第3回ホラー小説大賞

第3回ホラー小説大賞

選考概要

編集部内で大賞候補作としたのは「Beku -君の影を-」「灯影怪談」「死燐集書」の3作品。「Beku -君の影を-」は古い因習の残る集落を舞台にした伝奇ホラーで、文章・ストーリーとも非常に高いレベルだった。ただまとまりが良すぎて読者を引き込む力にやや物足りなさを感じた。「灯影怪談」はまだ始まったばかりであるが、非常に筆力が高く、明治のはじめに新聞広告で西洋屋敷に集められた刑事、医師、祈祷師、霊能師などが、奇妙な殺人事件に遭遇する…という出だしにも強く引き付けられた。しかし、やはりまだ始まったばかりであるので、今後に大いに期待したいと結論付けた。最終的に大賞としたのは「死燐集書」。死をテーマにしたホラー短編集であり、特異な設定と独特の雰囲気がどれも魅力的で、かつストーリーも大変面白かった。

応募総数 94作品 開催期間 2010年04月01日〜末日

編集部より

それぞれの短編が特異な設定と独特の雰囲気を備えており、物語の始まりから読者の心を惹きつける力を持っています。また、二文字で統一されたタイトルや作風に合致している文体が、その不気味で妖しい雰囲気や先を読ませないストーリーをさらに盛り上げ、非常に読み応えのある短編集だと感じました。編集部内では「幻肢」 「砂影」 「濃霧」などの人気が高く、特に「濃霧」は、不可思議な冒頭から意外で恐ろしい結末まで、 「謎」と「恐怖」に満ちており、ホラーの醍醐味がぎっしり詰まった作品だと思います。


編集部より

ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。夜叉を追う青年と、彼の宿命に巻き込まれた女子高生が、お互いに惹かれ合いながら、次々に起こる事件に対峙し、困難を乗り越えていくストーリーは、大変読者をひきつけるものだと思います。また登場人物の繊細な心の動きなども丁寧に描かれ、そこに共感を抱く方も多いのではないかと感じました。

投票ユーザ当選者

投票総数 399票 当選 10名