14 / 33
おばあちゃんのおはぎをたらふく食べよう
しおりを挟む
「とっても美味しいおはぎですね。わたし何個でも食べられそう~」
ひよこちゃんが満面の笑みを浮かべながらおはぎを食べている。
「うん、これは美味しい」
神本さんもうんうんと頷き笑顔でおはぎを食べている。
「喜んで頂けて光栄ですわ」
おばあちゃんは目を細めて笑った。
「佐波ちゃんのおばあちゃんは料理上手なんだね」
口を大きく開けおはぎを食べているとひょこちゃんが言ってきた。
「うん、わたしの自慢のおばあちゃんなんだもん」
おばあちゃんは料理上手だ。これは本当だ。おばあちゃんが生きていた頃に何回料理を食べただろうか。それはもう数えきれない回数だ。
今食べているおはぎもあんこから手作りで甘さが控えめでおばあちゃんらしい味が口の中に広がる。何個でも食べられるよ。
わたしは、幸せな気持ちになりながらぱくぱくおはぎを食べた。気がつくと涙が頬を伝っていた。
「あら、佐波ちゃん泣いているのかい?」
おばあちゃんがズズズッとほうじ茶を飲みながらわたしの顔をじっと見た。
「うんうん、大丈夫だよ。おばあちゃんのおはぎがあまりにも美味しくて泣いてしまっただけだよ」
わたしはとびっきりの笑顔を作り涙を手の甲で拭いた。
「うふふ、佐波ちゃん、それはありがとう。いい思い出になったよ」
「……おばあちゃん、思い出なんて言わないでずっと、わたしのそばにいてよ。ねえ、おばあちゃん」
わたしはおばあちゃんの顔を真っ直ぐ見て言った。
「ありがとう。佐波ちゃん。でもね、わたしは帰らなくてはならないのよ」
おばあちゃんは柔らかく微笑んだ。
ひよこちゃんが満面の笑みを浮かべながらおはぎを食べている。
「うん、これは美味しい」
神本さんもうんうんと頷き笑顔でおはぎを食べている。
「喜んで頂けて光栄ですわ」
おばあちゃんは目を細めて笑った。
「佐波ちゃんのおばあちゃんは料理上手なんだね」
口を大きく開けおはぎを食べているとひょこちゃんが言ってきた。
「うん、わたしの自慢のおばあちゃんなんだもん」
おばあちゃんは料理上手だ。これは本当だ。おばあちゃんが生きていた頃に何回料理を食べただろうか。それはもう数えきれない回数だ。
今食べているおはぎもあんこから手作りで甘さが控えめでおばあちゃんらしい味が口の中に広がる。何個でも食べられるよ。
わたしは、幸せな気持ちになりながらぱくぱくおはぎを食べた。気がつくと涙が頬を伝っていた。
「あら、佐波ちゃん泣いているのかい?」
おばあちゃんがズズズッとほうじ茶を飲みながらわたしの顔をじっと見た。
「うんうん、大丈夫だよ。おばあちゃんのおはぎがあまりにも美味しくて泣いてしまっただけだよ」
わたしはとびっきりの笑顔を作り涙を手の甲で拭いた。
「うふふ、佐波ちゃん、それはありがとう。いい思い出になったよ」
「……おばあちゃん、思い出なんて言わないでずっと、わたしのそばにいてよ。ねえ、おばあちゃん」
わたしはおばあちゃんの顔を真っ直ぐ見て言った。
「ありがとう。佐波ちゃん。でもね、わたしは帰らなくてはならないのよ」
おばあちゃんは柔らかく微笑んだ。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
椿の国の後宮のはなし
犬噛 クロ
キャラ文芸
架空の国の後宮物語。
若き皇帝と、彼に囚われた娘の話です。
有力政治家の娘・羽村 雪樹(はねむら せつじゅ)は「男子」だと性別を間違われたまま、自国の皇帝・蓮と固い絆で結ばれていた。
しかしとうとう少女であることを気づかれてしまった雪樹は、蓮に乱暴された挙句、後宮に幽閉されてしまう。
幼なじみとして慕っていた青年からの裏切りに、雪樹は混乱し、蓮に憎しみを抱き、そして……?
あまり暗くなり過ぎない後宮物語。
雪樹と蓮、ふたりの関係がどう変化していくのか見守っていただければ嬉しいです。
※2017年完結作品をタイトルとカテゴリを変更+全面改稿しております。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる