久しぶりにおばあちゃんのお好み焼きが食べたいな

なかじまあゆこ

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天国のおばあちゃん見ていてね

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「なんだか良く分かりませんがきっと、神本さんやひよこちゃんと一緒に働くと楽しいんだろうな~って思うのでお手伝いをしますよ」

  わたしはにっこりと微笑みを浮かべた。それにお客さんに喜んでもらえる仕事だと思うとやる気が出てくる。

「ありがとうございます。俺もこれからが楽しみですよ」

「わたしも楽しみだよ。佐波ちゃん、ありがとう」

  こうしてわたしはひよこカフェ食堂の従業員になった。

「では、わたしはお客さんを探してくるね」

  ひよこちゃんはツインテールの髪の毛をゆらゆら揺らし踊るように出ていった。

「あはは、ひよこは相変わらずだよな」

  神本さんは口元に手を当てて可笑しそうにクスクス笑った。



ーーー

「佐波ちゃ~ん、オーナーお客さんを連れてきたよ」

  ひよこちゃんの大きな声が聞こえてきたのとほぼ同時に扉が開いた。

  店内にひよこちゃんと高い位置でポニーテールにした女性が入ってきた。その女性は店内をキョロキョロ見渡している。

  この女性はあの日のわたしと同じようにひよこちゃんに引きずられこのひよこカフェ食堂にやって来たのだろう。

「わたし、お客さんなんですか?」

  お客様は思った通り不思議そうに首を傾げている。

「はい、お客様ですよ」

  わたしはそう言って満面の笑みを浮かべた。

「お客様に喜んで頂ける料理を提供しますよ」

  神本さんは妖しげに笑った。

  きっと、このお客様も幸せな笑顔を浮かべてくれることだろう。

「お好きな席にどうぞ」とわたしが言うとお客様は、大きな窓から木々が綺麗に見えるカウンター席に腰を下ろしていた。

  初めてわたしがこのひよこカフェ食堂にやって来た時と同じ席だ。

  天国のおばあちゃん見ていますか?  わたしは、元気に接客をしているから安心してね。

  さあ、わたしの新しい仕事の始まりです。


「完」


  
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