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第八話 約束
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俺「……悪い、女勇者さん。どう謝ったらいいのか……」
女勇者「いいよ」
俺「ゴブリンパウダーを使い過ぎた後に……たまに、ああなっちまうんだ」
女勇者「いいよ」
俺「……そんなあっさり許せるわけ」
女勇者「ボクは自分のことは、女だと思ったことはない。ただの魔王を倒すための、王国の武器だと思っている」
女勇者「だから、いいよ。全く気にしていないから、好きに扱ってくれ」
女勇者「それでキミが旅に専念できるなら結構なことだ」
俺「…………」
――
俺「…………」ガリガリ
女勇者「どうしたんだい、キミ。そんなに辛いなら、アレをそろそろ使った方が……」
俺「いい……」
俺「もう、いい……」ガリガリ
女勇者「……そうかい」
女勇者「寝る度に騒がれても迷惑なのだけれどね」
俺「わかってる…善処する…」ガリガリ
女勇者「…………」
――
女勇者「動かないでくれよ……」
女勇者「はい、巻き終わったよ」
俺「悪い…ドラゴンなんか、鈍い奴の爪を受けるなんてな」ゼェゼェ
女勇者「戦いに集中できていないからだ」
女勇者「今のキミは、足手まといだよ」
俺「そこまで……」
女勇者「そこまでだよ」
女勇者「使いなよ、ゴブリンパウダー」ギロッ
俺「それは、できない……」
俺(そろそろ抜けて来たんだ……)
俺(もうちょっと我慢すれば、剣の腕だって……!)
俺「発作を抑えるためには、とにかく聖水を呑めば!」ゴクゴク
俺(余計に渇く……なんだ、これは!)ハアハア
俺「うう、ううう……」ボロボロ
女勇者「聖水に入れておいたんだ、ゴブリンパウダー」
俺「は、はぁ!?」
女勇者「いいかい、キミの剣の腕は、ゴブリンパウダーありきのものなんだよ」
女勇者「気が付いていなかったわけがない」
女勇者「あの超人的な集中力は、ゴブリンパウダーの副産物なんだ」
俺「そ、そんな……」
女勇者「だから、抜けたら剣の腕が戻るなんて幻想だよ。キミには、魔王討伐が終わるまではゴブリンパウダーを服用してもらう」
俺「う、うう、ううう……」ヨロッ
――
俺「女剣士、女剣士、女剣士!」ハァハァ
パンッ、パンッ、パンッ
女勇者「んぐっ、はぁ! ああ、そうだよ! ボクが、ボクが、キミの女剣士だよ」ハァハァ
女勇者「大丈夫、だよ…んっ! ボクは、いなくならないからっ! キミの前から!」
女勇者「キミのすべてを受け止めてあげるよ、ボクだけが!」
俺「愛してるぞ、女剣士……女剣士……」ギュウッ
女勇者「ああ、ボクも、ボクも、愛してるよ……俺……」ギュウッ
女勇者「キミが誰を見ていても……ボクだけは、キミを見ているからね……」
――
女勇者「ほら、早く使っておくれよ、キミ」ドサッ
俺「だ、大丈夫だ……ここまで服用しなくても……」
女勇者「魔王との戦いで、キミに足を引っ張られたくないんだ。わからないかな?」ギロッ
俺「そ、そんな……だが……」
女勇者「……」イラッ
女勇者「早く使えよ! 散々ボクを身勝手に犯しておいて、今更自分の身が可愛いから使いたくないのかキミは!」
俺「…………」
――
女勇者「また魔王城まで戻ってこられたよ」
女勇者「やっぱり仲間がいると、ペースが全然違うよ。キミがいてくれてよかったよ」ギュウ
俺「…………」
女勇者「奥の王の間に、魔王と……女剣士さんがいるよ」
女勇者「ボクは魔王を殺す」
女勇者「その間に、キミは、女剣士さんを殺すんだ。いいね?」ズイッ
俺「……わかっている」
女勇者「余計な気は起こさないでくれよ。彼女は、魔人になってから既に千人以上を殺してるんだ」
俺「……勿論だ」
女勇者「…………」
女勇者「キ、キミ、さ……その、この戦いが終わったら……ボクと結婚しなよ」カアッ
俺「え……」
女勇者「キミみたいな末期の中毒者の傍で支えてあげられる理解者は、ボクくらいしかいないよ」
女勇者「キミはボクがいなかったら生きていけない。そう思うだろう?」
俺「だが、だが、俺は……」
女勇者「ボクがわざわざキミのゴブリンパウダーの使用量を調整して……それも、なるべく使用量が少なく済む様に、こうしてキミを抱きしめてあげているんだよ」ギュッ
女勇者「少量でもしっかりと、夜に眠れるようにね」
俺「だが、俺なんかで……」
女勇者「い、言っておくけれど、魔王討伐のために今は付き合ってあげているけれど、それが終わったら……わざわざボクは、他人のためにそんなことはしてあげないからね」
女勇者「しっかり……その、自分の今後も考慮しておくれよ」
女勇者「まさか、また廃棄街の剣闘士になるつもりじゃあないんだろう?」
俺「…………」
女勇者「いいよ」
俺「ゴブリンパウダーを使い過ぎた後に……たまに、ああなっちまうんだ」
女勇者「いいよ」
俺「……そんなあっさり許せるわけ」
女勇者「ボクは自分のことは、女だと思ったことはない。ただの魔王を倒すための、王国の武器だと思っている」
女勇者「だから、いいよ。全く気にしていないから、好きに扱ってくれ」
女勇者「それでキミが旅に専念できるなら結構なことだ」
俺「…………」
――
俺「…………」ガリガリ
女勇者「どうしたんだい、キミ。そんなに辛いなら、アレをそろそろ使った方が……」
俺「いい……」
俺「もう、いい……」ガリガリ
女勇者「……そうかい」
女勇者「寝る度に騒がれても迷惑なのだけれどね」
俺「わかってる…善処する…」ガリガリ
女勇者「…………」
――
女勇者「動かないでくれよ……」
女勇者「はい、巻き終わったよ」
俺「悪い…ドラゴンなんか、鈍い奴の爪を受けるなんてな」ゼェゼェ
女勇者「戦いに集中できていないからだ」
女勇者「今のキミは、足手まといだよ」
俺「そこまで……」
女勇者「そこまでだよ」
女勇者「使いなよ、ゴブリンパウダー」ギロッ
俺「それは、できない……」
俺(そろそろ抜けて来たんだ……)
俺(もうちょっと我慢すれば、剣の腕だって……!)
俺「発作を抑えるためには、とにかく聖水を呑めば!」ゴクゴク
俺(余計に渇く……なんだ、これは!)ハアハア
俺「うう、ううう……」ボロボロ
女勇者「聖水に入れておいたんだ、ゴブリンパウダー」
俺「は、はぁ!?」
女勇者「いいかい、キミの剣の腕は、ゴブリンパウダーありきのものなんだよ」
女勇者「気が付いていなかったわけがない」
女勇者「あの超人的な集中力は、ゴブリンパウダーの副産物なんだ」
俺「そ、そんな……」
女勇者「だから、抜けたら剣の腕が戻るなんて幻想だよ。キミには、魔王討伐が終わるまではゴブリンパウダーを服用してもらう」
俺「う、うう、ううう……」ヨロッ
――
俺「女剣士、女剣士、女剣士!」ハァハァ
パンッ、パンッ、パンッ
女勇者「んぐっ、はぁ! ああ、そうだよ! ボクが、ボクが、キミの女剣士だよ」ハァハァ
女勇者「大丈夫、だよ…んっ! ボクは、いなくならないからっ! キミの前から!」
女勇者「キミのすべてを受け止めてあげるよ、ボクだけが!」
俺「愛してるぞ、女剣士……女剣士……」ギュウッ
女勇者「ああ、ボクも、ボクも、愛してるよ……俺……」ギュウッ
女勇者「キミが誰を見ていても……ボクだけは、キミを見ているからね……」
――
女勇者「ほら、早く使っておくれよ、キミ」ドサッ
俺「だ、大丈夫だ……ここまで服用しなくても……」
女勇者「魔王との戦いで、キミに足を引っ張られたくないんだ。わからないかな?」ギロッ
俺「そ、そんな……だが……」
女勇者「……」イラッ
女勇者「早く使えよ! 散々ボクを身勝手に犯しておいて、今更自分の身が可愛いから使いたくないのかキミは!」
俺「…………」
――
女勇者「また魔王城まで戻ってこられたよ」
女勇者「やっぱり仲間がいると、ペースが全然違うよ。キミがいてくれてよかったよ」ギュウ
俺「…………」
女勇者「奥の王の間に、魔王と……女剣士さんがいるよ」
女勇者「ボクは魔王を殺す」
女勇者「その間に、キミは、女剣士さんを殺すんだ。いいね?」ズイッ
俺「……わかっている」
女勇者「余計な気は起こさないでくれよ。彼女は、魔人になってから既に千人以上を殺してるんだ」
俺「……勿論だ」
女勇者「…………」
女勇者「キ、キミ、さ……その、この戦いが終わったら……ボクと結婚しなよ」カアッ
俺「え……」
女勇者「キミみたいな末期の中毒者の傍で支えてあげられる理解者は、ボクくらいしかいないよ」
女勇者「キミはボクがいなかったら生きていけない。そう思うだろう?」
俺「だが、だが、俺は……」
女勇者「ボクがわざわざキミのゴブリンパウダーの使用量を調整して……それも、なるべく使用量が少なく済む様に、こうしてキミを抱きしめてあげているんだよ」ギュッ
女勇者「少量でもしっかりと、夜に眠れるようにね」
俺「だが、俺なんかで……」
女勇者「い、言っておくけれど、魔王討伐のために今は付き合ってあげているけれど、それが終わったら……わざわざボクは、他人のためにそんなことはしてあげないからね」
女勇者「しっかり……その、自分の今後も考慮しておくれよ」
女勇者「まさか、また廃棄街の剣闘士になるつもりじゃあないんだろう?」
俺「…………」
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