奈良町には食いしん坊な神様と狛犬が住んでいます!

なかじまあゆこ

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華夜ちゃんと神社へ

華夜ちゃんもびっくりした

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「華夜ちゃん、落ち着いた?」

  わたしはペットボトルの水を拝殿の石段に腰をかけている華夜ちゃんに手渡しながら尋ねた。

  華夜ちゃんはペットボトルの水をゴクゴクと飲んだ。

「うん、奈夜ちゃん、もう大丈夫だよ。ありがとう。でも、びっくりしたよ~」

「本当にびっくりするよね。お金を舐める神様なんてね」

「この神社の神様は変わっているね」

「わたしもそう思うよ」

  だけど、あの変わり者の神様のおかげで今、華夜ちゃんとこうして石段に座り話をすることができているんだなと思うと感謝の気持ちでいっぱいになる。

「おい、君達、俺の噂をしてるのかね」

  神様がわたし達を見下ろし頬を膨らませている。

「だって、お金を舐める神様なんて珍しいんだもん」

「そうかね?  奈夜ちゃん。神様はみんなお金が大好きだと思うぞ」

  神様は首を横に傾げながらわたしの右隣に腰を下ろした。

「他の神様は違うと思いますよ」

「う~ん、そうかな?  お金は美味しいのにな」

「あはは、神様って面白いね」

  華夜ちゃんがふふっと手を叩いて笑った。

「華夜ちゃん笑うんじゃないぞ」

  神様は面白くなさそうな声を出した。

  なんだかそれがまた可笑しくて思わずわたしは笑ってしまった。この神社の神様は面白いよ。

「あははっ、可笑しかった~」

  華夜ちゃんは可笑しくて笑い泣きしてながれた涙を手の甲で拭いペットボトルの水をゴクゴクと飲んだ。

「華夜ちゃんって笑い上戸なんだね」

「そっかな?  あはは、そう言う奈夜ちゃんも笑ってるね」

「あ、あはは、わたしも笑ってるね」そう言ってわたしと華夜ちゃんは顔を見合わせて笑った。

「おいおい、二人とも笑うんじゃないぞ」

  神様はわたしと華夜ちゃんをギロリと睨んだ。

「でもね、神様のおかげでこうして奈夜ちゃんと話せているんだもんね。感謝だね」

  華夜ちゃんは空を見上げて言った。

「うん、神様のおかげだね」と答えわたしも空を見上げた。空はオレンジ色に染まっていてとても綺麗だった。

「わたし、奈夜ちゃんは人と話をするのが好きじゃないと思っていたんだ。でもそうじゃないみたいだね?」

  華夜ちゃんはそう言ってわたしの顔を見た。

「う、うん。わたし、人に自分がどう思われるかなとか気になってうまく話せないんだ……こんなこと言ったら嫌われちゃうかな?  とかいろいろ考えてしまって……でも本当はみんなと仲良くしたいと思っているよ」

  なぜだか華夜ちゃんにだったら自分の本当の気持ちを話しても大丈夫だと思った。
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