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俺達がこの世界にやって来たのは意味があるのかもしれない
自然を満喫
しおりを挟む俺は靴と靴下を脱いで裸足になり川に足をつけた。川の水はひんやりしていて気持ちよかった。川に足をつけたのなんて何年ぶりだろうか?
いやいや何十年ぶりかもしれない。
「成行、川の水は気持ちいいでしょうにゃん」
チャーミにゃんは川に肉球のある手もつけバシャバシャにゃんとしている。
「ああ、気持ちいいな。なんだか幼き日を思い出すよ」
「成行も子供時代があったんだね」
「当たり前だろう」
「にゃはは、そうだよね」とチャーミにゃんは笑いながら「あ、お魚さんだにゃん」と言って捕まえようとしたけれど、スルッと逃がしてしまう。
「チャーミにゃんは狙いを定めてシャッと魚を狩ることができないんだな」
俺は川をじっと見つめて悔しそうなチャーミにゃんに言った。
「あ、成行ってば酷いことを言うにゃん!」
チャーミにゃんはぷくぅと頬を膨らませ俺を睨んだ。
「だってさ、猫って狩りが上手なイメージがあるからね」
「フン! 狩りが下手な猫で悪かったにゃん! 猫がみんな狩りが上手って決まってないにゃん。それにわたしは狩りじゃなくてお魚さんと遊ぼうと思ったんだよ」
「そっか、ごめんよ」
「わかってくれたらいいにゃん。じゃあ、わたしは泳ぐにゃ~ん。成行も童心に返って泳ぐと良いにゃん」
チャーミにゃんは言いながらすでにスーイスーイと気持ちよさそうに泳いでいる。
猫のくせに泳ぎが得意なやつだよなと思ったけれど、猫だから狩りが得意と限らないのと同じで猫だから泳ぎが苦手と限らないんだよなと思い直した。
「常識にとらわれない考え方も大事だよな」
せっかく異世界に迷い込んできたのだからな。
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