異世界カフェ食堂で皿洗いをしますと思ったら日本料理を創造する力が与えられていた!(もふもふ聖獣猫のモフにゃーと楽しく日本料理を創造します)

なかじまあゆこ

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お隣の食堂とお客さん

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「はぁ……」と溜め息をつきながらみんな一斉に再登場した神様を眺める。

「ほれほれどうじゃな?」

  神様のまるで宝石のように美しいブルーの瞳がわたし達をじっと見つめる。その瞳は吸い込まれそうになるほど澄んでいたのだけど……。

「それ、犬鳥ファッションかな?」

  わたしは神様の服装(着ぐるみみたいな姿)を指差し尋ねる。

「ピンポン!  正解だぞ。アリナはお利口さんじゃな」

「お、お利口さんって……だって、どう見てもそれ、犬鳥の着ぐるみだよね?」

  わたしは呆れてふぅ-と溜め息をつく。

  神様は信じられないことに全身犬鳥のもふもふな着ぐるみ姿になっていて耳や尻尾もある。それに犬鳥の羽もちゃんとね。

「そうじゃが。それがどうした?」
「どうして神様が犬鳥になるの?  それにわたし犬鳥苦手なんだよ」
「ほぅ。苦手じゃったか。だが、顔はこの美しいわたしだから大丈夫だろう?」
「大丈夫じゃな~い!  それと、どうして神様が犬鳥になる必要があるか聞いているのよ?」
「ふふっ。それは、犬鳥はグリーン王国名物じゃからな」

  神様は誇らしげに犬鳥の着ぐるみ姿で胸を張る。ああ、なんて神様なんだよ。みんなに視線を向けるとポカーンとした顔で神様を見ていた。

「ねえ、神様、みんな呆れているよ」

「は?  呆れているってそんな馬鹿な……神様とこのグリーン王国の名物でもある犬鳥とのコラボなんだぞ。感謝してこそなのに呆れるなんて信じられないぞ」

  神様はそれはもう驚いたといわんばかりに目を大きく見開く。

「神様、どうして犬鳥なんだよ。犬鳥よりかこのライオン魔獣鳥である俺の方がカッコいいではないか」

  ちまっと小さなライオン魔獣鳥バージョンのギャップが自信ありげにアピールする。けれど、その姿はちびっこで可愛い。

「ふむ、犬鳥よりライオン魔獣鳥が流行りなのかい?」

  神様は人差し指と中指を顎に当て真剣な表情で考えている。

「神様考えなくてもいいよ。ページのムダ遣いだよ」

「なぬぬ。神様に失礼な奴だな……だが、これ以上お着替えするのもな。致し方あるまいな」

  神様はそう言ったかと思うと元の神様の姿に戻った。何て早業なんだ。だけど、やっぱり元の姿はヒラヒラな白の布を纏ったような服装だった。

  まあ、これが神様なんだもんね。仕方ない。

「うむ、やはりこの服が落ち着くな」

  神様はほっとした表情を浮かべた。

  みんなは、そんな神様をぼーっと眺めている。

「では、前置きはここまでにして本題に入ろう」

  神様は神々しい笑みを浮かべ呆れ返っているわたし達の顔を順番に見る。

「改めましてわたしは神様です」

  神様は改めて自己紹介をし白のヒラヒラした服の裾をつまんだ。

  やっぱりその姿が可笑しくて笑いそうになる。だけど、怒られそうなのでぐっと堪える。

「さて、皆よ。グリーン王国の住み心地はいかがだろうか?  良い世界じゃろう」

  神様は満面の笑みを浮かべる。

「はぁ。この世界は住み心地は良いですよ」とアクアお兄ちゃんが返事をした。

「わたしもそう思うよ。平和な世界だもの。ただ、食べ物がちょっと物足りないけどね」

  ストロベリーナお姉ちゃんも首を縦に振りうんうんと頷く。

「そうだにゃん。この世界は優しい人達がたくさんいるにゃん。ご飯は豊富じゃにゃいけど、アリナちゃんが創造料理を作ってくれてわたしはもぐもぐにゃんに磨きがかかったにゃん」

   モフにゃーは舌舐りをしながら答える。

「俺もこの世界が大好きだぞ。モフにゃー主とアリナちゃんに出会ってから尚更な」

  ギャップもわたしとモフにゃーを交互に見てニマッとする。

「ワシも素晴らしい仲間と野菜作りに出会えて幸せだぞ」

「うふふ、わたしもタイゾーさんと同じく優しい人々と野菜作りが楽しいわ」

  タイゾーおじいさんとカーナさんも満足げに答える。

  みんなにとってもやっぱりこの世界は幸せな場所みたいだ。

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