女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ

道楽時計

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第二話 三年目の決闘祭

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俺(ダメだ…このままだと、相手の剣筋に破綻なんか作れるわけがない!) 
俺(女剣士は、俺よりも俺の剣筋に詳しい)ゾォッ 

女剣士「…右手を上げる、下げて掬い上げようとする」ブツブツ 
俺「う、動きを完全に読まれた!?」 

女剣士「魔禁流奥義・天道貫」ゴウッ 
ドスッ 
俺「うぐっ、太腿を…!」 

俺「お、俺の負け…」 
女剣士「何を言っているの? まだ戦えるでしょう?」 
俺「は…?」 

俺(確かに、足が動く…? 出血も、少ない…) 
俺(いや、違う。きっちり重要な神経を削られてる)ゾクッ 

俺(あいつは、ギリギリ決闘のストップが入らない外傷で抑えつつ、俺に後遺症を残して剣士生命を断つつもりだ!) 

女剣士「気づいたみたいですね。もっとも、降参やストップが入ってもその前に殺して差し上げますが…」 
女剣士「このまま甚ぶられてくれるのなら、全身麻痺で許してあげましょう…ふふ、ふふふふ…」 
女剣士「責任を取って、生涯介護して差し上げますよ。夢絶たれた貴方が無様に生き続ける様を、一生横で嘲笑ってあげます」 

女剣士「さあ、次は左腕の膝をいただきましょうか」 


俺(もう、降参しながら逃げて助けが入るのを期待するしか…) 
俺(これ以上やられたら、俺の身体はもう一生戦場に立てなくなりかねない) 

女剣士『決闘祭で我流の貧民相手に遅れを取って家の名に泥を塗ったと、家を追い出され…家名を失い…!』 

俺(…いや、正面からやってやる) 
俺(俺は悪いことをしたとは思っていない、だが…) 
俺(それが、俺にできる償いだ) 

女剣士「あなたの左腕、いただきます」ザシュッ 

俺「うぐっ!」 
俺(位置がわかっていたのに、対応できない!) 
俺(これは、完全に俺を殺すための剣術だ!) 

女剣士「次はどうしましょう? 右腕? 左足?」 
女剣士「それとも、もう首の神経を削らせてもらいましょうか」ハァハァ 


俺(守りに徹しろ! 相手の剣筋を見極めろ!) 

キンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキン! 

女剣士「まるで、二年前とは正反対の展開になりましたね!」 
女剣士「貴方の剣術を探りながら迎え討とうとする私と、私の剣を研究してきた貴方!」 
女剣士「結果もきっと、そうなるでしょうね!」 

俺(落ち着け……奴の剣術に対して、俺の剣術が詰んでいるわけじゃあない) 
俺(かといって、か細い隙を狙う余裕はない!) 

俺「賭けに出させてもらうぞ!」バッ 
俺「我流奥義・虎牙閃!」ギュンッ 

女剣士「……」ニィッ 
女剣士「前回の決着を忘れたようですね! 虎牙返し!」 


女剣士(勝った…勝った…勝った! 私が、私が、あの剣士に勝った…!)ハァハァ 
女剣士「フフ、フフフフ…!」 

俺「…我流奥義・猫崩れ」シュッ 
女剣士「えっ…」 
ドスッ 
女剣士「…どうして? どうして?」ガクン 

俺「…お前なら、虎牙閃を破ってくると思っていた」 
俺「猫崩れは、俺がずっと前に、虎牙閃の直線的で読まれやすい弱点を補うために考えた技だ」 
俺「途中から動きを分岐する。虎牙閃のように荒々しくなく、ふわりと動いて間合いを詰める」 

俺「もっとも…今日まで、使う機会はなかったがな」 

女剣士「そんな…そんな、どうして、ここまでしたのに…どうして?」 
俺「…戦術を、対策に絞り過ぎたからだ。だから動きを読まれる。俺は、弱みにはちゃんと補う術を用意している」 

審判「しょ、勝利、俺! 士官学校決闘祭、三連覇だ!」 

女剣士「どうして、どう、して…」ブツブツ 

俺「……」 
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