私と君達とあなた達

るぅ

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序章

騎士の俺と不思議な少女

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お姫様を守る騎士ナイト、いやむしろ番犬か・・・それも躾のなっていない猛犬だ
知的であろうとしているが箍が外れた時きっとあの少女は言葉通り喰われてしまうのだろう。


赤髪の少年クレスと緑の髪少年ムーランが山頂へ行って少し経ったが、少し離れたところから二人の気配がする
おそらくもうじきにこちらに戻ってくるだろう、無事に目的とやらを達成したのかはわからないが薬草とやらを見つけらることを願うくらいには恩を感じている





ほんの少しの会話だけならできそうだ、



「随分と警戒をしているね、番犬君」


挑戦的な目線で煽るように、だけど決して敵意は感じさせない
ふっと笑い番犬ことジェイソンに問いかけた


「警戒しないわけがないだろう、あんたどっからどう見ても不審者であることに変わりないしな」


番犬であることには否定をしないあたり、やはりお姫様の事をさぞかし大切にしているのだろう
あの緑の髪の少年もそれは丁寧に丁寧に少女に注意をしていた。








この少女は何者なんだ?・・・・・・・・・・





ただ仲のいい幼馴染といえばそうなのだろう、でもそれだけではない。
理屈とかそんなものじゃなくて、納得できない理由があるとするなら自身の勘がそう告げているかとしか言えない




それにさっきのあの焦り方・・・・・



思い出すのは先ほどのこと、クレスが少女に出番だぞとまるで自身のことのように胸を張って
言ったあの出来ごと、それに対して一番に反応したのは少女自身ではなく番犬君たちだった


断片的ではあるがあの時のことを思い出す


これでも自分は鍛えている、そりゃあそういう職業だからってのはあるが、ただの平でもなければ
それなりに上の立場でもある、それでもここまでの傷を受けていて山登りをするとなると出来ないこともないが
傷に触ることに、間違いないし進んでそれを行おうとも思わない。



そんな中、クレスはそれが造作でもないかのように同行を強要しようとした


甲冑はボロボロで明らかにそれは戦闘をしたであろうとわかるものである、手足は所々赤く痣になってるところもあれば、いたるところから血が流れている、おまけに普段求めてもいないのに相手から言い寄られるくらいには整ってるであろうこの顔もいまはひどいありさまだ


だれがどうみても、これで山登りなど正直馬鹿げている


なのに彼は、あの赤髪の少年がそれがどうってこともないように言っていた、それがどうにも気になる
そしてそのあとの番犬たちの反応も。




少し考える。
例えばこの傷をどうにかできるのだと仮定するならば?





それが正解な気もする。だがそんなことがあるとするなら、平民での魔力持ちというのは珍しい
本来貴族が持って統治する能力としてみられるそれは、今この世界において10人に1人いるかいないかと言われている、例えば貴族の間で女児の魔力持ちが生まれようものなら例え爵位が低くても王族の嫁入りとて夢ではない




魔力があり、そして回復系統の魔法がつかえるとするならば、番犬たちが過保護になるのもわかる
だが魔法を学ぶ機会もないであろうあの少女が果たしてそれを発現できるのかと言われれば疑問に思う
もしそれができるのであればそれこそ天性の才能というものだ。中々に興味深いことには変わりない。




これは自身の主へのお土産が増えたようだ






正解なんてわからない、ただそれはもう確信だった
きっとこの少女が魔力を持っている。




その少女に無意識に視線が向いていたのであろう、何かを感じ取った少女はこちらに対してびくりと反応をして
警戒を表している。今自身の目が猛禽類のそれであることは自覚済みだ、でもそれは仕方ないだろう?






久しぶりに自身が高揚している、王都にて情報を得た時にやはりな、と確認作業のようなものだった
しかしこのような傷を負ったのは不覚にも腕のいい魔力持ちが居たからである、だからこそこの高揚感は心地いい



それは子供が新しいおもちゃを得たような感覚



「ははっ」



自然と出た笑い声に不信感をさらに募らせる番犬君





よく鼻が利くようだ、それでこそ番犬だ




僕は騎士だ、だけど別に君にとっての正義のヒーローでもなければ忠誠をささげた相手はもちろん君ではない
だからこそ、




お姫様をよく、見ておくんだよ?じゃないと攫われてしまうよ










わるいことを考えるのは実は好きなんだ、男ってのはそういう生き物だからね?




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