願いは
叶っていたんだから。


もうすでに貴重で奇跡

神様の采配に感謝しなきゃ


私はきっと幸せ者だ。

そう思えてくる。


私を取り巻く全ての人に


ありがとう

ありがとう

ありがとう



会えてよかった。

強く会いたいと願って望んだ

そんな人に会えてる。


家族や親戚や友達

先生や会社の上司や後輩

4回以上一緒に食事をした人は

前世でご一緒だった人だって

どこかで聞いたことある。


みんなお互いそれぞれ課題を掲げて

望みを叶えにやって来た。


そう思うと

口喧嘩するのも楽しい事だよね。

私も課題を頑張るよ!

お互い頑張ろう!

そうやって一生懸命生きて

例えば死んだとしても


お互い望むなら

きっとまた会えるから。


だけど

生きてる今をちゃんと大切にしとこうね

せっかく出会いたいと思って

出会えたのだから



ありがとう幸せだなぁ

心からそう思った。






























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