笑顔になれる沖縄料理が食べたくて

なかじまあゆこ

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大好きな沖縄料理を食べて笑顔になろう

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  おばぁのソーミンチャンプルーは豚肉の旨みがじわじわと口の中に広がりそして、野菜がシャキシャキしていて美味しい。

  美味しくて幸せで笑みがこぼれる。

「やっぱり愛可さんのご飯を食べている時の笑顔は素晴らしいですね」

  その声に振り向くとふにゃふにゃふにゃーと緩み切った表情で美川さんはソーミンチャンプルーを食べていた。

「美川さんこそ幸せそうな笑顔ですよ」

「愛可さんのおばぁが作るソーミンチャンプルーは美味しいですからね」

「そんなに褒めてもらうとおばぁが泣いて喜びますよ」

「でも、本当に美味しいですからね。あ、そうだ、ソーミンチャンプルーを食べ終えたら俺のサーターアンダギーを食べさせてあげますよ」

「えっ!  また、サーターアンダギーですか?」

「何か問題でもありますか?」

  美川さんがギロリとわたしを睨む。

「……いえ問題はありません」

「それは良かった。ごちそうさまでした。美味しかった。さあ、サーターアンダギーが愛可さんときらりちゃんを待っているぞ。俺達は仲間ですからね」

  美川さんは立ち上がり、割り箸と食べ終えたフードパックをゴミ箱に捨てた。

  きらりちゃんは、「ソーミンチャンプルーの次はサーターアンダギーだよ」と喜んでいる。


  そして、わたし達は『幸せの運び屋』へと向かう。



「美川さん待ってください~」

「美川さん、待ってよ~」

  わたしときらりちゃんは小走りで足の速い美川さんを追いかける。

「はい?  どうしましたか?  愛可さんもきらりちゃんも歩くの遅いですね。ってか走っていますね」

  美川さんは振り返りながら言った。

「わたしの足が遅いのではなくて美川さんの歩く速度が速いんですよ」

「そうだよ、美川さんの歩く速度が速いんだよ」

  確か前にもこんなことがあったなと思い出した。

  きらりちゃんのお母さんである斎川さんが経営する『元気になれる食堂』に初めて行ったあの日も美川さんの背中をゼーゼーハーハーと息を切らしながら追いかけた。

  その『元気になれる食堂』で今隣を歩くきらりちゃんとも出会えた。中身の濃い数ヶ月だった。おばぁとお母さんとも再び会えたし……。

「愛可どうしたの?」

  きらりちゃんがわたしの顔を見た。

「ううん、きらりちゃんや美川さんと会った日のことを思い出していたんだ」

  わたしは、きらりちゃんの顔を見返し答えた。

「あの日の愛可は嫌なお姉さんだったね」

「それはこっちのセリフだよ~きらりちゃんこそ憎たらしい女の子だったんだから」

  わたし達は、なぬぬと睨み合う。

  美川さんはくるりとこちらに振り返り、「愛可さんときらりちゃんは良いコンビですよ」と言って笑顔になった。

「あ、美川さんが笑った~」

「わっ、美川さんが笑っているよ」

「お、俺が笑うのはそんなに面白いかな~」

  唇を尖らす美川さんを見てわたしときらりちゃんは笑った。

「笑顔は幸せを運んで来ますよ」

「そうだよ、美川さんは幸せの運び屋でしょ」

  美味しいものをたくさん食べて笑顔になろう。時には泣いてしまうこともあるかもしれないけれど、美味しいご飯を食べるとまた笑顔になれるはず。

「美川さんのサーターアンダギーと紫色の割烹着が楽しみですよ」

  笑顔になれる沖縄料理を食べましょう。

「完」

  
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