【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎

アノマロカリス

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第一章

第一話 僕の授かったスキルは…【調味料】?

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 調味料…それは、料理の味付けには欠かせないスパイスの一種。
 塩から始まり…酢にみりんに砂糖などの味付けを経て、料理の完成度が増していくという。
 そしてこの少年はというと…?

 『テッド・リターンズ! 神からの神託で授かれた物は…【調味料】である!』
 「は?」

 僕は周囲から大爆笑をされたのだった。
 僕の前の子の神託は、剣士…その前は木こり…その前は鍛冶と、家業に適したジョブを手に入れているのに、僕が手にしたのは調味料だった。

 僕の名前は、テッド・リターンズ10歳!
 10歳で今後の人生の左右を決める、神殿での神託の儀で神から授かる大事な儀式である。
 その授かる物は人によって異なり…ある者は戦闘系のジョブ、またある者は生産系のジョブ。
 中には稀にだが…ジョブとスキルの両方を授かる者もいる。
 そして僕は、ジョブは授からずにスキルのみで、調味料だった。

 「あの、神殿長! 僕のスキルは解りました…で、ジョブは何なのですか?」
 「確かに…スキルだけでジョブが無いのは変だな…しばし待て!」

 神殿長は、再度祈りを捧げた。
 僕は思った。
 調味料がスキルなら、ジョブは料理人では無いのかと…?
 だが、それなら…普通はジョブから発表される筈…なんだけど?

 『神との交信が終わった!』
 「ジョブは…?」
 『ジョブは…なしだそうだ。』
 「え?」
 『更に追加で話をすると…スキル調味料だけで、料理を練習しても何をしても熟練度は0のまま! そして現在使える調味料は塩のみだ! それが神からのお告げである!』
 
 調味料スキルで塩だけって何?
 そしてジョブは無くて、料理も出来ない?
 すると周りから更に笑い声が聞こえて来た。

 「だっせぇ! あいつ…料理が出来なくて調味料だけだって、しかも塩だけって…」
 「完璧なハズレスキルじゃんか! しかもジョブなしって…」
 「あ~あ、かわいそう~~~ププッ!」
 『これこれ、静かになさい! テッド・リターンズよ…神に感謝を! ブフゥーーーー!』

 神殿長も笑い出してから、更に笑い声が巻き起こった。
 子供達だけではない、付き添いの親も一緒に笑う始末だった。
 テッドは恥ずかしくなって、神託の儀が終了する前に神殿を飛び出したのだった。
 そして、割と大きな街だったクレーメルの街だったが…瞬く間に噂は広まって言ったのだった。

 【ジョブは得られず、スキルは調味料…しかも、料理は一切上達せず!】

 僕だけが誹謗中傷されるだけならまだいい。
 だが、その影響が妹達にも行くのが嫌だった。
 何処に行くにも、街を歩く度に調味料と馬鹿にされ…
 妹達は調味料の妹で、お前等は何を出せるんだ?…と笑われる始末。
 妹達は、「しばらくすれば落ち着くから…」と言っていたが、ベッドで泣いている姿を何度か見た。
 僕は冒険者ギルドに行って、妹達がしばらく出歩かなくても済むくらいに金を稼ごうと冒険者ギルドに行った。
 理由は他にもある…両親の保険金が尽きかけているというのも理由の1つだった。
 僕は懸命に頭を下げて働かせて欲しいと頼んだが、「調味料しか出せない奴に仕事はねぇ!」と断られ続けた。
 なので、失敗しない限りお金がもらえる仕事として、冒険者を選ぶのだった。
 僕は冒険者ギルドに入ると、僕の噂を知っている冒険者達は僕をからかった。

 「あ、調味料だ!」
 「調味料しか使えない奴が冒険者ギルドに何の用だよ?」
 「まさか…冒険者になるつもりか? やめとけやめとけ、死ぬぞ‼」

 僕はそれらを無視して受付に行った。

 「すいません、冒険者になりたいのですが…」
 「はい、君は…まだ成人前ですね。 原則的に冒険者には何歳からでもなれますが、16歳の成人未満は両親の承諾が必要なのですが…」
 「うち…両親居なくて…」
 「そうだったの…とりあえず、適性を測るので…この水晶に血を垂らしてね。」

 僕はナイフで指先を斬ってから、水晶に血を垂らした。
 その傷は、受付嬢がヒールをしてくれた。

 「名前は、テッド君ですね?」
 「はい、そうです。」
 「ジョブは…」
 「ねえよ! ライラぁ、コイツの噂を知っているだろ? ジョブなしでスキル調味料…いや、調味料魔法で塩魔法が使えるだけなんだと!」
 「そうそう、しおまほ~! ギャッハッハッハッハ‼」
 「ごめんなさい、テッド君…皆も静かにしなさい‼」
 「いえ…」
 
 受付嬢のライラは、記入用紙を出してきた。

 「テッド君は、文字は書ける?」
 「あ、はい! この用紙に記入すれば良いんですね。」
 
 僕は、名前と年齢とスキルを書いた。

 「名前は、テッド・リターンズ君ね…って、リターンズ⁉ 君の両親って、バットンさんとカノンさん⁉」
 「「「「「「「「!?」」」」」」」」
 「あ、はい…そうです。」
 「両親が居ない…そういう事だったのね。」

 両親の名前が出てから、ギルド内は静寂に包まれた。
 
 「本来なら…ギルドの依頼は、未成人だと両親の承諾が必要なのですが、無理だとわかりました。 ですので、適性があるかどうかのテストを致します。」
 「テストですか?」
 「この薬草をクチーカの森に行って、3つ採って来て下さい。 それが出来る事で冒険者の資格を与えます。 出来ますか?」
 「はい、行って来ます!」

 僕は冒険者ギルドを出て、街の近くの森のクチーカの森を目指した。
 そしてこの森の情報は、事前に父さんの残したノートに書いてあったのでそれを頼りに探した。
 
 ・・・・・・・・・その頃、冒険者ギルドでは?・・・・・・・・・

 「あの調味料…いや、あの子供は…バットンさんとカノンさんの子供だったのか。」
 「俺達は…なんて酷いことを言っちまったんだろう。」
 「この街を命懸けで救ってくれた、あの2人の子供に対して…」
 「解っているのでしたら、これからは自重して下さい! ただでさえ、あの年齢で街の住人から笑い者にされているのですから。」
 「「「あぁ…」」」

 冒険者ギルドのなかでは、そんな会話がされていた。

 ・・・・・・・・・一方・テッドは?・・・・・・・・・

 「よし、これで…3つめ!」
 
 初めての薬草採取だったが、順調だった。
 やはり父さんのノートは的確に書かれていた。
 僕はこの薬草を持って冒険者ギルドに戻った。

 「薬草3つ…採取してきました!」
 「随分、早かったのね? 確かに薬草3つ…合格です! では、こちらがギルドカードです!」

 僕の貰ったギルドカードは、一番最低ランクの【Hランク】からスタートだった。
 僕は喜びを噛み締めていると、周りから拍手が巻き起こった。

 「やるじゃねえか! 依頼達成だな!」
 「おめでとう! これで俺達は仲間だ!」
 「ありがとうございます! これから、宜しくお願いします!」
 「おう、宜しくな! テッドだっけか?」
 「調味料でも良いですよ、街の中では僕は名前では呼ばれないので…」
 「じゃあ、宜しくな調味料!」
 「これからもがんばれよ、調味料!」
 
 僕はお辞儀をしてから冒険者ギルドを出た。
 そして家に帰ると、リットが夕食の用意をしていた。

 「リット…お兄ちゃんな、冒険者になった。」
 「おめでとう、お兄ちゃん! 御飯が終わったら、少し良いかな?」
 「うん…」
 
 僕達は夕食を食べ終わった後に、テーブルを片付けてから落ち着いていると…

 「お兄ちゃん、私からはこれ…」

 リットは、父さんが使っていたダガーを研ぎ直してくれた物を渡してくれた。
 僕は鞘から抜くと、刃は綺麗に研がれていた。

 「私からはこれ…少し不格好だけどね。」

 ルットからは、布を重ねて作った布の服を用意してくれた。
 表面は綺麗な青布だが、内側は色々な布が継ぎ接ぎされていた。

 「私からは…これなの。」

 ロットが腕に付けてくれたのは、糸で編み込んだブレスレットだった。
 ブレスレットに触れると、じんわりと温かみを感じた。

 「みんな…ありがとう!」

 僕は3人を抱きしめた。
 この装備で僕は…明日から頑張ろうと心に誓った。
 
 そして翌日…
 僕は妹達からの贈り物を装備して、冒険者ギルドに顔を出した。
 僕の出来る仕事は、薬草採取のみ…
 薬草採取で稼げる金額はたかが知れている。
 だが、毎日毎日…続けて行き、休むことなく続けて1年が経っていた。

 リットから貰ったダガーは、まだ使ってはいない。
 討伐クエストは無い訳ではないけど、僕の筋力を考えると魔物に攻撃を当てる事は可能でも、トドメを刺せる程の威力が無いからだった。
 だから、比較的に森の入った場所の近くで薬草採取をしているのだった。
 そこなら…魔物は滅多にいないからだった。
 そして、調味料の塩も家の料理に欠かせない存在になっている。

 この世界の塩は、岩塩を削った物が主流で…色も少しくすんでいる。
 僕の出す塩は、真っ白な塩で売れば高値が付く…と思っていたが、周りの人達は気持ち悪がって誰も買おうとはしなかった。
 僕の体内から出された物だと思われているみたいだった。
 唯一使ってくれるのは、妹達くらいな物で…それ以外には。
 なので、塩を販売は出来なかったのである。

 だが、そんな薬草採取だけの日も終わりを告げようとしていた。
 薬草採取で本来いない場所にドリエリアドッグという魔物が現れたからだった。
 僕は初めての実戦でダガーを抜いて構えた。
 だが、剣先は震えていて狙いが定められない。

 そして僕は…
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