幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つ物なのかな?

アノマロカリス

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第五章 動き出す…?

第十一話 ダン…は?(皆が色々と動いてくれています)

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 ………漆黒の空間………

 慱はこの空間に来たダンを見て頭を抱えていた。
 魔剣アトランティカも人型になってダンを見ていた。

 「全く…なんという無茶をしたんだよ!」
 「相棒の様子はどうなんだ?」
 「存在はしているが、生きてはいない…いや、死んでいる訳ではないんだが、良く解らない状態なんだ。」
 「相棒から以前聞いたんだが、この体の持ち主は元来慱の物だったんだろう?」
 「あぁ、僕が元いた世界で野犬に襲われた際に恐怖と痛みから逃れる為に作った人格なんだけど…」
 「なら、慱とは全く異なる者という認識で違いないのか?」
 「うん、全くの別人といった方がしっくりくるかもしれない。」

 体の方は、賢斗とレイリアさんが治癒魔法をしてくれたお陰で、体自体は全く問題は無い。
 ダンという人格の精神が全く戻らない。
 呼びかけてもスキルを使用しても、ダンの意識に干渉する事が出来ない。

 「内側精神に問題が無いのであれば、外側肉体の方に問題があるのかな?」
 「慱が相棒に成り代わり、体を動かす事は出来ないのか?」
 「短時間なら可能だろうけど、そんなに長くは動かせないと思う。 こうなってくると賢斗と翔也だけには事情を話しておくとするか…」
 「オレも協力しよう。 何をすれば良い?」
 「正直、シャンゼリオンを還して翔也をこの空間に来させる事は可能だけど、賢斗もこっちに呼べれば話が早いんだが…」
 「なら、賢斗殿とオレが仮契約を結んでこちらの世界に精神を持ってくるという風にすれば良いのではないか?」
 「それだと…アトランティカ何かしらのペナルティを受けないか?」
 「相棒が助かる為なら、多少の無理は貫き通すさ! 今のオレの状態は、過去の時に近い位の力があるからな!」
 
 ………宿屋の部屋………

 アトランティカには一度剣に戻って貰った。
 
 《シャンゼリオン、翔也殿に賢斗殿を連れて来るように伝えてくれないか? 相棒を目覚めさせる為の手助けが必要だと…》
 《わかりました、隣の部屋にいますのですぐに向かいますね。》

 5分後、翔也は賢斗を連れて来た。
 
 《翔也殿、相棒を目覚めさせる為に必要な事を話すから黙って聞いて欲しい、まず…オレを相棒の体の上に乗せて、その上に賢斗殿と翔也殿は剣に触れてくれ。》

 翔也はアトランティカに言われた通りにダンの体の上にアトランティカを置いてから、2人で触れた。
 翔也の片手は、シャンゼリオンに触れたままになっている。

 《賢斗殿、オレの声は聞こえるか?》
 「これが…アトランティカの声なのか? あぁ、聞こえている。」
 《これから一時的に仮契約を行う。 その後に賢斗殿と翔也殿とシャンゼリオンを慱の精神世界に送るから、詳しくは向こうで話をする。》
 「良くは解らないが頼む!」
 「精神世界か…」
 《では、いくぞ!》

 ………再び・漆黒の空間………
 
 「ここがダンの精神世界か?」
 「虚無の空間だな…?」
 「2人供、久しぶりだね!」
 「ダン…にしては体が小さくないか?」
 「こっちには本来の大きさのダンがいる⁉ どうなっているんだ?」
 「色々混乱しているかもしれないけど、時間が無いので手短に話すから聞いて欲しい…」

 慱は今までの経緯を話した。
 翔也は話を完全に理解出来ていない感じだったが、賢斗は話の全てを理解していた。

 「なるほど、なら君が僕達の知っていた慱で、そちらの今のダンが疑似人格のダンという事か…」
 「さすが賢斗だ…話が早くて助かるよ。」
 「俺には何が何だか…」
 
 翔也だけは相変わらず翔也だな…と、慱と賢斗は溜息を吐いた。
 とりあえず翔也には、そこから動かずに黙って貰う事にした。

 「慱が本来の体に戻るという事は出来ないのか?」
 「この体の大きさからしてそれは無理なんだ。 そこにいるダンと融合をすれば、本来の僕に戻れるとは思うんだけど…」
 「二人を別々に戻すという事は不可能なのか?」
 「小学生の頃に賢斗と話していた、ホムンクルス人造人間を作りだせないか?…という話をした事があったけど、覚えているかな?」
 「覚えているよ、懐かしい話だな。」 

 以前…僕と賢斗は、血肉を培養してから、体を形成する素材を元にホムンクルスが作りだせないか?
 …そういう話をした事があった。
 あの頃は大した知識もなく、空想の産物で終わってしまったが…この世界では突き詰めれば可能かもしれない可能性がある。
 僕はダンを指していった。
 
 「まず、そこのダンが意識を取り戻す事が優先になる。 次に後ろで結界に閉じ込めているルキシフェルの施した封印を全て解除しないと、ホムンクルスを作ったとしても入る事は出来ないんだ。 仮にホムンクルスに僕の意識を入れるとしても、どっちにしろダンの力が必要になるしね。」
 「ダンが本来の力の…【覚醒】だっけ? あれは慱とダンのどっちの力なんだい?」
 「初めは僕とダンが融合した時の力だと思っていたんだけど、ダンが【覚醒】を使用した時に僕には全く影響がない所を見ると、ダンの固有能力ではないかと思っている。 そして更に面白い事をいうと、僕とダンでは…本来持っているジョブの特性が異なるんだよ。」
 「こっちのダンは、ジョブが器用貧乏だったと思ったけど?」
 「それはルキシフェルが面白半分で設定したジョブだね。 本来のダンのジョブは、僕にもわからない。 そして僕のジョブだけど、肉体を得てから獲得出来るという物みたいなんだけど、ダンとは別物だという事は間違いない。」

 まぁ、ジョブ以外にも僕とダンでは違う所が結構あるけどね。

 「慱から見て、ダンってどんな感じ?」
 「面白い性格だとは思うよ。 僕とは性格がまるで違うし、あのハッタリというか悪口のセンスは僕にはないなぁ…あの湧き出る挑発や悪口は、僕も見ていて呆れる位だからね。」
 「確かに、慱も冗談は言っていたけど…ダン程に人をイラつかせる様なしなかったね。」
 「そして何より仲間思いで、自分にも他人にも厳しい面があり、仲間を救う為なら自分が死ぬ事も厭わないという尊敬出来る………友人だよ。」
 「友人か…確かに! 慱とダン…姿は似ていても全くの別人なんだな。」
 「うん、ちょっと紛らわしいかもね…僕が兄で、ダンが弟の双子とでも思っておいてくれ。」
 
 自分でいうのも何だけど、友人より双子という言い方の方がしっくりくるな。
 僕はダンを見てそう思った。

 「さて、それよりも…だ。 ダンには目覚めて貰わないといけないのだが、ダンが使ったスキルが厄介でね…」
 「バーン・ザ・ソウルと言ったっけ? 訳すと、命を燃やす…という意味だよな?」
 「単語を聞いてから嫌な予感がしたので、作業を中止して僕からダンに回復魔法を放っていたんだ。」
 「なるほど、だからか…ダンの精神体が欠損している様子が無いのは…?」

 ダンの体は別にどこも異常がない。
 命を燃やす行動をすれば、最悪は精神体が消滅するか体が透けて非常に危ない状態になる。

 「この1週間、僕とアトランティカは…ダンに必死に呼びかけているんだけど、全く反応が無いんだ。」
 「慱が目覚めたのは、地竜の戦いの時だと言っていたよね?」
 「あぁ、それまでは…元の世界の時は意識は眠ったままだし、こっちに召喚してからすぐにルキシフェルに封じられたからね…って、翔也! そいつに触るな‼」
 
 翔也は僕と賢斗の話に退屈していたのか、うろうろと動き回っていた。
 そして封印されているルキシフェルに触れようとしていた。 

 「そいつの封印は不完全なんだ、下手に触って封印が破れたらどうするつもりだ!」
 「翔也、君は先に戻っていてはくれないか? それが嫌なら黙ってそこにいてくれ!」
 「分かったよ。」
 「話を戻すが、ダンを目覚めさせるにはどうしたら良い?」
 「聖女の術でもあれば可能かもしれないけど、そういえば華奈は?」
 「華奈は今テルシア王国にいる。 あの事があってから、考える時間を皆がいない場所で考えたいと言ってね。」
 「僕もダンの目から見ていたから分かってはいるけど、正直あれはダンの行動が正解だと思うよ。」
 
 僕の体で僕の意思とは関係なしに華奈を刺した事は、初めは許せなかった。
 けど、華奈の今置かれている状況を考えれば、あの行いは正しいと思う。
 
 「あ……あー…いや、駄目だな、これは…リスクが高すぎるなぁ…」
 「何か良い方法があるのか?」
 「無くはないんだけど、かなりリスクが高い上に…いや、やるしかないか…」
 「どんな方法か教えてくれ⁉」
 「ごめん、ちょっとまってて…計算する」
 
 空間に光で文字を描いた。
 他者からの魔力供給を体内で精製してから精神体に送る方法の計算式を描いた。
 
 「こんな所だね…賢斗はこれを見てどう思う?」
 「どう…って言われてもなぁ…? 書いてある事自体は理解出来るよ、うん…ただね、複雑すぎて、僕の手には余るかな?」
 「難しかったかな? では、これならどう?」
 「うん、大分解り易くはなって来た…たださぁ、慱の年齢って10歳から止まったままなんだよねぇ?」
 「まぁ、そうだね。」
 「10歳がこの計算式をかぁ…天才と言われていた僕が如何に自惚れていたかが良く解るよ。 正直に言うと、可能ではあるね。 この場のメンバーだと、翔也と僕とレイリアさんにベルさんか…うん、いけるかな?」
 「4人がダンの体に触れて魔力を流す。 僕は一時的にダンと融合して魔力を精製してダンの精神体に送る。」
 「合図はどうする?」
 「僕が開始合図をアトランティカに託すから、彼の指示を合図に行動してくれる?」
 「わかった! 翔也、戻るぞ‼」

 賢斗と翔也は戻って行った。
 僕はダンを見て言った。
 
 「もうすぐ、君を復活させるからね! 待っててくれよ……弟よ!」

 ………宿屋………
 
 賢斗と翔也は、元の自分の体に戻った。
 賢斗はレイリアとクリアベールを呼びに行った。
 翔也はシャンゼリオンとアトランティカに計画を話した。

 《なるほどな…オレの役割は結構重要だな! 相棒が目覚める為だ、任せろ!》
 「レイリアさんとベルさんを連れて来た。 彼女達には事情を話していあるから、すぐにやるよ!」
 「わかった、皆ダンの体に手を当てて、魔力を流す準備を!」
 
 4人はそれぞれダンの体に触れた。
 そしてアトランティカの合図と共にダンの体に魔力を流していった。
 初めての試みに皆は協力をしてくれた。
 そして、慱が上手く誘導してダンを目覚めに成功したのだが…?

 ダンの様子がいつもと違っていた。
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