ハーレム相撲部~女4人に男1人。おまけにかわいい守護霊も憑いてきて、一体何がどうしてこうなった?~

Ring_chatot

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第4章:人の痛み

2話

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「えっと、すみません……お参り、とかじゃなくって……」
「あぁ、ごめん。その……この神社、年々参拝客が少なくなってるからさ。それで、お客さんが来てくれたのかと思って調子に乗っちゃった……」
「いえ、いいんです」
 女子の態度におびえた雰囲気を感じた裕也は慌てて謝り、バツの悪そうな顔をする。女子は相変わらず目を伏せていた。
「……動きがちょっと変だけれど、怪我してる?」
 古々に言われた言葉を思い出し、裕也は試しに尋ねてみる。古々に言われて注意深く見ればどこかをかばっているような歩き方をしている。言われなければ気付きそうもない違和感だったが。
「いえ……いや、してます」
 何か思うところもあるのだろう、女子は一度隠そうとするも、隠せないと思ったのか、それとも隠したくないと思ったのか。素直に裕也の言葉を認めた。
「そっか。大丈夫? お参りがすんだら、ちょっと休んでいきなよ。及川さん、ちょっとこの子の様子を見てて」
 裕也もこれ以上、彼女の事情に踏み込んでいくことは出来なかった。これが百合根や明日香ならば、積極的に悩みを聞きに行ったかもしれないが、異性で、しかも上半身裸の今の状態では長く会話をすることははばかられる。神社じゃなければ確実に不審人物だ。
 お参りに来た女子は、小さくうなずいて神社の手水舎の向こう側にある青いベンチに座った。そうこうしているうちに、明日香が帰ってきた。その間、悩みを抱えている女子はじっとうつむいたままため息をついている。だいぶ外は暗くなってきているのだが、帰らなくてよいのだろうか、他人事ながら心配だ。
 一応、部活が終わって帰るまでの時間にはまだ少しだけあるが、部活をやっていないならばもう、とっくに帰っているべき時間である。
「ねえ、今から私達、夕食作るんだけれど、食べてく? 私この神社に住んでるの」
 こういう時、明日香はさすがのコミュニケーション能力で、初対面の相手だというのに臆することなく話しかける。夕食の材料を手放すこともせず、座っている女子に視線を合わせるようかがむ。明日香はあらかじめ古々から、この子が怪我をしていることや悩みを抱えていることを聞いているので、ある程度は彼女の状況を察していた。
 そのため、明日香は積極的に聞き込めば何か漏らしてくれるはずだと確信をもって彼女を引き込んだ。
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