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【ショートストーリー三作詰め合わせ】二人のベッドの誘い方
※青山君からのお誘い(激しめ・後編)
澪は慣れた動きで体勢を入れ替え、青山君を組み敷いた。
「ねぇ、さっきみたいに俺の名前呼んで。あれエロかった」
「あ、あッ、澪……」
素直に従う青山君の態度を気に入ったのか、澪は屈託なく微笑む。
澪は青山君の体内に指を埋めたまま、もう片方の手で青山君のパーカーをたくしあげる。もどかしそうな余裕のない表情にぞくりと身体が熱くなった。
青山君は指を入れられた状態で尋問される。
「最近、圭吾君からえっちに誘ってくれないのちょっと寂しいなぁって思ってたんだけど、一人でしてたの?俺がいないときいつも?」
「ちがっ……今日だけ……」
ふふっ、と澪が笑い声をあげる。
「今日だけのわりには慣れてたね。でも圭吾君、一人でする才能ないみたい。どう触ったらここで気持ちよくなれるのか、自分ではよくわかんないんでしょ」
ここ、と青山君がよがり狂う箇所を刺激する。優しいのに容赦がない澪の細くしなやかな指。ずっと欲しかったけど自分の指では得られなかった快感に、青山君は激しく腰を跳ねさせた。
「やっ、あ、なんでっ……なんでお前……」
なんでお前、俺よりも俺の良いところがわかるんだよ。
青山君が嬌声まじりに訴える。澪が生意気そうに唇の端を上げた。
「教えてあげない。一人でしちゃうでしょ?そんなのやだ、俺におねだりして。絶対気持ちよくしてあげる」
一人でするくらいなら俺に頼め。独占欲もここまで来ると見事である。
とんでもない要求だが、澪に言われると説得力がありすぎた。こいつの過去の所業からして間違いない。一人でするより絶対気持ちよくしてくれる。
「わかった、から……澪、早く」
「どうしてほしいの?」
もう指はいやだ。澪が欲しい。わかっているくせに意地悪く尋ねてくる澪のそれに、青山君はふらふらと足を伸ばして触れた。ズボン越しにも硬さと質量がはっきりとわかる。青山君は目に涙を溜めつつニヤリとした。
「お前だって限界のくせに」
すり、と誘うように足を動かすと、澪が小さく息を詰まらせた。
「もう……ほんっと、何なの?」
ついに澪の語彙力が崩壊した。
青山君は待ちわびていたものを突き入れられ、声にならない悲鳴をあげる。全身に鳥肌が立つほど深い絶頂だった。
「あんなエロい姿見せられて勃つに決まってるじゃん。見つかってオロオロしてたくせに急に逆ギレするの可愛すぎてムカつく、食べたい、もうやだ、大好き、圭吾君可愛い……」
うわごとのようにぶつぶつ呟く澪に何度も最奥を突かれる。青山君は澪にしがみついて鳴くことしかできない。だけど、いつも行為の最中に澪から繰り返し言われていた。
「圭吾君は俺にしがみついて鳴いてるだけで百点満点だから、ベッドでは何もできなくていいの」
快感を盾にされ、完膚なきまでに主導権を奪われる無力感。澪のセックスが好きだ。澪の過保護で凶暴な所有欲にさらされる瞬間が好きだった。
そして行為の後、調子に乗りすぎて叱られるのではないかとふてくされつつも少し怯える飼い猫みたいな態度になる澪が、大好きだった。
「今後、寝室に入るときはかならずノックをしますので」
「俺も自慰を見られた程度で取り乱したりせず、大人の対応を心がけますので」
今後とも何卒よろしくお願いいたします、と。何発か出してすこぶる冷静になった二人は、ベッドの上で正座し膝を突き合わせ、がしりと堅く握手を交わす。
ひと呼吸の後、青山君は正座を崩してベッドに倒れ込んだ。
「あー……夕飯の買い出しだるい」
「ねぇ、ピザ取っちゃお。久々に圭吾君からえっちに誘ってくれた記念のピザ」
そんなバカップルの記念にピザを作らされる店員さんの身にもなれ。
というか、あれは青山君が誘ったことになるのだろうか。下半身丸出しで挑みかかったのだから、まぁ、そうなるだろう。本音を言えば、あれを誘ったとカウントしないでほしかった。もっと年上らしい包容力と色気を携えながら誘わせてほしい。
ピザピザと鳴く澪の頭をなでてやる。いろいろ思うところはあるが、青山君は腰がだるくて部屋から出たくなかったので承諾した。
「たまにはピザもいいか」
「やった!」
澪は青山君の隣に寝そべり、スマホでピザ屋のホームページを検索する。そしてこちらを見ずにぼそぼそと言った。
「本当に俺に声かけてくれていいんだけど、一人でするくらいなら……」
「お前とすると長いんだもん」
文句を言われているのになぜか澪は嬉しそうだった。二十一歳の澪にとって、二人の関係が所帯じみてくるのは愉快なことらしい。こういうときに青山君は十歳下の恋人を眩しく感じる。
青山君は澪と頭を寄せ合って小さなスマホ画面からピザを選ぶ。
「水曜日とか木曜日の夜にするやつはそんなに長くないでしょ。俺だってちゃんと圭吾君の次の日の予定考えてるもん」
言い返しつつも、澪も男なのでわかっているようだった。たとえ最愛の恋人がいても、一人でするのは別腹であると。ふふっ、と気の抜けた顔で笑い合う。
「圭吾君、俺で抜いてるの?」
「悪いかよ」
「最高。エロ動画の女とかで抜くくらいなら俺で抜いて。あとでオカズ提供してあげる、全力のやつ」
澪はベッドに頬杖をつき流し目でこちらを見上げる。
全力でオカズに徹する澪……。切実に欲しくて、青山君は茶化すことができなかった。
「圭吾君の妄想の中の俺、可愛い?」
澪が分かりきった答えを聞きたがるので、青山君は照れを隠した仏頂面できっぱりと告げる。
「本物が一番可愛い」
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