【完結】学校帰りに石蹴りしながら帰っていたら異世界召喚! 貧乏なので異世界の知識はありませんよ?

アノマロカリス

文字の大きさ
53 / 55
パラレルワールドストーリー 本編とは別のストーリーです。 読むかどうかの判断は任せます。

メーモとデート…前編

しおりを挟む
 【舞台は、最終章の第三話と第四話の中間です。】
 
 「どうも、テトです! 現在僕は…ある事を計画中です!」

 僕はねぇ…気付いてしまいましたよ!
 僕の体に取り憑いている貧乏神は、とことん僕の邪魔をしたいらしい事に!
 だってさぁ…?
 両親に捨てられ、親戚に引き取られても虐待の日々、異世界に来たその日に崖から突き落とされて、ゴブリンに喰われそうになり、食人植物に捕食されかけ、助けられたエルフに処刑されそうになり、逃げ出せたと思ったら熊に襲われる。
 僕の人生は不幸の連続だった…まぁ、僕はこういう星の下で生まれたと思って諦めはつく…。
 だけど…その他にも貧乏神…いや、疫病神が取り憑いていると思う時がある。
 それは、メーモと良い雰囲気になると必ず邪魔が入るという事だ!

 「という訳で…今回はメーモとデート大作戦を決行する!」

 メーモを自由都市フレミング行きに誘い、デートをする!
 ここで障害になるのが父さん達とナーニヌ卿だ。
 ただ自由都市フレミングに行くというだけでは、父さん達は着いてくる可能性が高い。
 近場なら問題は無いが…遠出となると、ナーニヌ卿も着いて来る…いや、絶対に来る。
 そして…久々に姉妹と一緒になれたメーミちゃんも…
 ドワーフ達に行き先を告げずに行くのは気が引けるので、とりあえず聞いてみた。
  
 「メーモと一緒に自由都市フレミングに行きたいんだけど、良いかな?」
 「お主等だけでか?」
 「なら…父さん達も行く?」
 「いや…行きたいところじゃが、ワシ等は注文の品の制作があるからな。 残念じゃが、今回は行けん。」
 《よしっ!》
 「じゃが…テト等だけはちと心配じゃのう!」
 「僕のレベルの高さでも心配?」
 「いや…心配は無いか! 気を付けていくんじゃぞ!」

 良し!
 父さん達が行かないのなら、心配のタネが1つ減った。
 後は、メーミちゃんだけど…?

 「私も行きたいところですが…シルビアママの集落に行って、裁縫を習いたいので…今回は遠慮します。 ルーレもレース編みを習得したいという話だし。」
 《よしっ!》

 これでメーミちゃんが着いてくる心配も無くなった。
 後はナーニヌ卿だが…?
 メーモとメーミが分かれるのなら、護衛対象はメーミの方に護衛で着かないと行けなくなる筈…
 そうなると…着いてくるとは言わないだろうな?
 ところが…?

 「自分は、メーモ様のお供をしますよ!」
 
 …と言い出した。
 予想出来たが、案の定か!
 
 「シルビア様の集落に一緒に行ってから、集落で分かれて自分はメーモ様と共に行く…という感じだと丁度良いのではないですか?」
 「じゃあ、メーミちゃんの帰りが予定より早まったら…メーミちゃんとルーレさんは2人で集落に帰ることになるのか?」
 「自分達が帰るまで居てもらうという…」
 「緊急な要件が入った場合は?」
 「何か…先程から自分が邪魔という風に聞こえますが? 自分を撒いて2人きりになろうとか考えてませんか?」
 「邪魔というか…足手まといかな? 緊急時にメーモだけなら抱えて逃げられるけど…更にナーニヌ卿もとなると、正直キツい。」
 「安心されよ! 自分は騎士だ! 自分の身くらい自分で…」
 「自由都市フレミングに行く場合には、ハードロッグズ山を通るんだけど…前回はレッドドラゴンが襲って来たよ!」
 「ど………ドラゴンですか⁉︎」
 「父さん達だけだったら相打ち覚悟で、良くて引き分け…勝利出来たとしても、犠牲者は出ていたと言っていた。」

 ナーニヌ卿は思った。
 ドラゴンならやり過ごせれば、何とかなるかもしれないが…?
 レッドドラゴンとなると話は別だ。
 
 「た…確かに、そんな状況では自分は足手まといになりますね。 ですが、自分はメーモ様の騎士なので…身体を張ってお守り致します!」
 「なら…ナーニヌ卿だけ囮にして、僕らは逃げるけど平気なの?」
 「ぐっ…!」

 そこまで考えて無かったのかな?
 身体を張って囮になってくれるのはありがたいけど、これだと自分が言った通りに最後には2人きりになるんだが…
 寧ろ永遠に邪魔はいなくなる!
 
 「あ、そうだ! 何も自分が囮にならなくても、テト殿を囮にして…」
 「別に良いけど、父さん達がこの事を聞いたら…ナーニヌ卿は殺されるけど良いの?」
 「テト殿はギム殿達の息子同然と仰っていましたからね…」
 「サッと行ってサッと帰って来るから。 まぁ、2日くらいフレミングには泊まるけど…」
 「その間…何もやましい事はないですよね?」
 「ナーニヌ卿は頭大丈夫? 成人過ぎた男女が同じ部屋に泊まるとなれば、何もないと言っても信じてはもらえないと思うけど…10歳の子供が同じ部屋に泊まって、どんなやましい事をするのさ?」
 
 これだからは大人は…余計な考えを考えようとする。
 やましい事なんて…するに決まっているじゃないか!

 「だが…テト殿は、メーモ様以外にメーミ様とルーレと同じ湯に浸かったというではないか! しかも裸で‼︎」
 「そりゃ…風呂なんだから裸になるのは当たり前だろ? 別にやましい事なんて無かったよ、ねぇ2人とも?」

 僕の発言に対して、メーミとルーレはあからさまに視線を逸らした。
 こらこら君達…そこは何もないと言ってくれないと、ナーニヌ卿が怪しむだろ?

 「やはり…自分も一緒に行った方がい…」
 「ナーニヌ卿はさ、ここからシルビア母さんの集落まで走ってどれくらい掛かる?」
 「この集落からですか? 3日…いや、2日は掛かりますね!」
 「僕は半日で行けるけど…しかもメーモを抱っこした状態で。」
 「つまり…?」
 「ナーニヌ卿がいると、ナーニヌ卿の脚に合わせないといけないからその分遅くなるんだよ。」
 「………分かりました! 今回はテト殿の事を信じましょう!」
 「あぁ、任せておいて下さい!」
 《その期待は、見事に裏切らせてもらうけどね!》
 「何だか…急に不安になって来ました。 やはり自分も…?」
 《ちっ…勘がいいな、コイツ!》
 「大丈夫ですよ、片道3日位で向かいますから!」
 「そんなに早く? ハードロッグズ山の山越えは相当時間が掛かるというのに…」
 
 僕は3人と別れてから、メーモと合流した。

 「父様達はどうだった?」
 「父さん達は、注文や発注分を作るのに忙しいから今回は無理だって。」
 「メーミとルーレは?」
 「2人はシルビア母さんから裁縫の技術を学びたいからパスだと。」
 「1番の懸念のナーニヌ卿は?」
 「言いくるめてから論破した!」
 「まぁ…しつこかったでしょ?」
 「でも…これで2人きりでデートが出来る!」
 「ところで、デートが目的なだけ?」
 「いや…ハクの補充と、前回買えなかった野菜とかを買おうと思ってね。」
 「前回買えなかった?」
 「ちょっとゴタついていて…店を全部回れなかったから。」
 「何かあったの?」
 「メーモを助けた時だったから…」
 「あー…」

 前回行った時は、店の3分の1位しか回れなかった。
 今回はデートなので、買い物も醍醐味の1つだけど…他にも名所を回ってみたりしたいと思った。
 そして夜は高級宿屋で一緒にお風呂に入ったり~一緒に寝たり~ぐふふw
 その為の軍資金は腐る程ある!
 
 「では…メーモ、早速行くよ!」
 「私の方は準備が出来ているけど…いっか! 父様達、行って参りますね!」
 「おう、気を付けて行けよ!」
 「土産を頼むぞ~」
 「いってくるね、父さん達!」

 僕はメーモをお姫様抱っこすると、ナーニヌ卿が止めに入った。

 「テト殿…本当に信じていますぞ!」
 
 僕はその答えに、あくどい顔を答えるとナーニヌ卿は…

 「やはり自分も行くぞ‼」

 そう言いだしたので、僕は集落を飛び出して行った。
 
 「それにしても、ハードロッグズ山の山越えってそんなに簡単でしたっけ? テト殿は2日でフレミングに着くと言っていたのですが…」
 「ナーニヌ、お主知らんのか?」
 「何がでしょうか?」
 「ハードロッグズ山はテトの爆裂攻撃で半壊したんじゃぞ! しかも、懸賞金の掛かった魔獣や龍族を全て倒してあるから、危険な魔獣の類は出てこないし…」
 「え…? では、ハードロッグズ山でレッドドラゴンが出て来たりは…?」
 「火炎竜フレマビューラなら、テトが倒したぞ? それ以外の龍ってあの山にはいないじゃろう、恐らく…」
 「ぐぁ~~~~騙された‼ 今から追い掛ければ…」
 「まず追い付かんじゃろ。 下手すると、ナーニヌがシルビアの集落に行った時には既に着いているだろうしな!」
 「テト殿…自分はしんじ⁉ あの…あくどい顔はそういう意味だったのか~~~⁉」

 一方、テト達は?
 
 「メーモ、息は苦しくない?」
 「かなりのスピードだけど、呼吸は出来るから大丈夫よ!」
 「それなら良かった! そろそろ森を抜けるよ!」
 「え? もう…?」

 レベル300越えのテトは移動速度も尋常で速さでは無かった。
 
 「さてと、次はハードロッグズ山…では無いのか。」
 「綺麗に麓から上が消えているからね…」
 
 僕達は、元ハードロッグズ山に着くと…通ろうとした際に柵がされていた。
 中央に門があり、そこには人が立っていた。

 「此処を通りたければ…」
しおりを挟む
感想 36

あなたにおすすめの小説

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

処理中です...