異世界転移の特典はとんでも無いチートの能力だった。俺はこの能力を極力抑えて使わないと、魔王認定されかねん!

アノマロカリス

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第三章 和平交渉への旅編

第五十六話 狂ったアヴェルユージェン…

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 龍人国…と聞くと龍が空を飛びかう国というイメージがある。

 


 こんな感じか…?

 


 もしくはこんな感じだろうか?

 いやいや…先日のリゾート地の事を考えると俺の読みは外れる。

 だが、夢くらい見たい物だが…こんな感じの女の子がいると良いなぁと思う。

 


 まぁ、恐らくそれは無いだろうな。
 
 せいぜい…こんな感じのゴツい奴が国を治めているという感じだろう。

 


 まぁ…行ってみて確認するしか無いが?

 ただ獣人国の様に殺気立って襲って来る…事はしないとは思うが、威嚇はして来るだろうな。

 まぁ、それはともかくとして…今は船に乗って波に揺られているのだが?

 「アヴェルユージェン、船酔いは治ったのではなかったのか?」

 「ここまで揺れが酷いと…揺れが無ければ問題は無いのですが。」

 「仕方ありませんよ、龍人国に向かう大陸へは強風吹き荒れる場所ですので…船が揺れるのは仕方がないのです。」

 「ミンフィーリアは平気なのか?」

 「私は問題ありません…が、もう1人の方を心配しないと。」

 「あぁ…」

 レオーネも小舟の経験はあっても大陸を渡る船は経験が無くて、激しい揺れに酔って表情が暗かった。

 「レオーネも船はダメなのか? 乗る前にはあんなに興奮していたのに…」

 「あんな大きな船に乗るのは初めてでワクワクしていたんだが、いざ乗ると地に足が付いてないと…うぅ。」

 どこかの誰かさんと似た様な事を言っているな。

 アヴェルユージェンが苦しんでいる姿は別にどうでも良いが…レオーネが苦しんでいる所はあまり見たくはないな。

 レオーネには元気な姿で笑ってくれていた方が可愛い。

 「キュア・ドランケネス!」

 「あれ…気持ち悪いのが治った⁉︎」

 俺は酔いが治る治癒魔法をレオーネに放った。

 そして更に酔わなくなる薬を与えると完全に酔いが無くなっていた。

 「ヒカル殿…何故私には魔法や薬を渡してはくれないのですか?」

 「レオーネが苦しんでいる所は見たくは無いが…アヴェルユージェンが苦しんでいる所を見ても別にどうでも良い。」

 「酷くないですか?」

 「甘えるな、自力で治せ!」

 「そんな事を言わずに薬か魔法を…」

 「お前は仮にも魔王なんだろう? なら魔法を作り出すことは出来ないのか?」

 「そんな事が出来るなら初めから使っていますよ!」

 まぁ、それもそうか。

 だがなぁ…タダで治すのもなぁ?

 「ヒカル様、旦那様を治してもらう事はできませんか?」

 「まぁ、仕方ない…あ!」

 俺は収納魔法からある物を取り出した。

 「治してやっても良いのだが…条件としてこれを着てくれたら治してやろう!」

 俺はアヴェルユージェンに見える様にミンフィーリアに渡した。

 するとアヴェルユージェンは俺の事を睨んで来た。

 俺がミンフィーリアに渡した物は色っぽい服だった。

 ミンフィーリアは別の部屋で着替えると、戻って来てその姿を見せてくれた。

 


 水着…とまではいかないが、露出の高い服だった。

 だがミンフィーリアには別に恥ずかしいという感情はなく普通に振る舞っていた。

 あれ?

 ミンフィーリアがそれを着て恥ずかしく照れた顔をするのが見たかったのだが…?

 「私のお母様が生きていた時は、こんな感じの服をいつも着ていましたので懐かしいです。」

 そう言えばミンフィーリアってニンフ族とサキュバス族のハーフだったか?

 ならこの服は着慣れているのか。

 「よくも…妻に恥ずかしい服を着せてくれましたね‼︎」

 「落ち着いて下さい旦那様、水着という下着の様な物ならともかく…こういった服はサキュバス族の正装の様な物なので恥ずかしい事はありませんよ。」

 「姐さん…凄く綺麗っす!」

 「ヒカル様、この服は頂いても宜しいでしょうか?」

 「あぁ構わないさ。」

 「それとこの服を着ましたので旦那様にお薬を…」

 こんなにアッサリと着てくれるのなら…水着を着せれば良かったな。

 まぁ、約束は約束だから仕方ないか。

 「ほれ、アヴェルユージェン薬だ。」

 「これでやっと…」

 アヴェルユージェンは薬を一気に飲み干すと…その場で苦しみ出して倒れてしまった。

 ミンフィーリアとレオーネは駆け寄ってアヴェルユージェンを介抱していた。

 「旦那様に一体何が⁉︎」

 「あ…酔い止めの薬は聖水がベースだからか! 待っていろアヴェルユージェン、ヒール‼︎」

 「ギャァァァァァァァ!!!」

 忘れてた、アヴェルユージェンにヒールはまずかったんだよな。

 「ヒカル殿…態とやっていませんか?」

 「いやいや魔王の姿だと間違えないんだが、擬態の姿だとどうしてもアヴェルユージェンが魔族という事を忘れてしまってな。」

 こうなった時に為に…アヴェルユージェンの為に力を増幅する武器を作っておいたのでそれを渡す事にした。

 「アヴェルユージェン、この剣の柄を握れ!」

 「これですか?」

 アヴェルユージェンは俺から受け取った剣の柄を握った…と同時に手放してから右手を押さえてのたうち回っていた。

 「済まん、こっちは聖剣だった。」

 「本当に…態とやってませんよね⁉︎」

 「見た目が同じだから間違っただけだ。 こっちがアヴェルユージェン用に作った魔剣だ。」

 アヴェルユージェンは魔剣を握ると、体中に力が漲って立ち上がると…先程の様に弱っていた姿が嘘の様に振る舞っていた。

 「ヒカル殿、この魔剣は?」

 「この魔剣の名前は魔王剣と言って…負の属性で作り出した魔剣だよ。 精神の弱い者が握ると精神を支配されるという物なんだが…アヴェルユージェンには問題が無かったな。」

 以前アレフに握らせて見たら…発狂して暴れ回っていた。

 聖の属性に近い者には魔剣を持たせる事はまずい事が判明した。

 「力が全身に漲るようです! これなら…」

 「ん?」

 アヴェルユージェンは魔剣を振りかぶってから振り下ろして来た。

 俺は左手の人差し指と中指で魔王剣の刀身を掴むとアヴェルユージェンの顔見た。

 すると目が赤くなっていて…何やらブツブツと言葉を繰り返していた。

 「もしかして…精神を支配されたのか? 魔王剣は己の心にある憎悪を増幅して…って、まさかミンフィーリアにあの服を着せたのが原因か⁉︎」

 俺は右手の手刀でアヴェルユージェンの手を叩くと魔王剣を手放した。

 「アヴェルユージェンにこの魔王剣はまだ早過ぎたか?」

 「私は一体…⁉︎」

 魔王剣を手放して正気に戻ったか。

 アヴェルユージェンに魔王剣を持たせるにはやめ…いや、揶揄うのはもうよすか。

 しばらく様子を見てから魔王剣を渡すかどうかを決めよう。

 ちょっとしたアクシデントがあったが、船は龍人国に…

 「そういえばアヴェルユージェン、船酔いは治ったのか?」

 「船酔い…オェェェェェェ!」

 アクシデントの所為で船酔いを忘れていたのか。

 アヴェルユージェンの船酔いはまだまだ続きそうだな。
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