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最終話 その後の話
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―三日後―
槍使い「まだ見つからないのか!」
部下「お、お待ちください時期領主様」
部下「崖が険しすぎてまともに調べられませんし、それに、この崖に落ちたとも限りませんし……」
槍使い「血痕からして、ここから落ちたとしか思えないだろうが!」
部下「見つかっても生きているはずはありませんし、急がなくても……」
槍使い「だとしても、一日でも早く遺体を引き上げなければならない! 俺と妻の恩人なのだ!」
部下「……その件についても、考え直してください」
女の子「…………」
部下「この娘……元娼館の嬢で性奴隷で、おまけに某家の隠し子だというじゃありませんか」
部下「スキャンダルのデパートですよ」
槍使い「俺は、あの人からあの子を任されたのだ! そしてこの世界にデパートなぞあるかっ!」
槍使い「つまらんことばかり言っていないで、早く捜せ!」
部下「うう……ようやく戻ってきてくださったと思えば、また無茶なことを……」
部下2「時期領主様、崖下で、人が見つかりました!」
女の子「!」
槍使い「本当か!?」
部下2「はい」
部下2「……それから……信じられないことに、生きています」
女の子「えっ……?」
槍使い「……な、なんだと?」
部下2「は、はい。重傷ではありましたが……」
部下2「横に、不自然な形に折れた聖剣がありまして……」
部下2「恐らくは、身代わりになったのではないかと」
女の子「すっ、すぐに、すぐに会わせてください!」
女の子「私っ、まだ、まともにお礼も……!」
槍使い「お、俺もだ!」バッ
◆◆
神父「槍使い様よ、あなたは彼女と永遠の愛を誓いますか?」
槍使い「は、はみ、はい! 誓います!」
女の子「……」クスッ
シーン
プププ
イマ,ジキリョウシュサマ,スゴイカミカタシタナ
ククッ
槍使い「わ、笑わなくていいじゃないか!」アセアセ
女の子「ご、ごめんなさい、ごめんなさい、笑ってはいけないと思うと余計に……!」アセアセ
俺「…………はぁ」
奴隷商人「なんだい? このめでたい日につまらない欠伸なんかして。つまみ出されるよ」
俺「なんでお前いるんだ……?」
俺「よく見たら白魔導士のおっさんもいるし……」
俺(おっさん、号泣してやがる。藪治療でぼったくろうとしてたくせに……)
奴隷商人「恩人として招待されたからね」
奴隷商人「もっともあの子を売り買いしてたのアタシなんだけど」
俺「…………」
奴隷商人「それより、どうしたのさ」
俺「……俺の力は全部、もらいものだったんだよ」
奴隷商人「へえ」
俺「驚かないのか?」
奴隷商人「まあ不相応な力だったし、そんなところだと思ってたさ」
俺「ずばずば言いやがって……」
俺「……とにかく、それが全部なくなっちまったんだよ」
奴隷商人「ふうん、そうかい」
俺「終わりだ終わり、ぜーんぶ終わりだ。助からなきゃよかった」ハァ
俺「せっかく転移してチートもらって気分よく無双してハーレム作れるはずだったのに」
俺「性格と要領の悪いクズが残っただけじゃねぇか」
俺「せめてステータスさえあればいくらでも稼ぎようがあったのに、剣と一緒に壊れやがって」
俺「こんなんでこの超ハードな世界で生き残れるわけないだろうが」
奴隷商人「…………」
俺「……どうでもよさそうだな」
奴隷商人「どうでもいいじゃないか、たまたま拾ったもの失くしただけなんだから」
俺「他人事だと思いやがって」
奴隷商人「……それに、昔のお客さんは知らないけど、今のお客さんがクズだとは思わないけどね」
俺「適当におだてやがって」ハンッ
奴隷商人「随分と拗ねてるね……」
奴隷商人「……お客さんがもしよかったら、アタシの商売を手伝ってみないかい? アタシ、結構持ってるんだよ」
俺「俺なんか役に立たねえよ」
俺「……それに奴隷の売買は俺には無理だ。買おうとしてはっきりわかったわ」
奴隷商人「……もしも、そういう商売から足を洗ったら来てくれるかい?」
俺「なんでそんなグイグイ来るんだ……俺なんか騙しても金にならないぞ」
奴隷商人「鈍い人だね……」ハァ
俺「……まあでも、他に行く場所もないし、もしもそうなったときには雇ってもらおうかな」
奴隷商人「よしっ、じゃあ決まりだね」
俺「即決できる話じゃないだろ!? やっぱり裏があるんじゃ……」
奴隷商人「もう言質は取ったさ。さて、式が終わったらついてきてもらうよ」ニヤッ
その後、異界から来たと自称する男は、元奴隷商人と共に行商人を始めることになる。
いい加減で、激情的で、一時は商人を辞めようとはしたが……彼は本当に大切なことにはいつも熱心で、誠実で、段々と成功を収めていくようになる。
あるとき、一つの領地に留まって、異界の文化を用いた商品を作り出して大出世することになるのだが――それはまた、別のお話。
槍使い「まだ見つからないのか!」
部下「お、お待ちください時期領主様」
部下「崖が険しすぎてまともに調べられませんし、それに、この崖に落ちたとも限りませんし……」
槍使い「血痕からして、ここから落ちたとしか思えないだろうが!」
部下「見つかっても生きているはずはありませんし、急がなくても……」
槍使い「だとしても、一日でも早く遺体を引き上げなければならない! 俺と妻の恩人なのだ!」
部下「……その件についても、考え直してください」
女の子「…………」
部下「この娘……元娼館の嬢で性奴隷で、おまけに某家の隠し子だというじゃありませんか」
部下「スキャンダルのデパートですよ」
槍使い「俺は、あの人からあの子を任されたのだ! そしてこの世界にデパートなぞあるかっ!」
槍使い「つまらんことばかり言っていないで、早く捜せ!」
部下「うう……ようやく戻ってきてくださったと思えば、また無茶なことを……」
部下2「時期領主様、崖下で、人が見つかりました!」
女の子「!」
槍使い「本当か!?」
部下2「はい」
部下2「……それから……信じられないことに、生きています」
女の子「えっ……?」
槍使い「……な、なんだと?」
部下2「は、はい。重傷ではありましたが……」
部下2「横に、不自然な形に折れた聖剣がありまして……」
部下2「恐らくは、身代わりになったのではないかと」
女の子「すっ、すぐに、すぐに会わせてください!」
女の子「私っ、まだ、まともにお礼も……!」
槍使い「お、俺もだ!」バッ
◆◆
神父「槍使い様よ、あなたは彼女と永遠の愛を誓いますか?」
槍使い「は、はみ、はい! 誓います!」
女の子「……」クスッ
シーン
プププ
イマ,ジキリョウシュサマ,スゴイカミカタシタナ
ククッ
槍使い「わ、笑わなくていいじゃないか!」アセアセ
女の子「ご、ごめんなさい、ごめんなさい、笑ってはいけないと思うと余計に……!」アセアセ
俺「…………はぁ」
奴隷商人「なんだい? このめでたい日につまらない欠伸なんかして。つまみ出されるよ」
俺「なんでお前いるんだ……?」
俺「よく見たら白魔導士のおっさんもいるし……」
俺(おっさん、号泣してやがる。藪治療でぼったくろうとしてたくせに……)
奴隷商人「恩人として招待されたからね」
奴隷商人「もっともあの子を売り買いしてたのアタシなんだけど」
俺「…………」
奴隷商人「それより、どうしたのさ」
俺「……俺の力は全部、もらいものだったんだよ」
奴隷商人「へえ」
俺「驚かないのか?」
奴隷商人「まあ不相応な力だったし、そんなところだと思ってたさ」
俺「ずばずば言いやがって……」
俺「……とにかく、それが全部なくなっちまったんだよ」
奴隷商人「ふうん、そうかい」
俺「終わりだ終わり、ぜーんぶ終わりだ。助からなきゃよかった」ハァ
俺「せっかく転移してチートもらって気分よく無双してハーレム作れるはずだったのに」
俺「性格と要領の悪いクズが残っただけじゃねぇか」
俺「せめてステータスさえあればいくらでも稼ぎようがあったのに、剣と一緒に壊れやがって」
俺「こんなんでこの超ハードな世界で生き残れるわけないだろうが」
奴隷商人「…………」
俺「……どうでもよさそうだな」
奴隷商人「どうでもいいじゃないか、たまたま拾ったもの失くしただけなんだから」
俺「他人事だと思いやがって」
奴隷商人「……それに、昔のお客さんは知らないけど、今のお客さんがクズだとは思わないけどね」
俺「適当におだてやがって」ハンッ
奴隷商人「随分と拗ねてるね……」
奴隷商人「……お客さんがもしよかったら、アタシの商売を手伝ってみないかい? アタシ、結構持ってるんだよ」
俺「俺なんか役に立たねえよ」
俺「……それに奴隷の売買は俺には無理だ。買おうとしてはっきりわかったわ」
奴隷商人「……もしも、そういう商売から足を洗ったら来てくれるかい?」
俺「なんでそんなグイグイ来るんだ……俺なんか騙しても金にならないぞ」
奴隷商人「鈍い人だね……」ハァ
俺「……まあでも、他に行く場所もないし、もしもそうなったときには雇ってもらおうかな」
奴隷商人「よしっ、じゃあ決まりだね」
俺「即決できる話じゃないだろ!? やっぱり裏があるんじゃ……」
奴隷商人「もう言質は取ったさ。さて、式が終わったらついてきてもらうよ」ニヤッ
その後、異界から来たと自称する男は、元奴隷商人と共に行商人を始めることになる。
いい加減で、激情的で、一時は商人を辞めようとはしたが……彼は本当に大切なことにはいつも熱心で、誠実で、段々と成功を収めていくようになる。
あるとき、一つの領地に留まって、異界の文化を用いた商品を作り出して大出世することになるのだが――それはまた、別のお話。
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