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もふもふ学校の見学

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「満里奈ちゃんもふもふ学校の見学してみる?」

  シロッコがお吸い物をずずずっと飲みながら聞いた。

「見学?  うん、してみたいな~」

「じゃあ、明日早速行って見るにゃん?」

「えっ!  行ってみるって明日見学出来るの?」

「うん、もふもふの学校はいつでも見学歓迎らしいにゃん」

  シロッコは飲んでいた器をテーブルに置きにんまりと笑った。

「ちょっとドキドキしちゃうけど明日もふもふ学校の見学をお願いしようかな?」

「じゃあ決定にゃん!  わたしがもふもふ学校の先生に連絡しておくにゃんね」

「うん、ありがとう。お願いするね」

  もふもふ学校の見学は嬉しいけれど、それと同時に心配にもなった。だって、もし、もふもふ学校の先生に嫌われたらどうしようかなと考えると不安な気持ちが込み上げる。

「満里奈ちゃん、良かったね」

  わたしの肩をトントンと優しく叩く振り向くと唯奈ちゃんがにっこりと微笑みを考える浮かべていた。

「あ、うん、楽しみなんだけどね……」

「もしかしたら心配しているの?」

「うん……ちょっとだけね」

「大丈夫だと思うよ。満里奈ちゃん自信を持ってね」

  そう言って柔らかい笑顔を浮かべる唯奈ちゃんの顔を見ると何も心配することはないんだと思えてきた。

「うん、そうだね。ありがとう唯奈ちゃん。明日が楽しみだよ~」

  わたしは満面の笑みを浮かべた。

「そうだ、ミケにゃん満里奈ちゃんの学校見学について行くにゃん」

「ミケにゃんちゃんついてきてくれるの?」

「うん、ミケにゃんがついて行けば鬼に金棒だにゃん」

  胸を張るミケにゃんの口の周りには相変わらずうなぎのタレがべったりとくっついているのだった。

「ミケにゃんちゃんそうだね」

  わたしはうふふと笑った。

「満里奈ちゃんどうして笑っているの?」

  ミケにゃんはきょとんと首を傾げた。

  そのミケにゃんの顔が可愛らしくてそして、なんだか可笑しくてわたしは笑ってしまった。明日が楽しみだよ。
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