女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ

道楽時計

文字の大きさ
1 / 10

第一話 決闘祭の二人

しおりを挟む
―ある士官学校・決闘祭にて―

女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」
俺「どうだろうな」シュッ

キンキンキンキン! 
俺「ついていける!」 
女剣士「嘘…!」 

俺(この日の士官学校の決闘祭のために半年、彼女の剣の流派を研究した甲斐があった) 

女剣士「こんな試合、お父様も失望する…」 
女剣士「この私が、貧民の我流剣士なんかに負けるわけには…!」ブワッ 

審判(これは殺す気の一撃だ…!)ゾクッ 

俺(来る、炎刀流奥義・絶炎華!) 
俺「我流奥義、絶炎返し!」カァンッ 

女剣士「う、そ….こんな、ことは…」ドサッ 

審判「しょっ、勝負あり! 決勝戦、俺選手の勝利です!」 
観客「うおおおおおお!」 
 


―二年後―

友「士官学校、最後の決闘祭も大詰めだね」 
友「三年連続俺君の優勝かなあ」 

俺「どうだろうな。イケメンの奴、今年は実家絡みでとんでもない師匠を見つけてたみたいだ」 
俺「俺でも勝てるかどうか…」 

クラスメイト「おい、準決勝戦でイケメンが敗れたぞ!」 
俺「!」 
友「は、はぁ!? 何かの間違いだろ!」 

俺「相手は…」 
クラスメイト「女剣士って奴だよ。去年、決闘祭はベスト8まで勝ち残ってなかったはずだけど…」 

俺「女剣士…!?」 
俺(馬鹿な、あいつは俺に敗北してから士官学校に来なくなったはずだ…) 
俺(てっきりショックで学校を辞めさせてしまったのかと心配していたが…) 


女剣士「ふ、ふふ…やっと、やっと貴方に再戦できる」ニヤ 

俺「ど、どうしたんだ、その身体…」 
俺(酷使しすぎてボロボロ…筋肉がむしろ貧相になっている。明らかなオーバーワークで身体を壊している!) 

女剣士「二年間、貴方が、憎くて憎くて、仕方ありませんでした」 

俺「あれは、正当な決闘で…!」 

女剣士「私は父様の自慢の娘…貴族家の家督を継ぐはずだったのに!」 
女剣士「決闘祭で我流の貧民相手に遅れを取って家の名に泥を塗ったと、家を追い出され…家名を失い…!」 
女剣士「私の全てだった…人生そのものだった、炎刀流の使用さえ禁じられた!」 

俺「そ、そこまで…!」 


女剣士「それもこれも、全てっ! 貴方が、あのような節操のない、卑劣な手段で私を負かしたせいで!」 

俺「ひ、卑劣な手段…?」 

女剣士「貴方は、私の炎刀流の奥義を破るためだけの技を半年掛けて編み出して、切磋し続けていた…!」 
女剣士「あんな、あんな技…! 実力では私が勝っていた! だというのに!」 
女剣士「あまりに陰険…!」 

俺「…相手の技に対応した返し技を使うのが、卑怯だと?」 
女剣士「ここは戦場じゃない! 学生が他の学ぶべきことを蔑ろにして、あんな技を覚えるなんて…!」 

俺「俺は、貴女をそれだけ警戒して…同時に、尊敬していた」 
女剣士「!」 
俺「貴女の家がそれ程厳しいとは知らなかった、申し訳ないことをしたとも思う」 
俺「だが、それ以上世迷言を吐いて失望させないでくれ」 


女剣士「…そうね、貴方と口論をしにしたわけじゃない」スッ 
女剣士「始めましょうか」 

俺「…そんな痛々しい身体で、試合なんてしていたら…取り返しのつかないことになるぞ」 
女剣士「黙れ! 私は、とっくに引き返せないんだよ!」タァン 
俺(以前より遥かに速い!) 

キンキンキンキン! 
キンキンキンキン! 

俺「うぐっ…この立ち回りは!」 
女剣士「どう? 決定打が、全く出せないでしょう?」ニマァ 

女剣士「この二年間…ずっと、ずうっと貴方だけを観察し続けて、貴方だけを想い続けてきたの」 
女剣士「今日この日の立ち合いのために」 
女剣士「どれだけ、この日を恋い焦がれていたか…」ハァハァ 
女剣士「まさか、卑怯とは言わないわよね?」ニコォ 

俺「……」ゾクッ 
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

「お前を愛することはない」と言われたお飾りの妻ですが、何か?

あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することはない!」「そんな事を言うために女性の寝室に押し入ったのですか? もう寝るつもりで化粧を落として髪をほどいて寝着に着替えてるのに! 最っ低!」 仕事大好き女が「お飾りの妻最高!」と恋愛感情無しで結婚したらこうなるよね、というお話。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

処理中です...