久しぶりにおばあちゃんのお好み焼きが食べたいな

なかじまあゆこ

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ひよこカフェ食堂

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  白壁に温かみのある木製のドア。その横にシンプルな木目調の立て看板があり『ひよこ』と書かれているカフェ食堂の前にわたしは立っている。

  正確には立たされているが正解だけど……。

「さあ、着きましたよ」

  神本さんは美しい笑みを浮かべ握っていたわたしの右腕をパッと離しお店の引き戸をガラガラと開けた。

「着いたよ~」

  ひよこちゃんもわたしの左腕を離し神本さんの後を追いかけた。

  わたしもするするとひよこカフェ食堂に引き込まれていた。

「佐波さん」

「はい、何でしょうか?」

  神本さんがわたしの顔を大きなアーモンドアイの目でじっと見てくるのでなんだか落ち着かなくてドキドキした。

「佐波さん」ともう一度名前を呼ばれたので何かやらかしたかなと考え、あっと気がついた。

「わたし料理の料金を払っていなかったですよね」

  わたしは、慌てて鞄から財布を取り出した。このままでは食い逃げ犯なってしまうではないか。

「今回お代は結構ですよ。その代わり佐波さんにお願いがあるんですよ」

「えっ?  お願いですか」

   わたしは、そう尋ねながら何を言われるのかなと心配になった。

「佐波さんにこのひよこカフェ食堂の従業員になってもらいたいんですよ」

「じ、従業員ですか!?」

  わたしは、思わず声を張り上げてしまった。

「はい、従業員ですよ。佐波さんには人を癒す力があると思うんですよ。それに失業したんですよね。なのでこの機会に是非ひよこカフェ食堂の従業員になってください」

  そう言った神本さんの声はお願いと言ってはいるけれど、思わず「はい」と答えてしまうような力強さがあった。

「よろしくお願いします」とわたしは答えていた。
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