生まれ変わったらもふもふ猫に囲まれて暮らしたいと言ったよ。だけど猫だけの世界に俺一人だけ人間なんだ！

緑町に

「緑町に俺と同じ人間が居たの！？  もふもふ猫じゃない人間が居たんだね！」

  俺は興奮して聞いてしまった。

「そうじゃよ。あの子は猫太と同じ人間じゃったよ」

「ど、どんな人間だったの？  じいちゃんはその人間と話をしたのかな？  どうして今まで教えてくれなかったの？」

  俺は矢継ぎ早に聞いてしまった。だって、俺と同じ人間が居たなんてそれはもう気になってしまうではないか。

「……それはだね」

  じいちゃんはちょっと言いにくそうにごにょごにょと何かを呟いている。

「どうしたんだ？  じいちゃん」

「仕方ない。では、話そう。三毛猫のいるカフェで人間を見たのじゃ。女の子だったぞ」

「三毛猫のいるカフェ！    えっ！  女の子だったの？ 」

  三毛猫のいるカフェはやはりあのカフェだよな。しかも人間が女の子だったとはちょっとびっくりだ。

「そうじゃったよ。チラッと見たんだけどな……』」

「女の子だなんて可愛かったのかな？」

  それまで黙っていた猫助が聞いた。

「うん、チラッと見た感じだったけど小さな顔にぱっちり大きな目がめちゃくちゃ可愛いのが印象的な女の子だったぞ」

  じいちゃんはその人間の女の子を思い出しているのかうっとりした目をしている。

「ふ～ん、おじいちゃんそうだったんだね」

「あ、にゃんぴちゃん、だがにゃにゃんぴちゃんも負けず劣らず可愛いとじいちゃんは思っているぞ」

「あら、おじいちゃんそれは嬉しい」

  にゃんぴはにっこりと笑った。

「ねえ、じいちゃん、それでその可愛らしい女の子と話はしなかったのか？」

  俺が聞くと、

「話をしたかったのじゃが出来なかったんだよ」

   とじいちゃんは顔を歪めた。

  話が出来なかったのはどうしてなのかな？