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プロローグ 沖縄と不思議な猫
1 あなたは誰
しおりを挟む猫の目のような丸くて大きなくりっとした瞳がわたしを見つめる。少しつり上がったその目がわたしをじっと見つめてくる。
誰? あなたは誰なの?
「真理子ちゃん、真理子ちゃん」とその瞳の持ち主がわたしを呼ぶ。
わたしは、この目を知っているような気もするけれどやっぱり知らない。それなのにわたしは、この目にぐぐっーと引き込まれていく。不思議な不思議な感覚に陥る。
「あなたは誰なの?」とわたしが聞く。
すると、
「真理子ちゃん、君にお願いがあるんだにゃん」と声の主はいつも決まった返事をする。
「えっ? にゃん?」
とわたしが言ったところでいつも目が覚めるのだ。その度にああ、夢だったと思う。
最近毎日見るこの夢にわたしはなぜだか希望を感じた。
何かが始まるそんな予感がしてきた。そう、新しい何かが始まるそんな予感がしてきたのだった。
能天気なわたしだけど最近少し疲れ気味だ。仕事でもプライベートでもドジばかりこのままでいいのかなと思う気持ちも心のどこかにあった。そんなわたしにこの夢は希望の光を見せてくれた。
わたしとみどりちゃんのちょっと不思議な沖縄での生活の始まりなのだった。
もふもふ。
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