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一緒におばあちゃんのおはぎを食べよう
しおりを挟むきつねとたぬきの妖しである神本さんとひよこちゃんの頭からにょきにょきと耳が生えてきた。
「オーナーおはぎが楽しみだね」
「おいおい、ひよこヨダレが垂れているぞ!」
「ありゃま。わたしって興奮するとヨダレが垂れて耳が飛び出してしまうんだよね。でも、オーナーも耳が飛び出しているんだからおはぎを楽しみにしているよね?」
「……そ、それは」
神本さんは狼狽えた様子で三角形の耳を触っている。
「オーナー正直に言ってくださいよ」
「あ、うん……俺もおはぎが楽しみだよ」
神本さんは白状した。
やっぱりおはぎは誰でも楽しみだよね。わたしはうふふと笑い頬を緩めたのだけど、
「あの、神本さんもひよこちゃんもおはぎを食べる気満々ですね」と聞いた。
「はい、もちろん食べる気満々ですよ」
「早くおはぎを食べたいな~」
二人は当たり前だって顔をして言った。
「はぁ、そうなんですね」
わたしは呆れ顔で二人をじっと見た。その時、
「佐波ちゃ~ん! お待たせ~おはぎよ」
おばあちゃんがお盆におはぎとほうじ茶を載せて居間に戻ってきた。
「美味しそう」
「うわぁ~大きなおはぎだよ~」
「おっ、美味しそうですね」
「あらあら、お客様なのね? おはぎはたくさんあるのでどうぞ召し上がってくださいね」
おばあちゃんはニコニコ笑みを浮かべ、茶箪笥から小皿とお箸に湯呑み茶碗を取り出した。
「やったね。わたし達のおはぎもあるね」
「うん、おはぎ楽しみだよな」
こうして、わたしとおばあちゃんにそれから妖しの二人とのお茶の時間が始まったのだ。
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