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第五章 吉田さん
5 吉田さんの秘密は?
しおりを挟む吉田さんの言葉で気がついた。でも、だけどホテルの仕事とは違い古書カフェ店はわたし自身がやってみたいと思った。
「そうでしたか。沖縄は良いところですもんね。まあ、那覇は最近都会化してきましたけどね」
「それでも独特の良い空気が流れていますよ。わたしはやっぱり沖縄が好きです」
海では地元の人から観光客までが楽しそうに泳いでる。わたしと吉田さんはしばらくの間黙って海とそこで泳ぐ人達を眺めていた。
「吉田さんは普段何をされているんですか?」
わたしは疑問に思っていたことを勇気を出して聞いてみた。
「気になりますか?」
吉田さんは、わたしの目を見て言った。
「はい、気になります」
「気になるんですね? でも教えてあげません。シークレットですよ」
吉田さんは悪戯っぽい笑顔を浮かべた。
「えっ、それってちょっとズルくないですか?」
「そう言われてもね」
クスクス笑う吉田さん。
「教えてくれるのかなと思わせて教えてくれないなんて」
可笑しそうに笑う吉田さんは何を考えているのかよく分からない猫みたいな人だなと思った。
だからこそより興味を持ってしまうのだ。
「梅木さん、そんなに膨れなくてもいいじゃないですか。まあ、そのうち教えてあげますよ」
吉田さんは、柔らかな笑みを浮かべた。
「納得いかないですけど……分かりました。いつかきっと教えてくださいね」
「はい、きっとそのうち」
真夏の太陽が燦々と降り注ぎ海を照らす。波の上ビーチは都会の真ん中にあるビーチで海の上に道路が走りけして南国ムードがあるわけではないけれど、それでも海は透明度がありキラキラと輝いている。
「梅木さん、暑くなってきましたね。そろそろ帰りますか?」
吉田さんはそう言って立ち上がった。
「はい、そうですね。暑いですね」
吉田さんは、堤防の上からひょーいと飛び降り着地。
「梅木さん、降りられますか? 無理だったら手を貸しますよ」
くふふと笑い手を伸ばす吉田さん。
「大丈夫ですよ。登るのは大変だったけど降りるのは簡単ですよ」
わたしは、ぴょーんと飛び降りた。お尻にドーンと振動はあったけれどなんとか着地した。
吉田さんの不思議な秘密を暴こうと思ったけれど上手く交わされてしまった。けれどいつかきっと暴いてみせるからねとわたしはニヤリと笑った。
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