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第7章:男になりたい?
26話
しおりを挟む「うーん、ちょっとね。とある人に、聞かれたの。『どうして人助けなんかしてるんだ?』って。それで、色々考えたんだ。そりゃ、古々や振々に頼まれてっていうのもあるけれどさ……でもそれ以上に、私は両親から人助けをするように言われて育ったわけで。それがどういうことなのか、両親が何を思ってそんな風に育てたのかを考えたの。それに、どうせなら格好いいことを言いたいじゃない? ただ、『神社にお客様が来ると嬉しい』ってだけじゃ、インパクトもないし……その結果が、あんな感じ、かな?」
「とある人ってあいつか? お前を狙ってた男……雪野恭平だっけ」
「い、言わないでよ!? あの時のことちょっと恥ずかしいんだから」
明日香は雪野恭平に恋人として狙われ、とっさに裕也に恋人のふりをしてもらったことを思い出して顔を赤くする。思えば、綾乃と恭平、どちらの案件も同時進行だったのだから、この神社は魔境である。綾乃は素華が連れてきたものだが、恭平は自分からふらりと神社にやってきたわけで。
人間、追い詰められたときに最後に頼るものの一つが神頼み、というわけだ。
「本宮先輩の考え方、とても素晴らしいと思います。神社に対して恩返しをする……つまり、カミナリ様に恥じない生き方をする、ですか」
裕也と一緒に明日香の話を聞いた素華は、そんな考え方もあるのかと感心していた。
「なんか、その……私は相談に乗っただけですが、カミナリ様に見せて恥ずかしくない行動、出来た気がしますし……それに、お礼を言われるといい気分ですね。そういう生き方、素敵だと思います」
素華は先ほど、綾乃から向けられた感謝の念に何とも言えない気分となっている。
「私も、本宮先輩の言うような、カミナリ様に恥じない生き方、素敵だと思います」
真由美も素華と同じ気分のようで、自分は大したことが出来なかったことに心苦しく思いつつ、いつか自分も誰かの役に立ってみたいという思いが芽生えるようになった。
「そうだろ? ああやって心からのお礼を言われるだけでも、協力してよかったって気持ちになるよな? もっと人助けをしたくなる」
二人の後輩部員が人助けの良さを理解したことを、裕也は自分のことのように喜んで笑う。
「ええ。私は、三橋先輩や本宮先輩のように、暴力沙汰が出来るほど喧嘩に強くありません。ですが、微力ながらお役に立てそうなときは、呼んでください」
「私も、役に立てるよう頑張ります!」
素華、真由美が意欲を見せる。ここまでうまくいくとは思っていなかったが、人助けをしていれば、自然と人助けの輪が少しずつ広がっていく。そうやって恩返しをよそでやってくれる人が増えれば、街は……いずれは世界という単位まで、良くなっていくことだろう。この人助けに巻き込んだ古々や明日香は、嬉しくて思わず顔がほころんだ。
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