【完結】学校帰りに石蹴りしながら帰っていたら異世界召喚！　貧乏なので異世界の知識はありませんよ？

アノマロカリス

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上章

第七話　どうも、テトです！２

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　「どうも、テトです！　現在はドワーフのギムさんの家でお世話になっています！」

　あれから1週間が過ぎました。
　僕は拾われたその日に、久々に腹に食べ物を詰めてから爆睡して目覚めると、そこには…
　数人のドワーフの人達がいました。
　正直言って…皆同じ髪型と髭なので、誰が誰なのか区別がつきませんでした。
　だけど髪や髭の色や兜で判別が出来る様になって、今では区別がつく様になりました。

　鍛冶職人のギムさん…拾ってくれたお方です！
　次に革細工職人のギルさん…ギムさんのお兄さんで動物や魔物の皮で服を作ってくれる人です。
　他にも料理人のドワンゴさんに、防具職人のグレッドさん、酒職人のガルダさんという5人のドワーフの方達です。
　そして僕がお世話になっている家ですが、隣にも家があってこの5人が住む集落になっているみたいです。
　僕は皆に自己紹介をしてから、今までの経緯をギムさん以外にも話しました。
　すると中には涙もろい人がいて、目頭を押さえてくれる人もいました。
　そして次に僕は服を脱がされてから、服の寸法を測ると言ってくれたのですが…
　事前に話していた通りに裸になると、骨が浮き出た姿を見て…僕は毎食をしこたま喰わされました。

　「いいか、テト！　その身体が元通りになるまで、喰って喰って喰いまくるんじゃ！　そして体が元に戻ったら、この世界の成り立ちや生きる術を教えてやろう。　だがその前に、喰って太るんじゃ！」

　僕は食べられない苦しみを知っていましたが、まさか食べさせられるという事でも苦しみを知ろうとは思いませんでした。
　というのも、ドワーフの1回の食事の量は凄まじい量を食べます。
　僕も同じ様にさらに山盛りを出されて、残しは許されませんでした。
　なので、毎食限界まで喰わされるのですが…正直言って、かなり辛いです。
　慣れればこの量でも平気で食べられる時が来るのでしょうか？
　そして食べたら寝るという夢のような幸せな時間がやってきます。
　というより、お腹が苦しくて動けないというのが正解です。
　そんな生活を1週間も続けていると、骨が浮いていたアバラガすっかり消えて…逆に腹が出て太りました。

　「よし！　体がすっかり元通りだな！　ではこれから修業に入る…が安心しろ、いきなりきつくしたりはせん！」
　「は…はぁ…」

　ギムさんは少しそこで待っとれ！…と言ったので、僕はその場で待つ事にした。
　すると、ソフトボール位の石が転がっていたので、1週間ぶりにその石でリフティングをした。
　10回を過ぎると石が光りだし、30回過ぎると右足が光りだした。
　そして回数を重ねる毎に石の光がどんどん眩くなった。
　その回数が100回を越えて、さらに150回が過ぎると、光っていた石に炎が宿りだした。
　その炎は轟轟と音を立てて熱気を発していたが、僕の足は熱くも何ともなかった。
　そして1回…1回…とリフティングをする毎に炎の勢いも増していた。
　その音を聞いたギムとドワーフたちが家から出て来ると僕を見て驚愕な顔をしていた。

　「テト、何じゃそれは⁉」
　「これが僕の能力みたいです。　ここまでなったのは初めてですが…」
　「それをどうする気じゃ⁉」
　「あ…どうしましょう？　どこか破壊しても良い場所はありますか？」
　「とりあえず空へ蹴り上げるんじゃ‼」

　僕はギムさんの言う通りに上空に石を蹴り上げた。
　石は雲を突き抜けて上昇して…大爆発を起こした。
　その轟音は、付近にいる魔物や動物達やドワーフ達も一瞬で黙らせた。
　ドワーフ達は、開いた口が閉じられない程に大きく開いていた。
　そして石が落ちて来たと思ったら、村から離れた場所に巨大な飛行物が落ちて来た。

　「な…なに？　あのでっかいのは？」
　「あれは…ワイバーンじゃ！　お前の…攻撃？で、ワイバーンを落としよった！」
　「それにしてもギムよ、良い判断じゃった！　これが目の前の何処かに当たってみろ、この辺一帯が消し飛ぶところだったぞ‼」
　「テト…詳しい詳細が解るまで、アレはもうするな！」
　「はい…」

　僕はこれからは自重しようと思った。
　あんな破壊力が生まれる様な物…ここで使う訳にはいかない！
　ちゃんと能力を確かめる為にリフティングは許可がある時以外は控える事にした。

　「それにしても、凄まじい威力だったなぁ？　あのまま続けていたら、どれだけの破壊力になったんだろう？」
　
　こんな僕の能力でさえ、城では役立たずと言われた。
　なら、勇者や賢者や聖女という兄ちゃんや姉ちゃんたちの能力はもっと凄いのだろうか？
　
　「兄ちゃん、姉ちゃん…今は合えないけど、いつか会おうね！」

　その日の修業は急遽取りやめになり、ワイバーンの解体をしてから夕食にワイバーンが出された。
　その味は、凄まじく美味くて生きていて良かったと思えるほどだった。
　そして翌日になり、僕はギムの修業を受ける事にしたのだった。
　だけど、それは…ドワーフでは難なくこなせる物だったけど、人間の僕にはかなりキツイものだった。

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