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プロローグ 沖縄と不思議な猫
2 沖縄での生活
しおりを挟むわたしは何をやってもドジばかり。例えば料理できゅうりを小口切りにすると下が繋がってしまってびろーんびろりん。毎日ドジばかりでどんくさい自分に呆れる。
「わ~ん、仕事を辞めて東京に帰りたいよ~」なんて思わず叫んでしまう。
東京生まれの東京育ちのわたしがここ沖縄に友達のみどりちゃんと一緒にリゾートホテルの仕事でやって来たのは一年前の夏だった。
期待と不安に心を躍らせわたし達はスーツケースを転がしてこの沖縄の地に降り立った。沖縄の風がわたしを歓迎してくれているように思えた。
何もかもが新鮮でわくわくした。亜熱帯地域の風が心地よかった。
「みどりちゃん、沖縄での生活楽しみだね」
わたしは無邪気な笑顔で微笑んだ。
「うん、楽しみだね。って、真理子どうしてパンフレットを集めているのよ? わたし達は仕事で来たんだよ」
みどりちゃんはまるで鬼のように頭に角を生やしそれはもう怖い顔でわたしのことを睨んだ。
「えっ、だって、楽しそうなんだもん。シーサーがようこそって笑っているんだよ」
わたしは、シーサーがニコニコ笑顔で笑っているパンフレットをじゃーんとみどりちゃんに見せた。
そんなわたしに、みどりちゃんは「遊びじゃないんだからね」と言ってさっさと大股でスタスタ先に歩いて行ってしまう。
「待ってよ、待ってよ。みどりちゃん」
わたしは、集めたパンフレットを地面に落っことしては拾いみどりちゃんの後を追いかけた。
懐かしいなとわたしはぼんやり一年前のあの日を思い出していた。
その日は、わたしが働いているホテルの公休日だった。
よく晴れていて真っ青な沖縄の空がキラキラ輝いている。それから南国沖縄の花の代名詞とも言われている毎日花を咲かせるハイビスカスもいつもより綺麗に見えた。
「みどりちゃん、今日は良いことがありそうだよ~」
わたしは、真っ赤なハイビスカスの花を眺めながら言った。
「そうかな? もう暑くて汗がタラタラ垂れて暑いだけだよ。真理子は能天気でいいね」
みどりちゃんは、いつも失礼なことばかり言うのだから嫌になる。
「ふん、前向きって言ってよ」
わたしはぷくぷくぷくーと頬を膨らませた。
「真理子、その顔、風船みたいだよ。それかフグみたいだよ~まあ、真理子は前向きなところだけが長所だもんね」
「みどりちゃん、それって酷くない~他に取り柄がないみたいじゃん」
みどりちゃんはわたしの言葉を無視して、「さあ、真理子行こう!」と言って歩き出した。
「待ってよ~みどりちゃん」
わたしは、みどりちゃんの後を追いかける。
「真理子、那覇行きのバスが来たよ。早くしないと置いていくよ」
くるりと振り返ったみどりちゃんのサラサラのストレートヘアが風に靡いた。
わたし達は、バスに乗り那覇へと向かった。そして、わたしとみどりちゃんを待ち構えているあの張り紙に出会うことになるのだった。
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