異銀河クロニクル

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現れるE16の個性たち

アルファケイン

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ある夏の日ー

アルファ・ケインは、憂鬱そうな顔を窓辺に寄りかからせ、黄昏にふけっていた。かれこれ、これで何年こんな風に黄昏にふけっているのか、3年は経過しただろうか。

薄緑色の空と大地が描くスカイラインを眺め、そのいびつな境界線を添うようにして、恒星が沈む方向へと目線をやった。

静かな1日だった。まるで、何かの始まりを告げるかのような、そんな静けさだった。
この町はオーリンズという。オーリンズには学校が2個しかなく、貧しさのあまり卒業しても碌に企業国家に所属できずにアウトローとなる者が多かった。

この世界には、企業国家、いわゆるメタ企業なる存在が世界秩序の中央にあるとされている。大昔、この惑星にやってきた人類、ホモサピエンスサピエンスは、前惑星で、宗教や資本といった言葉で表される考えにより、様々な文化を発展させてきたと聞く。

僕は何も知っているわけではないが、今の世界を見ているとそれがどんなものだったのか、なんとなくわかる。大人たちがつぶやいているZAMLTだとかテックなんとかだとか、おそらくはそういう概念に当たるものなのだろう。

もうそろそろ19になるが、僕には恋人がいる。

ーーー

銀河系と銀河系の間を瞬間移動する方法がある?

一同最初は唖然とした反応をする。

「どうやって銀河系間を瞬間移動するんですか?」

「簡単なことさ」

「どういうこと?」

「目的地と出発地があるだろ?そこを設定して、生体スーツを着たら、そのまま指示に従うだけだ」

「そんなかんたんにいけるんですか?」

「少なくとも私の記憶ではそうだったかな。今はどうなってんのかわからないけど」

惑星間で物質相互作用が違うから、時空発展の度合いも異なる、ということはこのまえ、というこのまえはもしかしたら大昔になっているのかもしれない。

「少なくとも行ってみろ。ほかの惑星にな。そうして文化交流すれば新しい何かが見えてくるさ」

「はぁ」

先生はそれしか言わなかった。宇宙については6年間も共にしているのに、私にはそれしか教えてくれなかった。

もう少し聞いとけばよかったかも…

「灯里ー!」

藤堂灯里は、アップルという企業国家に属している。家族ぐるみで経営している1万人単位の巨大組織だ。彼女は親からの資金譲渡が、アルファに比べて比べ物にならないくらい多い。10倍以上の差があるのだ。このような環境の違いから、セーフティーネットの様な者は有れど、基本的に彼と彼女が相まみえて活躍することはない。

互いに知らずに、互いの使命を全うしていく。

そんな世界は益々その構築速度をあげていた。

カシオペア座矮小銀河E16系第2惑星。

それが僕が済んでいる惑星の名前だ。非常に長ったらしい名前だ。ここに最初に移住してきた始祖移民が名付けたと言われている。

この惑星には過去300年以上前に、いや、過去1万年も前にビックフリーズがおきて全球凍結に見舞われた。

理由は分からないが、すくなくともかなり偶然性の高い事象だと言われている。銀河系のありとあらゆる摂動パラメータのわずかな隙をついておきた自然現象だといわれている。

人類がはじめて移住してきたのは300年くらい前だから、関係ない話にも思える。

西暦3500年の地球はある意味で大きな転換期を迎えていたのかもしれない。人類の移住ラッシュがブームになり、局部銀河群の多くの惑星に足をおろした。ソンブレロやアンドロメダ、そしてカシオペアなど、科学技術の発展により、それらの名前を銀河系として聞くことは日常的になっており、地球の惑星大気も、環境変化などでその構成要素は微量だが変化したという。

赤い惑星、火星は時すでにコロニーとなっており、イギリスをはじめとする連合が領有権を主張し、その連合は太陽系のみならず、プロキシマbなどの惑星やグリーゼなどの様々なハビタブルゾーンの星を配下に落としていった。

銀河間、もしくはその中で争いが頻発したのはごく最近のことらしく、詳しくは知らないがかなり残虐な行為が多発したといわれている。

とはいえ、E16と太陽では、重力という連結力が全く異なるらしく、あちらの文明とは徐々に乖離してきているため、使節などを定期的に送り込んで情報を刷新している。

アップル統括地区ー

灯里は、アップル統括地区をたびたび離れる。そして、ほかの企業国家で悠々自適にふるまうのである。しかしこれは、わざわざそんなことを表現する必要はない。企業国家は、国家とは違い、行き来にはGパスポートというパスポートさえあればよいのだ。Gパスポートを入手する方法は簡単で、生きて入れば誰でも手に入れることができる。

そんなことから、彼女は現在4つの企業国家で同時的に事業を展開している。内容は、スーパーイデオロギー、多元宇宙とマタニティが混在する工学思想の開拓である。灯里は4歳の時にコスモロジーについて学び、感銘を受けたため、その道に進むことを決めたのだ。しかし、アップル家の重厚な監視体制や薄すぎる血統主義などに信頼を欠いて、自身の手で新たな事業国家を立ち上げようと奮闘している。
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