ハーレム相撲部~女4人に男1人。おまけにかわいい守護霊も憑いてきて、一体何がどうしてこうなった?~

Ring_chatot

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第12章:家出のお手伝い・後編

5話

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『あれぇ……西野先輩? どうひたの』
 電話に出てくれた真由美はどうにも昼寝の最中(もう夜だけれど)だったらしく、酷く回らない口で状況も理解できていないようであった。電車の中でも眠れるくらい疲れていただけあって、電話をかけるまでぐっすりと眠っていたようである。
「……あ、ごめん。ちょっとさ、困ったことになってね。いま、電話大丈夫?」
『ちょっと待って。眠ってたから、ちょっと顔洗ってくる』
 やっぱりまだ頭がはっきりしない彼女だったが、遼を待たせている間に頭もはっきりとして、状況をなんとなく読み込んだようだ。
『お待たせ。もしかしなくても話し合い失敗しました?』
「うん、そんなところ。それで、木村さんから夏休みの間中働ける場所を紹介してもらおうと思ったんだけれど、明日までの時間をつぶさなきゃならなくなってさ……」
『うーん、聞いた話によると、ラブホテルとかは一人で泊まれるし、別に身分証明書も必要ないって聞きました……そうだ、カプセルホテルなんてのもありますよね?』
「あ、その手があったか……それならそんなにお金もかからないし、いいかもしれない」
『でも何なら、私の家に泊まりませんか? どうせ母親は何も言えませんし』
「うーん、いいの?」
『もちろん部屋は別ですよ? 私達の寝室に入ってきたら、スタンガンでバチっと行きますからね? それとも、眼球をトウガラシで味付けしちゃってもいいですけれど』
「……夜中にトイレと君の部屋を間違えないように気を付けるよ」
 真由美の発言が怖い。相撲部に父親の離婚を勧められてから強くなろうと決めたという話を聞いていたが、強いというのはそういうことだったのかと苦笑する。もちろん、遼も付き合っているわけではない女性の部屋に無断で入るつもりはないが、冗談なのか本気なのか彼女の発言は不穏である。
『決まりですね。家の住所を送りますので、メッセージを見てください』
「ありがとう」
 そう言って電話を切ると、すぐに真由美から住所が送られてくる。
『母さんは反対してたけれど、ちょっと押したらすぐに折れてくれたよ。狭い家だけれど、我慢してね。住所は……』
 真由美の発言に既読をつけたあと、なんと返そうかしばらく考える。しかしながら、こういうのはシンプルでいいのだと思いなおし、『ありがとうございます』とだけ送って彼女の家の最寄り駅(学校の最寄り駅と同じ)へと向かった。
 もうすっかり暗くなる時間。いつもとは逆の方向に進む電車に乗りながら、父親から向けられた言葉を思い返す。父親は、子供が自分一人じゃ生きていけないと思っているのだろう。でも、それは間違いだ。確かに、満足な暮らしは出来ないかもしれないが、遼はもう自分の力でお金を稼げる。その気になれば生きて行ける。夢をかなえることはできないかもしれないが、それでも。
 両親が遼の自由を認めないつもりならば、受けて立ってやると遼は真由美の家へと向かった。
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