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俺は猫人間になりました

勘弁してください

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「今度は何だって言うんだよ」

「成行大変だぞ」

「だから何が大変なんだよ?」と俺は首を傾げながら尋ねた。なんだかよくわからないけれど、貧神は俺のお尻辺りを指差している。変態神かよ。

「尻尾が生えているぞ」

「はぁ?  尻尾って何だよ?」

  なんだか嫌な予感がした。俺は恐る恐る自分のお尻に手を触れようとしたのだけど違和感を感じた。これは、まさか。おいおい信じたくないぞ。

  だって、俺は自身のお尻に手を触れたはずなのだが、もふもふふかふかふわふわな触り心地の良い何かに触れたのだった。

「う、ウソだろ~誰か冗談だよと言ってくれ!」

  俺はそれはもうびっくりして息が止まりそうになった。

「成行お前の尻に尻尾が生えているな」

  貧神は冗談だよとは言ってくれずクフフと笑っていやがるのだ。

「猫耳だけにとどまらず尻尾も生えたなんてこれはチャーミにゃん君のせいだよな?」

  俺が星の付いた棒切れ(もうあれは棒切れでよい)を指差し尋ねるとチャーミにゃんは「そうですにゃん」とあっさり認めたのだった。

「俺を神様にするつもりだったんだよな?」

「……はいにゃん。神様にするつもりだった、んだけど何を間違えたのか猫少年にしてしまいましたにゃん」

  チャーミにゃんは棒切れをもじもじと触りながらしょんぼりしている。その姿はめちゃくちゃ可愛らしいではないか。

  だけど、その手には乗らないぞ。チャーミにゃん。

「チャーミにゃん、君の棒切れはショボすぎるぞ!」と俺は言ってやった。

  すると、チャーミにゃんは。

「あんまりですにゃん。ショボい棒切れにゃんて酷いですにゃ~ん!」

  そう言ったかと思うとチャーミにゃんは声を出してうにゃーんと鳴いた。
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