私を手放して、後悔は致しませんね?

アノマロカリス

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第十三話

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あれから1ヶ月弱…

私達は王都デルキアッシュに到着致しました。

だけど私達は、いきなり商売を始めるつもりはありません。

まずは材料となる市場価格の見極めに、商売を始める上での立地の確認と顧客の要望など、そして職人の確保と…やる事の課題は多いです。

市場価格の見極めにはエンデとキャルーシーに任せ、立地の確認や顧客の要望などは人との関わりを持つのが上手いメルリランを、そして私は職人の確保に参りたいと思います。

…というのは建前で、2つの大陸を移動する為の資金が思った以上に掛かったというのと、現在の資金では足りない事でした。

普通に生活する分なら問題は無いのですが、商売を始めるのには立ち上げる為の資金が不足しております。

まぁ、この問題は来月になれば解消されます。

今月のアイデア商品の売り上げは、デルード男爵家に収入が入りますが…

来月には、私の銀行の口座に振り込まれますので問題は無いでしょう。

アイデア商品は実績があるとは言え、いきなり販売しても必ず売れるとは限りません。

その為の準備期間を設けました。

そして、皆には独自に動いて貰いました。

その夜…初日に調べた報告を宿屋で致しました。

「材料に関して言いますと、芋の入手は問題はありません。海が近い事もあり、塩の入手も問題は無いのですが…」

「食用油の値段が高騰していて、何か対策をして代用出来る物を考えませんと…儲けに関しては大打撃を受ける場合があります。」

デルード男爵家では、食用油はデンコロモシから抽出した物を使用しておりました。

ですが、この地方ではデンコロモシ畑が無くて、デンコロモシ自体は販売されておるのですが…?

そこから食用油を抽出するには、デンコロモシが痩せていて油を抽出するには適さないということが判明しましたので、別の方法を考えなければなりません。

「こちらも住民の方に要望を尋ねたりしたのですが、食品に関しては海産物が主な主食になっている為に、肉の供給量が少なくて貴族が独占している為に、平民にはあまり出回らないという話でした。」

「そうなると、燻製肉の需要は大きいかも知れませんね。貴族は独自に騎士団を確保していたりしますから、それで魔物の討伐を行っているのでしょう。」

この世界にも豚や牛や鳥と言った家畜は存在しております…が、魔物の脅威がある所為か場所に寄っては家畜を育てるということはあまりしません。

その為に騎士団を派遣して、ブルやオークといった魔物を討伐して肉を確保するという手段を用います。

冒険者ギルドでも食用の肉の確保の依頼を出すことも出来ますが、リスクや報酬額を考えると…あまり効率が良いとは思えませんね。

「では、肉類の確保に関しては一旦保留として…流石は王都というだけあって、職人はある程度を確保出来そうです。…というか、寧ろ余っているくらいなので問題はありません。」

「ですが、職人と言えどもランクはありますよね?」

「確かにランクはありますが、最初に商品化した装飾品はランクの低い職人でも製作が可能な物ばかりです。私のアイデアの装飾品は、ネフティスのデザインの様に細かな細工を作る物では無いので、あれなら高ランクの職人を雇う必要はありますが…」

「あぁ、あの花の装飾品ですか…縁は金を用いて、花びらは銀を使用して、中心は宝石を埋め込んだ物ですよね?あれなら確かに低ランクの職人には不可能でしょうね。」

私のアイデアの装飾品は、あまり製作費にお金を掛けずに販売する物なので…安価で済みます。

貴族用の場合は、多少細かな細工を施してはありますが…それでも高ランクの職人に任せる様な物では無いので問題はありません。

初日の報告はこれで終わりにした。

3人には、もう少し調査をして貰うとして…

私はこの地方で特産品になりそうなアイデアを考える事にした。

デルード男爵家で商品化した物だけを販売する気は無い。

他にも色々と販売する計画はあるのだけれど、問題はどこまで売れるかが…ねぇ?
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