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ミケにゃんのことは気にしないでトマト料理を食べましょう

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「あの猫さんは自分の世界だね」

「うん、きっと、頭の中からわたし達の姿は消えていると思うにゃんよ」

  わたしとシロッコは顔を見合わせ笑った。

「お待たせしました~」

  明るくて元気な声と共にわたし達の料理が運ばれてきた。

「トマトチーズパスタとトマトたっぷりケーキのお客様」

「はいにゃん」と肉球のある可愛らしい手を上げたシロッコの前に料理が置かれた。

「トマトレタスチーズサンドイッチとトマトパフェのお客様ですね」と言いながらコアラの店員さんはわたしの目の前にも料理を置いた。

  トマトがたくさん溢れている料理はもう食べる前から美味しいことがわかる。これは絶対に美味しいはずだよ。

「ではごゆっくりどうぞ」と言ったコアラの店員さんは厨房に戻る。

  メニュー表とにらめっこしていたミケにゃんはようやく運ばれてきた料理に気がついたみたいだ。

「わっ、美味しそうな匂いだにゃん」と言ったミケにゃんはこちらを見た。そして、「ミケにゃんってばお腹がぺこぺこだにゃん」と言ったかと思うとわたしのトマトレタスチーズサンドイッチに手を伸ばした。

「あ、ミケにゃんちゃん!!」 とわたしがびっくりして声を上げたが時すでに遅し。ミケにゃんはトマトレタスチーズサンドイッチにかぶりついているではないか。

「うん、トマトが爽やかでチーズがとろ~りとしていてめちゃくちゃ美味しいにゃん」
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