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チャプター05-04
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惑星マシスは、夜を迎えていた。人造人間の製造が完成目前となり、カッツィ団にとって、期待できる毎日を迎えられそうだった。
ランスは、人造人間の完成に恐怖を抱きながら持ち場に立ち、ジャンの動きを見ていた。
ジャンは、この製造室にある、魔力を電力へと変換する台座に立つと、両手で持つ一本の長い杖を身体の前に立てて、杖と全身を緑色の光で包んだ。さらなる魔力を込めて、周囲へ稲妻を飛ばすと、それを受け止めた台座が電力に変換し、人造人間のレッグスへと送り込まれた。
レッグスは、すでに円柱型の水槽から出されており、魔術師とは違う衣装のロングコートを着せて、ガラス張りのベッドで寝かせられていた。そんな彼に、電力と情報が送られ、起動されようとしていた。
ジャン以外にも、ランスやほかの魔術師も台座に立ち、魔力を機械へと流し込んだ。
しばらくすると、ランスは異変に気づいた。過剰な熱量の蓄積により、周辺機器が爆発しそうであると。そこで気転を効かせて、皆には気づかれないように、防御魔法を強く展開すると、自分を球体光壁で包んだ。
そして、予想どおりのことが起きた。周辺の機器や、人造人間が寝るベッドが大爆発を起こした。砂埃も舞い、天井素材や壁にも亀裂が入り、爆風によって魔術師達が壁に叩きつけられるように吹き飛んでしまった。
ランスも、衝撃に耐えきれず、台座から壁際へと吹き飛ばされてしまった。
静寂が始まると、見えているのは、機器から飛び出る火花と、ジャンの光る杖だった。そして、なにもかもが破壊されたのか、ランスの目の前には、機械の部品が散乱しており、光る石も落ちていた。
レッグスが寝かされていたベッドのあった中央は、砂埃でなにも見えなかった。
「やったか?」魔術師の一人が立ち上がり、辺りを見た。
ランスは、あえて立ち上がることはせず、立てないふりをして、様子を伺うことにした。
「レッグス、聞こえるか?」ジャンが、煙に包まれた中央へ話していた。
すると、中央で魔杖の緑色の光が出現した。すぐさま、その光る杖は、ランスの傍に位置する魔術師に向かって移動を開始した。そんな砂埃から飛び出してきたのは、あのレッグスと思われる人造人間だった。
レッグスは、魔杖を力ずくで振りまわすと、魔術師の胸部に魔杖を突き刺した。
危険を察知したほかの魔術師も杖を光らせて魔杖を展開すると、レッグスの魔杖を弾こうとした。だが、レッグスは完成直後であっても巧みな棒術を習得しているらしく、いとも簡単に魔術師の魔杖を何度も弾き、稲妻を発射して、相手を壁にめり込ませていた。
一瞬の出来事で二人の魔術師が死亡し、それを目の当たりにしたほかの魔術師は、逃げようと走り出した。
そこで、ジャンが煙のなかから飛び出し、レッグスが確認できる距離まで詰め寄ると、彼へ稲妻を発射していた。レッグスの全身に稲妻が命中して捕獲され、彼の動きはここで止まった。
「静まれ!」ジャンも飛び抜けた魔力の持ち主で、レッグスの動きを止めることは簡単だったようだ。魔界からの独立を目論むだけあって、初めて起きる問題に対しても冷静に対応できていた。「もう、大丈夫だ。皆、抑えつけろ」
ジャンのその合図に、ほかの魔術師が落ち着きを取り戻し、魔力の低い稲妻を発射して、レッグスを固定していた。
ランスは、とんでもない兵器を完成させてしまった罪悪感と恐怖に、言葉を失ってしまった。
もし、惑星シストンの警備隊がこちらを救いにこの惑星に来ようものなら、あのレッグスという殺人兵器に皆が殺されてしまう可能性だってあった。ジャンに抑えつけられたとはいえ、レッグスは、一般魔術師では手に負えないほどの魔力を持っていた。
「これは面白い」ジャンは、レッグスの強さに嬉しそうだった。「私が改めて洗脳措置をしておく。指定の場所まで連れていけ。……そこのお前。ランスを監獄に戻せ」
ランスは、人造人間の完成に恐怖を抱きながら持ち場に立ち、ジャンの動きを見ていた。
ジャンは、この製造室にある、魔力を電力へと変換する台座に立つと、両手で持つ一本の長い杖を身体の前に立てて、杖と全身を緑色の光で包んだ。さらなる魔力を込めて、周囲へ稲妻を飛ばすと、それを受け止めた台座が電力に変換し、人造人間のレッグスへと送り込まれた。
レッグスは、すでに円柱型の水槽から出されており、魔術師とは違う衣装のロングコートを着せて、ガラス張りのベッドで寝かせられていた。そんな彼に、電力と情報が送られ、起動されようとしていた。
ジャン以外にも、ランスやほかの魔術師も台座に立ち、魔力を機械へと流し込んだ。
しばらくすると、ランスは異変に気づいた。過剰な熱量の蓄積により、周辺機器が爆発しそうであると。そこで気転を効かせて、皆には気づかれないように、防御魔法を強く展開すると、自分を球体光壁で包んだ。
そして、予想どおりのことが起きた。周辺の機器や、人造人間が寝るベッドが大爆発を起こした。砂埃も舞い、天井素材や壁にも亀裂が入り、爆風によって魔術師達が壁に叩きつけられるように吹き飛んでしまった。
ランスも、衝撃に耐えきれず、台座から壁際へと吹き飛ばされてしまった。
静寂が始まると、見えているのは、機器から飛び出る火花と、ジャンの光る杖だった。そして、なにもかもが破壊されたのか、ランスの目の前には、機械の部品が散乱しており、光る石も落ちていた。
レッグスが寝かされていたベッドのあった中央は、砂埃でなにも見えなかった。
「やったか?」魔術師の一人が立ち上がり、辺りを見た。
ランスは、あえて立ち上がることはせず、立てないふりをして、様子を伺うことにした。
「レッグス、聞こえるか?」ジャンが、煙に包まれた中央へ話していた。
すると、中央で魔杖の緑色の光が出現した。すぐさま、その光る杖は、ランスの傍に位置する魔術師に向かって移動を開始した。そんな砂埃から飛び出してきたのは、あのレッグスと思われる人造人間だった。
レッグスは、魔杖を力ずくで振りまわすと、魔術師の胸部に魔杖を突き刺した。
危険を察知したほかの魔術師も杖を光らせて魔杖を展開すると、レッグスの魔杖を弾こうとした。だが、レッグスは完成直後であっても巧みな棒術を習得しているらしく、いとも簡単に魔術師の魔杖を何度も弾き、稲妻を発射して、相手を壁にめり込ませていた。
一瞬の出来事で二人の魔術師が死亡し、それを目の当たりにしたほかの魔術師は、逃げようと走り出した。
そこで、ジャンが煙のなかから飛び出し、レッグスが確認できる距離まで詰め寄ると、彼へ稲妻を発射していた。レッグスの全身に稲妻が命中して捕獲され、彼の動きはここで止まった。
「静まれ!」ジャンも飛び抜けた魔力の持ち主で、レッグスの動きを止めることは簡単だったようだ。魔界からの独立を目論むだけあって、初めて起きる問題に対しても冷静に対応できていた。「もう、大丈夫だ。皆、抑えつけろ」
ジャンのその合図に、ほかの魔術師が落ち着きを取り戻し、魔力の低い稲妻を発射して、レッグスを固定していた。
ランスは、とんでもない兵器を完成させてしまった罪悪感と恐怖に、言葉を失ってしまった。
もし、惑星シストンの警備隊がこちらを救いにこの惑星に来ようものなら、あのレッグスという殺人兵器に皆が殺されてしまう可能性だってあった。ジャンに抑えつけられたとはいえ、レッグスは、一般魔術師では手に負えないほどの魔力を持っていた。
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