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「……却下しますわ。参加するメリットが一つも見当たりません」
全権代行執務室。
シェリルは目の前に突きつけられた金色の招待状を、汚物でも見るような目で見下ろした。
「……そう言うな、シェリル。これは陛下の勅命であり、お前の復職と全権代行就任を内外に示すための重要な儀式だ」
秘書席のウォルフが、慣れない手つきでスケジュール帳を開きながら宥める。
招待状の差出人は国王アルフォンス。『シェリル嬢の輝かしい未来を祝う夕べ』と銘打たれた、大規模な公式ダンスパーティーへの招待だった。
「儀式? いいえ、これはただの『集団による無意味な回転運動と、糖度の高い飲料摂取の強要会』よ。参加者の平均拘束時間は四時間。その間に処理できる書類の数は約八百枚。……国益を損なうわ、こんなの」
「……お前の言い方は、相変わらず夢がないな」
「夢で国は回らないのよ。……はぁ。契約書に『公式行事への参加義務』の項目を見落としていた私が馬鹿だったわ。あの狸親父、最初からこれを狙っていたのね」
シェリルは諦めたように溜息をつき、パチンと指を鳴らした。
「マーサ! 緊急事態発生よ! 『対社交界用・最終決戦装備』を準備しなさい!」
「かしこまりました、お嬢様。……ついにあれを使われるのですね」
数時間後。
シェリルの私室は、戦場と化していた。
「いい、マーサ。ドレスの着付け目標タイムは三分よ。コルセットは肺活量を低下させるから、締め付けは最小限に。髪は視界を遮らないよう、五秒でまとまるアップスタイル一択!」
「お嬢様、メイクはいかがなさいますか? 最新の流行色を取り寄せてありますが……」
「不要! 顔に粉を塗る時間があるなら、その間に法令を一つ暗記するわ。健康的な肌色さえ保てていれば、それが最高の化粧よ!」
シェリルの指示は、優雅さのかけらもない、ただの時間短縮命令だった。
しかし、素材の良さと、迷いのない決断力が、奇跡を起こした。
「……できましたわ。所要時間、トータルで十分です」
マーサが鏡を差し出す。
そこに映っていたのは、装飾を極限まで削ぎ落としたシンプルな濃紺のドレスに身を包み、髪を無造作に、しかし計算された美しさで結い上げた、凛とした美女の姿だった。
すっぴんの肌は、日々の規則正しい生活(という名の強制的な睡眠確保)のおかげで、宝石のように輝いている。
「……ふむ。機能美ね。動きやすいし、これなら誰かにワインをかけられても目立たないわ。……ウォルフ、入っていいわよ」
扉が開き、正装したウォルフが入ってきた。
いつもの騎士服ではなく、仕立ての良い黒の礼服に身を包んだ姿は、野性味の中にも洗練された大人の色気が漂い、マーサが一瞬息を飲むほどだった。
「……どうだ、変じゃないか? こういう服は、肩が凝って仕方がない」
ウォルフが居心地悪そうに首を回す。
シェリルは彼を一瞥し、短く評価した。
「……悪くないわね。その服装なら、不審者として会場からつまみ出される確率はゼロよ。護衛としての機能は果たせそうね」
「……お前の褒め言葉は、いつも独特だな。……お前こそ、その……」
ウォルフが言葉に詰まり、視線を逸らした。耳が少し赤い。
「……綺麗だ。いつものゴーグル姿よりは、な」
「……当然よ。ゴーグルは作業用、これは社交用。用途に応じた最適解を選んだだけだわ。……さあ、行くわよ。この四時間を、最短・最速で終わらせるわ!」
会場となった大広間は、すでに数百人の貴族たちで埋め尽くされていた。
シャンデリアが煌めき、楽団の優雅な演奏が流れる中、シェリルとウォルフが現れると、会場の空気が一瞬で凍りついた。
「……あれが、シェリル様? 以前より、なんだか……凄みが増していないか?」
「隣にいるのは、あの『野獣』ウォルフ様よね? お二人とも、絵画から抜け出してきたみたい……」
ヒソヒソという囁き声が波紋のように広がる。
シェリルはそれを無視し、ウォルフの腕に手を添えて、会場の中央を堂々と進んだ。
「シェリル嬢! いやはや、お美しい! ぜひ我が領地の特産品について、後ほどお話を……」
「現在、新規の商談は受け付けておりません。アポイントメントは秘書のウォルフを通してください。所要時間は五分以内厳守で」
「あ、あの、シェリル様……。今日のドレス、とても素敵ですわ。どちらのデザイナーの……」
「自社(公爵家)製です。コンセプトは『対費用効果の最大化』。以上」
近づいてくる貴族たちの社交辞令を、シェリルは事務的な対応で次々と切り捨てていく。
その姿は、パーティーを楽しむ令嬢ではなく、戦場を視察する冷徹な指揮官そのものだった。
そして、ダンスの時間。
楽団の演奏がワルツに変わると同時に、人ごみをかき分けて一人の男が突進してきた。
「シェリル! ああ、我が愛しのシェリル! 待っていたよ!」
ジュリアンだった。
彼は以前より少しだけマシな身なりをしていたが、その目は相変わらずシェリルへの未練で濁っている。
「さあ、俺と踊ろう! これが俺たちの『復縁のダンス』だ! これでまた、あの頃のように……」
ジュリアンがシェリルの手を取ろうとした瞬間。
横から伸びてきた黒い影が、その手をガシリと掴んで止めた。
「……っ!? い、痛い! 何をする、ウォルフ!」
ウォルフはジュリアンを冷ややかに見下ろし、静かに告げた。
「……申し訳ありません、殿下。全権代行のスケジュール管理は私の仕事です。現在の予定表に、殿下とのダンスは組み込まれておりません」
「な、なんだと!? 俺は王子だぞ! 予定など、俺が作ればいいだろう!」
「……それと。代行のドレスはデリケートな素材でしてね。ダンスが下手な相手に踏まれると、修繕コストが跳ね上がるそうです。……私が代わりに務めさせていただきます」
ウォルフはジュリアンを軽く(しかし物理的に抵抗できない力で)押しのけると、シェリルに向き直り、恭しく手を差し出した。
「……お手をどうぞ、全権代行閣下」
シェリルは呆れたように溜息をつき、しかし迷うことなくその手を取った。
「……仕方ないわね。あなたなら、私の足を踏む確率は〇・一パーセント以下でしょうし。……いいこと、ウォルフ。ステップの角度は正確に、回転速度は一定に保ちなさい。無駄な動きは一切許さないわよ」
「……了解した。完璧な護衛任務(エスコート)を遂行する」
二人がフロアの中央に進み出ると、他のペアたちは自然と道を開けた。
音楽が始まる。
タン、タン、ターン。
シェリルとウォルフのダンスは、甘い愛の語らいではなかった。
それは、お互いの呼吸、筋肉の動き、重心の移動を完璧に計算し尽くした、一分の隙もない「連携動作(コンビネーション)」だった。
二人の体は、まるで一つの生き物のように、高速で、かつ優雅にフロアを舞う。
視線が交錯するたび、言葉ではなく「次の動作への合図」が交わされる。
「……凄い。あんな正確なダンス、見たことがないわ……」
「二人とも、笑ってもいないのに、なぜあんなに息が合っているの……?」
会場中が魅了され、ため息が漏れる。
それは、恋愛感情を超越した、プロフェッショナル同士だけが到達できる、ある種の芸術的な領域だった。
曲が終わり、最後のポーズを決めた瞬間。
割れんばかりの拍手喝采が、大広間を包み込んだ。
「……ふぅ。任務完了。心拍数、異常なし。予定通りの運動量ね」
シェリルは汗一つかかずに、ウォルフの腕から離れた。
「……ああ。お前こそ、完璧なリードだった。……少しは、楽しめたか?」
ウォルフが少し期待したように尋ねる。
シェリルはフン、と鼻を鳴らし、会場の出口へと歩き出した。
「……楽しむ? 非効率な質問ね。……でも、まあ。あなたがパートナーなら、この無意味な時間も、多少は『有意義な運動』になったかもしれないわね」
そう言い捨てて去っていくシェリルの耳は、ドレスの紺色にも負けないくらい、真っ赤に染まっていた。
ウォルフはそれを見て、満足げに微笑み、最強の主君の後を追った。
「……まったく。素直じゃないな、うちのボスは」
ダンスパーティーという名の戦場は、シェリルとウォルフの圧倒的な勝利(?)で幕を閉じた。
しかし、この華やかな夜の裏で、最後の、そして最大の「敵」が動き出そうとしていることに、二人はまだ気づいていなかった。
全権代行執務室。
シェリルは目の前に突きつけられた金色の招待状を、汚物でも見るような目で見下ろした。
「……そう言うな、シェリル。これは陛下の勅命であり、お前の復職と全権代行就任を内外に示すための重要な儀式だ」
秘書席のウォルフが、慣れない手つきでスケジュール帳を開きながら宥める。
招待状の差出人は国王アルフォンス。『シェリル嬢の輝かしい未来を祝う夕べ』と銘打たれた、大規模な公式ダンスパーティーへの招待だった。
「儀式? いいえ、これはただの『集団による無意味な回転運動と、糖度の高い飲料摂取の強要会』よ。参加者の平均拘束時間は四時間。その間に処理できる書類の数は約八百枚。……国益を損なうわ、こんなの」
「……お前の言い方は、相変わらず夢がないな」
「夢で国は回らないのよ。……はぁ。契約書に『公式行事への参加義務』の項目を見落としていた私が馬鹿だったわ。あの狸親父、最初からこれを狙っていたのね」
シェリルは諦めたように溜息をつき、パチンと指を鳴らした。
「マーサ! 緊急事態発生よ! 『対社交界用・最終決戦装備』を準備しなさい!」
「かしこまりました、お嬢様。……ついにあれを使われるのですね」
数時間後。
シェリルの私室は、戦場と化していた。
「いい、マーサ。ドレスの着付け目標タイムは三分よ。コルセットは肺活量を低下させるから、締め付けは最小限に。髪は視界を遮らないよう、五秒でまとまるアップスタイル一択!」
「お嬢様、メイクはいかがなさいますか? 最新の流行色を取り寄せてありますが……」
「不要! 顔に粉を塗る時間があるなら、その間に法令を一つ暗記するわ。健康的な肌色さえ保てていれば、それが最高の化粧よ!」
シェリルの指示は、優雅さのかけらもない、ただの時間短縮命令だった。
しかし、素材の良さと、迷いのない決断力が、奇跡を起こした。
「……できましたわ。所要時間、トータルで十分です」
マーサが鏡を差し出す。
そこに映っていたのは、装飾を極限まで削ぎ落としたシンプルな濃紺のドレスに身を包み、髪を無造作に、しかし計算された美しさで結い上げた、凛とした美女の姿だった。
すっぴんの肌は、日々の規則正しい生活(という名の強制的な睡眠確保)のおかげで、宝石のように輝いている。
「……ふむ。機能美ね。動きやすいし、これなら誰かにワインをかけられても目立たないわ。……ウォルフ、入っていいわよ」
扉が開き、正装したウォルフが入ってきた。
いつもの騎士服ではなく、仕立ての良い黒の礼服に身を包んだ姿は、野性味の中にも洗練された大人の色気が漂い、マーサが一瞬息を飲むほどだった。
「……どうだ、変じゃないか? こういう服は、肩が凝って仕方がない」
ウォルフが居心地悪そうに首を回す。
シェリルは彼を一瞥し、短く評価した。
「……悪くないわね。その服装なら、不審者として会場からつまみ出される確率はゼロよ。護衛としての機能は果たせそうね」
「……お前の褒め言葉は、いつも独特だな。……お前こそ、その……」
ウォルフが言葉に詰まり、視線を逸らした。耳が少し赤い。
「……綺麗だ。いつものゴーグル姿よりは、な」
「……当然よ。ゴーグルは作業用、これは社交用。用途に応じた最適解を選んだだけだわ。……さあ、行くわよ。この四時間を、最短・最速で終わらせるわ!」
会場となった大広間は、すでに数百人の貴族たちで埋め尽くされていた。
シャンデリアが煌めき、楽団の優雅な演奏が流れる中、シェリルとウォルフが現れると、会場の空気が一瞬で凍りついた。
「……あれが、シェリル様? 以前より、なんだか……凄みが増していないか?」
「隣にいるのは、あの『野獣』ウォルフ様よね? お二人とも、絵画から抜け出してきたみたい……」
ヒソヒソという囁き声が波紋のように広がる。
シェリルはそれを無視し、ウォルフの腕に手を添えて、会場の中央を堂々と進んだ。
「シェリル嬢! いやはや、お美しい! ぜひ我が領地の特産品について、後ほどお話を……」
「現在、新規の商談は受け付けておりません。アポイントメントは秘書のウォルフを通してください。所要時間は五分以内厳守で」
「あ、あの、シェリル様……。今日のドレス、とても素敵ですわ。どちらのデザイナーの……」
「自社(公爵家)製です。コンセプトは『対費用効果の最大化』。以上」
近づいてくる貴族たちの社交辞令を、シェリルは事務的な対応で次々と切り捨てていく。
その姿は、パーティーを楽しむ令嬢ではなく、戦場を視察する冷徹な指揮官そのものだった。
そして、ダンスの時間。
楽団の演奏がワルツに変わると同時に、人ごみをかき分けて一人の男が突進してきた。
「シェリル! ああ、我が愛しのシェリル! 待っていたよ!」
ジュリアンだった。
彼は以前より少しだけマシな身なりをしていたが、その目は相変わらずシェリルへの未練で濁っている。
「さあ、俺と踊ろう! これが俺たちの『復縁のダンス』だ! これでまた、あの頃のように……」
ジュリアンがシェリルの手を取ろうとした瞬間。
横から伸びてきた黒い影が、その手をガシリと掴んで止めた。
「……っ!? い、痛い! 何をする、ウォルフ!」
ウォルフはジュリアンを冷ややかに見下ろし、静かに告げた。
「……申し訳ありません、殿下。全権代行のスケジュール管理は私の仕事です。現在の予定表に、殿下とのダンスは組み込まれておりません」
「な、なんだと!? 俺は王子だぞ! 予定など、俺が作ればいいだろう!」
「……それと。代行のドレスはデリケートな素材でしてね。ダンスが下手な相手に踏まれると、修繕コストが跳ね上がるそうです。……私が代わりに務めさせていただきます」
ウォルフはジュリアンを軽く(しかし物理的に抵抗できない力で)押しのけると、シェリルに向き直り、恭しく手を差し出した。
「……お手をどうぞ、全権代行閣下」
シェリルは呆れたように溜息をつき、しかし迷うことなくその手を取った。
「……仕方ないわね。あなたなら、私の足を踏む確率は〇・一パーセント以下でしょうし。……いいこと、ウォルフ。ステップの角度は正確に、回転速度は一定に保ちなさい。無駄な動きは一切許さないわよ」
「……了解した。完璧な護衛任務(エスコート)を遂行する」
二人がフロアの中央に進み出ると、他のペアたちは自然と道を開けた。
音楽が始まる。
タン、タン、ターン。
シェリルとウォルフのダンスは、甘い愛の語らいではなかった。
それは、お互いの呼吸、筋肉の動き、重心の移動を完璧に計算し尽くした、一分の隙もない「連携動作(コンビネーション)」だった。
二人の体は、まるで一つの生き物のように、高速で、かつ優雅にフロアを舞う。
視線が交錯するたび、言葉ではなく「次の動作への合図」が交わされる。
「……凄い。あんな正確なダンス、見たことがないわ……」
「二人とも、笑ってもいないのに、なぜあんなに息が合っているの……?」
会場中が魅了され、ため息が漏れる。
それは、恋愛感情を超越した、プロフェッショナル同士だけが到達できる、ある種の芸術的な領域だった。
曲が終わり、最後のポーズを決めた瞬間。
割れんばかりの拍手喝采が、大広間を包み込んだ。
「……ふぅ。任務完了。心拍数、異常なし。予定通りの運動量ね」
シェリルは汗一つかかずに、ウォルフの腕から離れた。
「……ああ。お前こそ、完璧なリードだった。……少しは、楽しめたか?」
ウォルフが少し期待したように尋ねる。
シェリルはフン、と鼻を鳴らし、会場の出口へと歩き出した。
「……楽しむ? 非効率な質問ね。……でも、まあ。あなたがパートナーなら、この無意味な時間も、多少は『有意義な運動』になったかもしれないわね」
そう言い捨てて去っていくシェリルの耳は、ドレスの紺色にも負けないくらい、真っ赤に染まっていた。
ウォルフはそれを見て、満足げに微笑み、最強の主君の後を追った。
「……まったく。素直じゃないな、うちのボスは」
ダンスパーティーという名の戦場は、シェリルとウォルフの圧倒的な勝利(?)で幕を閉じた。
しかし、この華やかな夜の裏で、最後の、そして最大の「敵」が動き出そうとしていることに、二人はまだ気づいていなかった。
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