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第一章
第七話 溢れ出る肉汁…・中編(ワカメ生活を脱却する為に…)
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次の獲物を探してみた。
イノシシは、今に僕では…とてもじゃないが歯が立たないと思ったからだ。
なので、比較的に弱そうな魔物に変えようと思って色々捜索をしていると、ワカメ生活から脱却できる食材を発見した。
食材…と言えば、食材だろうなぁ…仕留めてバラせたら。
「うさぎとニワトリと……イモムシ?」
どれも山で猟師さんの指導の元に食べた事はあった。
ニワトリはまぁ…焼き鳥やフライドチキンで食べた事がある。
うさぎも……トドメを指すときの怯えた目で見られた時に、少し躊躇ったがなんとか始末出来た。
そしてイモムシは、猟師さんの知恵で…貴重なタンパク質になるという事で、木の皮を剥がしてから、その裏に引っ付いていた物を食べたのだった。
勿論だが、口に入れるのに抵抗がなかった訳ではない
「口の中に入れたら、すぐにぐちゃぐちゃに噛み潰せ! 胃の中でイモムシの顎で胃袋を喰い破られるぞ‼︎」
僕はそう言われて、口に入れたイモムシを噛み潰した。
胴体のブヨブヨとした感触、頭の少し硬い…まるでキャンデーを噛み砕く様な食感。
この時の僕は、無心でイモムシを頬張っていたと思う。
…で、そのイモムシが目の前にいる訳なのだが…?
全長が1m位あって、これは成虫したら何になるのかと思わずにはいられなかった
だって、表面の色がドス黒いのと濃い紫色なんだよ!
どうみたって、毒がある様にしか思えない。
「猟師のおっちゃんにも言われたなぁ、イモムシは個体によっては毒がある奴もいると…」
だから僕はアルテナに、鑑定魔法を要求したかったんだよ‼︎
イモムシが毒を持つ理由…?
それは、捕食者に対抗する為だという話だった。
地球でもイモムシの戦闘力は、はっきり言って最弱の部類になる。
そんな捕食されるしかなかった個体が、毒の葉や毒の根を取り入れて、抵抗をする事により様々な捕食者から狙われないようにする為の知恵だったのだろう。
「あれを切って口の中に入れるのには抵抗があるな、せめて火で炙ってから………はっ!」
そうだ、考えてみれば…?
火を起こす事をすっかり忘れていた。
地上の草原には全く生物が存在してない所為で、火は要らない生活だった。
夜でも星空や月が4つもあって地面に照らされるので、特に暗さを感じなかったからだ。
僕は一旦、食材の事は忘れて…焚き木を集める事に専念した。
とりあえず、火さえあれば…あの見たからに毒がありそうなイモムシも、美味しくいただけそうだから。
そして焚き木を拾い集めてから地上に戻り、草原の草を少し刈ってからその間に木に火を付ける。
すると、久々の火の温もりを感じて歓喜をしたのだった。
だって…夜が全く寒くないんだもん。
寒ければ真っ先に火で暖をとる事が考え付いたから。
焚き木を全部使うには多すぎるので、数本を地面に刺しておいた。
「今日も今日とでワカメかぁ。 だが、今回のワカメは一味違うだろうなぁ!」
乾燥したワカメを火で炙る事により、少しだが香ばしくなった。
…とは言っても、ワカメはワカメ。
僕は発狂しそうになっていた。
「明日こそは…明日こそは絶対に肉を喰ってやる‼︎」
僕はそう心に誓って、またダンジョンに潜っていく。
イノシシは、今に僕では…とてもじゃないが歯が立たないと思ったからだ。
なので、比較的に弱そうな魔物に変えようと思って色々捜索をしていると、ワカメ生活から脱却できる食材を発見した。
食材…と言えば、食材だろうなぁ…仕留めてバラせたら。
「うさぎとニワトリと……イモムシ?」
どれも山で猟師さんの指導の元に食べた事はあった。
ニワトリはまぁ…焼き鳥やフライドチキンで食べた事がある。
うさぎも……トドメを指すときの怯えた目で見られた時に、少し躊躇ったがなんとか始末出来た。
そしてイモムシは、猟師さんの知恵で…貴重なタンパク質になるという事で、木の皮を剥がしてから、その裏に引っ付いていた物を食べたのだった。
勿論だが、口に入れるのに抵抗がなかった訳ではない
「口の中に入れたら、すぐにぐちゃぐちゃに噛み潰せ! 胃の中でイモムシの顎で胃袋を喰い破られるぞ‼︎」
僕はそう言われて、口に入れたイモムシを噛み潰した。
胴体のブヨブヨとした感触、頭の少し硬い…まるでキャンデーを噛み砕く様な食感。
この時の僕は、無心でイモムシを頬張っていたと思う。
…で、そのイモムシが目の前にいる訳なのだが…?
全長が1m位あって、これは成虫したら何になるのかと思わずにはいられなかった
だって、表面の色がドス黒いのと濃い紫色なんだよ!
どうみたって、毒がある様にしか思えない。
「猟師のおっちゃんにも言われたなぁ、イモムシは個体によっては毒がある奴もいると…」
だから僕はアルテナに、鑑定魔法を要求したかったんだよ‼︎
イモムシが毒を持つ理由…?
それは、捕食者に対抗する為だという話だった。
地球でもイモムシの戦闘力は、はっきり言って最弱の部類になる。
そんな捕食されるしかなかった個体が、毒の葉や毒の根を取り入れて、抵抗をする事により様々な捕食者から狙われないようにする為の知恵だったのだろう。
「あれを切って口の中に入れるのには抵抗があるな、せめて火で炙ってから………はっ!」
そうだ、考えてみれば…?
火を起こす事をすっかり忘れていた。
地上の草原には全く生物が存在してない所為で、火は要らない生活だった。
夜でも星空や月が4つもあって地面に照らされるので、特に暗さを感じなかったからだ。
僕は一旦、食材の事は忘れて…焚き木を集める事に専念した。
とりあえず、火さえあれば…あの見たからに毒がありそうなイモムシも、美味しくいただけそうだから。
そして焚き木を拾い集めてから地上に戻り、草原の草を少し刈ってからその間に木に火を付ける。
すると、久々の火の温もりを感じて歓喜をしたのだった。
だって…夜が全く寒くないんだもん。
寒ければ真っ先に火で暖をとる事が考え付いたから。
焚き木を全部使うには多すぎるので、数本を地面に刺しておいた。
「今日も今日とでワカメかぁ。 だが、今回のワカメは一味違うだろうなぁ!」
乾燥したワカメを火で炙る事により、少しだが香ばしくなった。
…とは言っても、ワカメはワカメ。
僕は発狂しそうになっていた。
「明日こそは…明日こそは絶対に肉を喰ってやる‼︎」
僕はそう心に誓って、またダンジョンに潜っていく。
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