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おばあちゃんの優しい声とおはぎ
しおりを挟む優しくて懐かしい声が聞こえてくる。ふわふわとわたしの耳に優しい声が響く。
「佐波ちゃん」
「うん? おばあちゃん?」
「佐波ちゃんの大好きなおはぎを作ったよ。まだ寝るのかい?」
「起きるよ~おばあちゃんのおはぎ食べたいもん」
わたしはそう言ってむっくり起き上がる。
うふふ、おばあちゃんのおはぎ大好きなんだよねと頬を緩ませたその時、不思議な気持ちになった。だって、わたしのおばあちゃんは……。
「おばあちゃん!」
わたしは思わず大声を上げてしまった。
「うん? 佐波ちゃんどうしたのかな?」
おばあちゃんは、不思議そうに首を傾げた。その少し奥に入った大きな目がわたしを見ている。わたしの大好きなおばあちゃんの目だ。
「お、おばあちゃん生きているの?」
「えっ? 生きているのって変なこと言うわね。まだ寝ぼけているのかしらね」
おばあちゃんはそう言いながらわたしの目の前に超特大のおはぎを載せたお皿を置いた。その横に湯気の立った緑茶も。
もう食べる前から目がキラキラ輝く。
「あ、わたしの大好きなおはぎだ~」
「うふふ、佐波ちゃんはわたしの作るおはぎが好きだからね。さあ、早く食べなさい」
「うん、いただきます」
わたしは、おはぎをお箸で掴み口を大きく開けて食べた。すると懐かしい味が口の中いっぱいに広がった。
甘さ控えめでホッとするおはぎは優しいおばあちゃんの味がした。そして、緑茶の湯呑みに口を付ける。うん、癒される。
「佐波ちゃんが幸せそうに食べてくれるとおばあちゃんは嬉しいわ」
「わたしこそおばあちゃんのおはぎが食べられて幸せだよ」
わたしは、おばあちゃんの優しい目を見た。
ああ、いつもわたしに優しくしてくれたおばあちゃんの目が今ここにある。
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