笑顔になれる沖縄料理が食べたくて

沖縄そばとコーレーグス

  麺を口に運んだ。わたしの大好きな沖縄そばだ。カツオの出汁も効いていて美味しい。

  沖縄そばの麺は蕎麦粉を一切使わず小麦粉を使っているのでそばという名前はついているがうどんに近い。硬さはうどんより硬めだ。

  わたしはこのうどんに近い沖縄そばが大好きなのだ。

「美味しいですね」

  わたしがにこにこ笑顔を浮かべながら美川さんの顔を見ると、美川さんは目尻を下げてふにゃふにゃふにゃーと幸せそうな表情を浮かべていた。

「美味しい～もう美味しい～これはもうほっぺたが十個は必要だぜ」

  そう言って美川さんは箸で三枚肉を掴み口に運んだ。

「うわぁ～これも美味しい～」

  そして、美川さんはまたまたくぅーと美味しくてたまらないほくほく顔になった。

  わたしも食べよう。三枚肉をお箸で掴み口に運ぶ。すると三枚肉は柔らかくてとろとろで美味しさがぶわーと口の中に広がり幸せだ。

「うん、美味しい～あ、そうだコーレーグスをかけよう」

  わたしはテーブルの上に置いてあるコーレーグス（島唐辛子を泡盛に漬けた調味料）に手を伸ばした。

  そして、コーレーグスを沖縄そばに大量にかけた。

「おっ、愛可さん。コーレーグスをたくさんかけるんですね」

  わたしの存在なんて忘れているかのように沖縄そばを堪能していた美川さんが箸を止めてわたしの顔を見た。

「はい、わたし沖縄そばにコーレーグスを大量にかけて食べるのが好きなんですよ」

「そうなんですね。俺もコーレーグスを沖縄そばにかけて食べるの好きですよ。かけるの忘れていましたね」

  美川さんもコーレーグスの瓶を手に取り沖縄そばに大量にかけた。

「さて、食べましょう」

「はい、食べましょう」

  わたしと美川さんは再び沖縄そばを食べた。うん、コーレーグスをたっぷりかけると辛さがプラスされて沖縄そばがより美味しくなるのだった。

  一度沖縄そばにコーレーグスをかけるとクセになる美味しさだ。沖縄そばの美味しさを味わっていると、食堂のドアが開きランドセルを背負った女の子が入ってきた。

  なぜだか気になる女の子だなと思いわたしはその女の子をじっと見てしまった。