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第10章:家出のお手伝い・前編
7話
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「ま、今回はそういう感じで騙すとかそういうことはないから、安心して。今回は、その生徒に家出をさせて、お金を稼いで……一人暮らしとは違うかもしれないけれどさ。自分が稼いだお金を使って生きた期間が少しでもあれば、それは大きな自信になると思うの。高校を卒業したら家を出ていく決心がつくかもしれない。もしかしたら親は子供の本気の心を感じて考えを改めてくれるかもしれない。
希望的観測だけれど、私はそのどちらかに転んでくれることを信じて、住み込みの仕事を紹介するつもり。どうかな? 私のアイデア、いいと思わない?」
「本人がそれでいいって言うんなら、いいんじゃないか?」
裕也が言う。
「確かに、親へのけん制にはなりそう。百合根が嘘偽りなく面倒を見るつもりなら、いいと思うよ」
明日香もそう言って肯定するので、百合根は満足げに頷いた。そうして一通り百合根の相談が終わると。皆の話題は最近のニュースの話題にシフトしていく。そんな中で、真由美は妹の由香利との話を終えて、百合根に声をかける。
「木村さん。あの、私にもその仕事紹介してもらえませんか?」
「へ? ……いや、無理。真由美さんには無理だって。そこ、肉体労働の現場だし。それに、そこにいるのは生きるのにだらしなく、人に迷惑をかけてもなんとも思わない、人間の屑を集めたような底辺中の底辺の男しかいないから……ゴミ男しかいないわよ? ウチの若い衆のほうがまだましなレベルでゴミ。若い女の子がそんなところに行くなんてのはちょっと……」
百合根は無関係の真由美がその仕事をすることにははっきりと難色を示した。相談者が男性だからこそ紹介した職場も、さすがに女性相手にはちょっと……と、良心が働くらしい。
「女性が出来る仕事はないんですか……?」
「いや、仕事なくはないんだけれど……その仕事をやらせているおばさんも、ゴミみたいな女だから送り込まれただけで……貴方をあんな場所に送り込みたくはないわ。それにおばさんだからこそ安心だったし」
「ど、どんな仕事なんですか?」
「食事、作るの……あのね、その現場ね。冬場は賞味期限切れの弁当を二日に一回届ける感じだったんだけれど……やっぱり、六食分を一度に届けると、夏場は腐っちゃうのよ」
「冷蔵庫は!? ないんですか!?」
真由美に聞かれ、百合根は苦笑する。
「あるけれど、6食分の弁当を何十人分もなんて入りきるわけないでしょ。でも、野菜とか卵とか、コメなら常温保存できるものもあるから……肉とか、魚だけ……冷蔵庫に保管しておけばいいからってことで、夏場はキチンと出来立ての料理を出すことにしてるのよ。ま、コメは古米だし、野菜もこう、質が悪いというかなんというか……なんだけれど。正直、うちの部活で使ってる食材が高級食材に見えるわ。
そういうのを料理して、作業員に出すお仕事……一応、紹介できるけれど……やる? お勧めはマジでできないけれど……だってゴミ男に囲まれるのよ? セクハラされても、助けてもらえる保証はないわよ?」
「……なるほど。でもそれくらいの条件なら大丈夫です」
「えぇ……?」
真由美の言葉に百合根はさらに困惑する。
希望的観測だけれど、私はそのどちらかに転んでくれることを信じて、住み込みの仕事を紹介するつもり。どうかな? 私のアイデア、いいと思わない?」
「本人がそれでいいって言うんなら、いいんじゃないか?」
裕也が言う。
「確かに、親へのけん制にはなりそう。百合根が嘘偽りなく面倒を見るつもりなら、いいと思うよ」
明日香もそう言って肯定するので、百合根は満足げに頷いた。そうして一通り百合根の相談が終わると。皆の話題は最近のニュースの話題にシフトしていく。そんな中で、真由美は妹の由香利との話を終えて、百合根に声をかける。
「木村さん。あの、私にもその仕事紹介してもらえませんか?」
「へ? ……いや、無理。真由美さんには無理だって。そこ、肉体労働の現場だし。それに、そこにいるのは生きるのにだらしなく、人に迷惑をかけてもなんとも思わない、人間の屑を集めたような底辺中の底辺の男しかいないから……ゴミ男しかいないわよ? ウチの若い衆のほうがまだましなレベルでゴミ。若い女の子がそんなところに行くなんてのはちょっと……」
百合根は無関係の真由美がその仕事をすることにははっきりと難色を示した。相談者が男性だからこそ紹介した職場も、さすがに女性相手にはちょっと……と、良心が働くらしい。
「女性が出来る仕事はないんですか……?」
「いや、仕事なくはないんだけれど……その仕事をやらせているおばさんも、ゴミみたいな女だから送り込まれただけで……貴方をあんな場所に送り込みたくはないわ。それにおばさんだからこそ安心だったし」
「ど、どんな仕事なんですか?」
「食事、作るの……あのね、その現場ね。冬場は賞味期限切れの弁当を二日に一回届ける感じだったんだけれど……やっぱり、六食分を一度に届けると、夏場は腐っちゃうのよ」
「冷蔵庫は!? ないんですか!?」
真由美に聞かれ、百合根は苦笑する。
「あるけれど、6食分の弁当を何十人分もなんて入りきるわけないでしょ。でも、野菜とか卵とか、コメなら常温保存できるものもあるから……肉とか、魚だけ……冷蔵庫に保管しておけばいいからってことで、夏場はキチンと出来立ての料理を出すことにしてるのよ。ま、コメは古米だし、野菜もこう、質が悪いというかなんというか……なんだけれど。正直、うちの部活で使ってる食材が高級食材に見えるわ。
そういうのを料理して、作業員に出すお仕事……一応、紹介できるけれど……やる? お勧めはマジでできないけれど……だってゴミ男に囲まれるのよ? セクハラされても、助けてもらえる保証はないわよ?」
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「えぇ……?」
真由美の言葉に百合根はさらに困惑する。
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