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楽しい

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「うふふ、ありがとう。ミケにゃんちゃんの絵はめちゃくちゃ下手くそだけどたこ焼きを食べている可愛らしい姿を思い出して心を込めて描いたんだよ」

  椿ちゃんはミケにゃんの口の周りにソースをべったりくっつけた顔を思い出したのか口元に手を当ててクスクスと笑った。

「ミケにゃんちゃんの姿は何回思い出しても笑ってしまうね」

  わたしもくふふと笑う。

「あの猫ちゃんめちゃくちゃ楽しい子だもんね」

「そうだね」

  椿ちゃんの描いたミケにゃんは今にも『お腹が空いたにゃん』と言いそうで『どうぞ』とお菓子を差し出したくなる。

  そんなことを考えながらペンを握り絵を描いた。いつの間にか夢中になり描き続けていた。

   わたしは絵を描くことが好きなのかもしれないな。何も描かれていなかった真っ白なノートに可愛らしいミケにゃんの飛び跳ねる姿が浮かび上がってくる。

  うふふ、楽しいなー。

「満里奈ちゃんの描く絵ってやっぱり可愛らしいね」

  顔を上げ振り向くと椿ちゃんがわたしの絵を覗き込み見ていた。

「えっ! そうかな?  嬉しいな」

「うん、可愛らしくて元気になれるよ」

  椿ちゃんはそう言ってにっこりと笑った。

「わ~い!  ありがとう」とわたしは素直に喜んでみせた。

「わたしも楽しんで描こうっと!」

  椿ちゃんは言いながらペンを動かした。
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