天狗様や猫又などあやかしが集まるイートインコーナーへようこそ(閉店後の天狗様付きスーパーへあなたもようこそ)

なかじまあゆこ

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あやかしが集うスーパーに迷い込みました

腹ペコですね

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「お客様~腹ペコでいらっしゃいますね」

 なんだかとっても失礼な声が聞こえてきたではないか。わたしは、その声にムッとしたのと同時に恥ずかしくて顔から火が出る。

「お腹なんて空いてま……」と言っている途中でぐう~きゅるきゅるとお腹の音がまた、鳴ってしまった。これはもう恥ずかしい。

「お客様のお腹は正直ですね」

 店員さんがクスクス笑っている。

「あの、ちょっと店員さん失礼ですよ!」

 わたしは、ぷりぷりしながら顔を上げ店員さんを見た。わっ! と思わず声に出してしまいそうになった。

 だって、この失礼な店員さんは、顔面が神だった。すーっと通った鼻筋に真っ白でキメの細かい肌に二重の美しい目、整った輪郭。悔しいけれど、思わず見惚れてしまった。

「俺の顔に何か付いていますか?」

 店員さんはその美しく輝く目でわたしをじーっと見つめて言った。

「いえ、何も付いていませんよ……」と、わたしは首をぶんぶん振り答えた。

「そうですか、もし良かったらイートインコーナーでゆっくりしてください」
 わたしは、「は、はい」と返事をしてしまった。

 終電は逃しているしお腹も空いているので、店員さんは失礼でも断れない。仕方ないよね……。

「では、お好きなお弁当やお惣菜に飲み物やパンなどお選び頂きごゆっくりどうぞ~」
 店員さんは、そう言って両手を大きく横に広げた。

「はい」

 わたしの目はもう美味しそうなお弁当などに釘付けだ。さて、何を食べようかな? 入口付近にある買い物カゴを手に取り、わたしは、かなり遅めの夕飯を選び始めた。

 ああ、もう眺めているだけでヨダレが垂れてしまいそうな色とりどりのお弁当が並べられているので、選んでいる間もお腹が鳴りそうになり困ってしまう。

 その時。

 ふと、目にとまる。それは、可愛らしい猫達のお顔と天狗のお顔がプリントされたお弁当箱だった。そして、よく見ると『あやかし弁当』と書かれたシールが貼られている。

「あ、これ可愛い」

 中身はよくわからないけれど、わたしは、『あやかし弁当』を買い物カゴに放り込む。それと、緑茶のペットボトルも一緒に。

「すみません、お会計をお願いします」
「は~い」とさっきの店員さんが音も立てず現れる。

 わたしは、五百円を払い一番奥のカウンター席に腰を下ろす。この席が一番落ち着いてごはんを食べられそうだ。

 さっそく「いただきます」と手を合わせ『あやかし弁当』の蓋を開ける。わっ、可愛らしいではないか。おにぎりに肉球の形に切った海苔をのせたものが何個か入っていて、おかずはシュウマイに玉子焼きにタコさんウインナーに炒め物などだった。

 うふふ、おかずはシンプルだけど、美味しそうだ。わたしは大きな口を開けシュウマイを食べた。
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