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このもふもふ世界の満里奈のお部屋

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  何はともあれ今はこの世界で生きていくしかないのだ。

  きっと、わたし自身がこの世界に来ることを選んだのだと思う。

  だって、わたしはシロッコに、「我らと楽しいもふもふライフを送るかにゃん」と聞かれて、「はい、楽しいもふもふライフを送りたいです」と答えたのだから。

  わたしは、この世界に導かれてやって来た。きっと、この世界に来ることは必然だったと思うと心が楽になる。

  それにわたしの大好きな可愛らしいもふもふ達がたくさん生活しているんだもんね。

  うふふとわたしが微笑みを浮かべていると、ドアがコンコンとノックされた。

「はい、どうぞ」と返事をすると、「これを渡すの忘れてたにゃん」と言いながらシロッコが部屋に入ってきた。

「これって何かな?」

  わたしは、首を横に傾げながらシロッコが持っている紙を眺めた。

「これはもふもふ癒しの空間アパートカフェの規則とお仕事表だよ。まあ、大したこと書いていないけどね」

  シロッコはそう言いながらわたしに紙を差し出した。

「ありがとう」と言いながらわたしはシロッコから差し出された紙を受け取った。

「あ、満里奈ちゃん、今日は疲れていると思うので明日の朝にでも読んでね」

  シロッコはにっこりと微笑みを浮かべた。その表情がとても可愛らしくて癒された。

「うん、ありがとう」

  わたしも笑顔で返事をして紙を机の上に置いた。

「そうそう夕飯は十九時くらいからだからそれまでゆっくりしていてね」

  シロッコはそう言って部屋から出ていった。

  見かけだけではなくてシロッコは優しい猫さんだなと思った。では、お言葉に甘えてゆっくりしようかな。

  わたしは、可愛らしいチューリップ柄の布団カバーとベッドカバーが掛けられているベッドに入った。

  良い夢が見られそうだ。
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