久しぶりにおばあちゃんのお好み焼きが食べたいな

なかじまあゆこ

文字の大きさ
32 / 33

今日から佐波はひよこカフェ食堂の従業員です

しおりを挟む
「はい、どうぞ、エプロンです」

  わたしは、神本さんから朱色のエプロンを受け取っていた。

「やった~これで佐波ちゃんもひよこカフェ食堂の従業員だね」

  ひよこちゃんが頭に丸い耳を生やしそれからもふもふな短い尻尾を揺らしながらぴょんぴょん飛び跳ねて喜んでいる。

「ひよこちゃん、楽しそうだね」

  わたしは、エプロンの紐をキュッと結びながら言った。

「うん、だって、佐波ちゃんと一緒に働けるんだもん!」

  そう言ってにっこり笑うひよこちゃんはとてもキュートで可愛らしいのだけど、なんだか複雑な気持ちになる。

「さてと、お仕事の時間ですよ」

  横幅も縦幅も広いアーモンドアイの神本さんの瞳がわたしをじっと見た。その目は目力があり惹き込まれそうになる。

「あの、一つ聞きたいのですが妖かしの神本さんがどうして食堂のオーナーをしているんですか?  それと、あの不思議なメニューからすると来店するお客さんはどんな人なんですか?」

  わたしは、不思議に感じていたことを聞いた。

「佐波さん、一つだけと言いながら二つ聞いていますよ」

  神本さんはふふっと妖しく笑った。

  そして、「俺達は人に喜んでもらえることが好きなんですよ。それにお客様の願いを叶えることが出来ると妖かしポイントが貰えるんですよ。それと、お客様は亡くなった人への思いが強かったり思い出の料理がある人ですよ」と神本さんは言った。

「……やっぱりそうなんですね。って、妖かしポイントとは何ですか?」

「あはは、それは妖かしのレベルがアップするということですよ」

「そうそう、わたし達の妖かしレベルがアップすると今より良い生活が送れるんだよ」

  ひよこちゃんがぴょんぴょんと飛び跳ねながら言った。

  わたしは、このたぬきときつね妖かしが良い生活を送るお手伝いをするのだろうか。なんだかいいように使われているような気もするがまあいいかな。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あやかし帝都の婚姻譚 〜浄癒の花嫁が祓魔の軍人に溺愛されるまで〜

鳴猫ツミキ
キャラ文芸
【完結】【第一章までで一区切り】時は大正。天羽家に生まれた桜子は、特異な体質から、家族に虐げられた生活を送っていた。すると女学院から帰ったある日、見合いをするよう命じられる。相手は冷酷だと評判の帝国陸軍あやかし対策部隊の四峰礼人だった。※和風シンデレラ風のお話です。恋愛要素が多いですが、あやかし要素が主体です。第9回キャラ文芸大賞に応募しているので、応援して頂けましたら嬉しいです。【第一章で一区切りで単体で読めますので、そこまででもご覧頂けると嬉しいです】。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

後宮祓いの巫女は、鬼将軍に嫁ぐことになりました

由香
キャラ文芸
後宮で怪異を祓う下級巫女・紗月は、ある日突然、「鬼」と噂される将軍・玄耀の妻になれと命じられる。 それは愛のない政略結婚―― 人ならざる力を持つ将軍を、巫女の力で制御するための契約だった。 後宮の思惑に翻弄されながらも、二人は「契約」ではなく「選んだ縁」として、共に生きる道を選ぶ――。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

雪嶺後宮と、狼王の花嫁

由香
キャラ文芸
後宮に降る雪は、呪いではなく嘆きだった。 巫女として献上された少女セツナは、 封じられた狼王の“花嫁”としての前世を思い出す。 人と妖、政と信仰の狭間で、 彼女が選ぶのは従属ではなく均衡。 雪嶺を舞台に描く、異種婚姻×後宮伝承譚。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

処理中です...