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さあ、彩実ちゃんは十一年生の教室に行きますよ

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「では、彩実ちゃん十一年生の教室に行きましょうにゃん」

  ふわふわもふもふの毛並みに包まれたネコッタ先生は気品に溢れた姿で立ち上がった。

「は、はい。よろしくお願いします」

  そう返事をした彩実ちゃんの声は弾んでいる。

「彩実ちゃん、頑張ってね」

  わたしは、彩実ちゃんの顔をチラッと見て言った。

「うん、ありがとう。異世界の学校に転校って言うのかな?  ちょっと不安だけど大丈夫だよ」

  彩実ちゃんはにっこりと微笑みを浮かべ笑った。

「うん、じゃあ、また後でね」

「うん、頑張って来るね。満里奈ちゃんついてきてくれてありがとう」

「うふふにゃん。満里奈ちゃんはもふもふ学校での先輩ですもんねにゃん」

  ネコッタ先生は可愛らしい笑みを浮かべた。

「はい、頼りないもふもふ学校の先輩です」

「そんなことないでしょうにゃん。満里奈ちゃんは頑張っていると職員室でも話題になっているわよ」

「えっ!?  話題になっているなんて照れちゃいます」

  わたしは、なんだか照れ臭くて頭を掻いた。

「うふふにゃん。慣れない異世界であるこのもふもふパラダイスで頑張っていると思うにゃんよ。ただ居眠りは気をつけてねにゃん!」

  ネコッタ先生はそう言ってウィンクをした。

「あ、えっとその……わたし、あはは居眠りですか……気をつけます」

  ヤバい!  わたしの居眠りも話題になっているのかなと思うとちょっと焦ってしまったのだ。

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