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2 雑草がぼうぼうの家へようこそ!
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しおりを挟む今、わたしは雑草がぼうぼうに生えているおばあちゃんの家の前に立っている。
建物はよくある二階建ての一軒家なんだけれど今日もおばあちゃんの家は手入れしていない雑草やお花に囲まれていた。
「猫ちゃんはいないかな?」
キョロキョロと辺りを見回していると、いた! 猫だ。発見した。あの猫は朝、わたしの目の前を横切った白黒模様の猫だ。そう牛のような黒いまだな模様(ブチ)が入っている。
「お~い! 猫ちゃんおいで~」とわたしは手招きする。
すると、猫は振り返りわたしをじっと見る。その目の色は黄色でとても綺麗だった。
「ねえ、猫ちゃん。今日の朝、会ったよね?」
猫はわたしをじっと見つめたままにゃんと鳴いた。
「わっ、それってお返事してくれたのかな?」
嬉しくなったわたしの声は弾んだ。猫はまだわたしをじっと見ている。
「よかったら一緒に遊ぼう」
わたしを見ている猫にニコニコと微笑みかけてみる。すると、猫がゆっくりとこちらに向かって歩いてきた。
やったー遊んでくれるんだ。わたしは、ばんざーいをして飛び跳ねてしまった。
にゃんにゃんにゃんにゃんと猫は歩いてきてわたしの目の前でピタッと立ち止まった。
そして、ばんざーいをしているわたしを猫は見上げ、『この子ちょっとお馬鹿さん?』って思っているような顔でわたしを見ている。
「だって、お返事してくれて嬉しかったんだもん。それにこっちに来てくれてたもんね」
わたしはえへへと笑いながら猫と同じ目線の高さに合わせてしゃがみ可愛らしい頭を撫でた。
「わっ、つやつやふわふわで触り心地がいいな」
わたしが頭を撫でると猫は目を細め気持ちよさそうにしている。もうめちゃくちゃ可愛いよ。癒される。幸せだ。
「そうだ、牛柄だから牛柄ちゃんって呼ぼうかな?」
わたしがそう言うと猫改め牛柄ちゃんはにゃんにゃんと鳴いた。
牛柄ちゃん決定でいいんだ。
わたしは嬉しくてまたまたばんざーいをしてしまった。
その時、カサッと音がしたかと思うと、「お嬢ちゃんは猫が好きなのかな?」と言う声が聞こえてきた。
牛柄ちゃんとわたしはその声に振り向いた。あ、この人は‥‥‥。この家のおばあちゃんだ。
わたしが黙っておばあちゃんを見ていると、もう一度おばあちゃんは「お嬢ちゃんは猫が好きなのかな?」と尋ねた。
「あ、うん、猫が大好きです」とわたしは答えた。
「そうか、ならきっと、わたしと気が合うね」
おばあちゃんはにこっと笑った。わたしはおばあちゃんのその柔らかい笑顔と服装を交互に眺めた。
「お嬢ちゃんどうかしたの?」
おばあちゃんは不思議そうに首を横に傾げた。
「あ、えっとその‥‥‥おばあちゃんの服装変わってるなと思って」
だって、おばあちゃんは真っ白なランニングシャツに派手なピンク色のハーフパンツ姿なのだから。そして、足もとはわたしの目の前にいる牛柄ちゃんと似た猫柄のサンダルを履いていた。
「あら、この服似合わないかしら?」
「ううん、そんなことないです。似合ってます。ただ、おばあちゃんなのに派手かなと思って」
「うふふ、わたしは着たい服を着てるのよ。年齢なんて気にしないのよ」
おばあちゃんは口元に手を当てて笑った。なんだかよくわからないけれど、それっていいかもしれないなと思った。
牛柄猫のサンダルわたしも履きたい。
「あ、そうそう丸ごと買ったスイカがあるのよ。お嬢ちゃん良かったら食べていかない?」
おばあちゃんはそう言ってにっこり笑った。
「わっ、スイカですか! 食べたい」と答えてから知らない人のお家でスイカなんて食べさせてもらっていいのかな? と、気になった。
だけど、おばあちゃんの次の一言で思わず「はい、食べていきます」と言ってしまった。
それは。
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