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魔法の村と魔法使いと動物達
美しい世界と動物達
しおりを挟むレッサーパンダが美しい魔法の杖をくるくると振り回すとブーゲンビリアの花が咲いた。
黒猫が美しい魔法の杖をくるくると振り回すと薔薇の花がパッと咲いた。
ペンギンが美しい魔法の杖をくるくると振り回すと朝顔がパッと咲いた。
タヌキが美しい魔法の杖をくるくると振り回すとたんぽぽの花がパッと咲いた。
なんて、綺麗で美しくてそして、不思議で幻想的な世界なのだろうな。俺はただ感動して動物達が魔法の杖を振り回すとぽっぽっぽっぽっと花が咲く光景をぼんやりと眺め続けた。
その時、俺はふと思った。それは……。
「なあ、トラッコさんやぷにさんは魔法の杖を振り回し花を咲かすことはできないのかな?」
ぷにさんは不思議なりんごを栽培しているのだから花を咲かすことが出来そうだ。トラッコさんはどうなのだろうか?
「わたしはしょぼこい花だったら咲かせることが出来ますよ。ガオー、ガオー」
トラッコさんは笑いながら吠えた。
「はぁ。しょぼこい花ですか?」
「はい、しょぼこい花ですよ。わたしは魔法のレベルがそんなに高くないからね。ガオー……」
トラッコさんは少ししょんぼりしながら答えた。魔法のレベルが高くないことを気にしているのだろうか?
「しょぼこい花でも咲かせることが出来るんだから羨ましいにゃん……」
「チャーミにゃんちゃんもきっとそのうちににゃん」
トラッコさんはそう言いながらチャーミにゃんの頭を優しく撫でガオーと吠えた。
なんだか可愛らしくて微笑ましくてそしてガオーが怖いんだよな。
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