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可愛らしい服があるといいな

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  コロッケバーガーとポテトを食べてわたしのお腹は満足した。

「じゃあ次は服でも見る?」

  ハンバーガー屋を出たところで椿ちゃんが言った。

「うん、賛成~」

「ミケにゃんもお洋服見るにゃ~ん」


「じゃあ、決定ね」

  椿ちゃんはにっこり笑い歩き出した。


  果たしてもふもふパラダイスの服屋さんはどんな感じなんだろかと気になった。

  町はやっぱり花が咲き誇りキラキラと輝いている。わたしはこの世界が大好きだ。赤レンガの建物も石造りの建物も可愛らしくて絵本の中の世界にやって来たみたいだ。

  前を歩く椿ちゃんの背中を眺めこれまでの椿ちゃんはどんな生活をしてきたのかなと気になった。聞いていいのか迷うけれどやっぱり知りたいなと思う。

「満里奈ちゃん、ミケにゃんちゃん、早く~」

  椿ちゃんがくるりと振り返り笑顔で言った。

「うん、待って~」、「待ってにゃ~ん」とわたしとミケにゃんはほぼ同時に返事をして駆け出した。

「満里奈ちゃんとミケにゃんに似合う洋服が見つかるといいね」

「うん、可愛らしくてリーズナブルなお値段の服があるといいな~」

「ミケにゃんはどんな服でも似合うにゃん」

「あはは、ミケにゃんちゃんってば可愛いもんね」

  わたしは胸を張っているミケにゃんを見て笑った。

「椿ちゃんに似合う服も見つかるといいね」

「うん、楽しみ~」

  わたしと椿ちゃんにそれからもふもふなミケにゃんは笑顔で石畳の道を歩いた。

  それからしばらく歩くと椿ちゃんが「この洋服屋さん可愛い服が売っているかもだよ」と言って指差した。

  するとそのお店の店員さんなのか虎猫が「いらっしゃいませ~」と両手を大きく広げた。
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