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しおりを挟む第一章 異なる世界に召喚されて
先日、六十歳を迎えまして、私――斉木拓未は職場を円満に定年退職しました。
退職前は、これからの悠々自適な余生をどのように過ごそうか、楽しく思い描いていたものですが……
実際、自由の身になってみますと、別段趣味らしい趣味もなく、ルーチンワークで生きてきた私にとりまして、やりたいことなど二ヶ月を待たずして尽きてしまいました。
この歳になりますと、新しいことに挑戦するのも、意外と勇気がいるものです。
伴侶もなければ当然子もなく、両親はとうに他界しまして、親類縁者もおりません。
もともと人付き合いに前向きではなく、知人もすべて仕事関係ですので、平凡極まる日常は単なる日々の焼き増しのようでした。
だからこそ、どこか心の奥底で変化を望んでいたのかもしれません。
ただそれは、非日常を待望していたわけではないのですけれど。
近所のスーパーで今日の昼食用の買い物を済ませ、自宅に戻ったところでした。
いつも通りにガレージに車を停め、いつも通りに玄関を開け、いつも通りに居間に入り、いつも通りにテレビでも点けようと思っていたのですが――
居間に入った時点で、どういうわけか私はお城の中にいました。
石造りの床や壁、高い天井、豪華な絨毯に絵画、頭上の明かり取りの窓からは陽光が差し込んでいます。
定年退職記念に一大決心しまして、フランスはパリへ旅行に行ったばかりなのですが、内装はあちらのベルサイユ宮殿を代表するバロック建築に似ていました。
もちろん、自宅の居間を中世欧州ふうにリフォームした覚えはありません。
といいますか、明らかに自宅の居間より広い空間なのですから、意味不明です。
咄嗟に背後を確認しましたが、入ってきたはずの廊下と部屋を隔てる襖はすでに消えていました。
「よくぞ参られた! 救国の英雄よ!」
諸手を挙げて嬉しそうに声を張り上げているのは、でっぷりと太ったメタボな白人さんです。もう更年期を迎えているでしょうに、自己管理ができていなそうです。
老後が心配ではないのでしょうか。私も最近はとみに気に掛けていますから、この方もなにかと持病が多いのではないかと、他人事ながら心配してしまいますね。
こちらのメタボな方は、煌びやかな衣装に多数の装飾品、真っ赤なマントに金の王冠と、内装に見合った異国の王様の風体をしています。
他にも白い外套を着た、私と同じくらいの初老の方や、老若入り乱れた大勢の西洋鎧姿の方々がいます。
なんといいますか、居合わせる方の全員が全員、いかにも中世ヨーロッパを舞台にしたオペラの登場人物のようですね。
その時代に当てはめますと、この場は王城の謁見の間とか、そういったところでしょうか。
赤絨毯の先にある壇上には玉座が据えられていまして、壇下ではそんな異国の時代錯誤な格好の人たちが、なぜか私たちをぐるりと取り囲んでいるわけです。
ああ、ちなみに、たちというのは、この場にいるのは私だけじゃないからです。
私の他にも三人、男性ふたりと女性ひとりがいます。顔見知りではありませんでしたが。
彼らは普通の格好でして、男性のひとりは高級そうなジャケットを着てメガネをかけた青年で、インテリな印象があります。
もうひとりの男性は――男性というよりは男の子ですね。どこかの学校の制服でしょう、チェックのブレザーにシャツを着崩した学生さんです。このくらいの歳の子は中高区別つきにくいのですが、髪形がテレビで見かける芸能人ふうですので、高校生でしょうか。
女性のほうはスーツ姿で、学生にしては大人っぽく、社会人にしては初々しい。今時珍しい落ち着いた髪色で、時期的に就職活動中の女子大生という感じがしますね。
それに私を加えた四人が、この場にいる日本人です。
皆も私と同じく、ここにいる意味がわかっていないようで、困惑されているのが見て取れます。
第一、メタボの人が語った、救国の英雄ってなんでしょうね?
「ざけんなっ! てめーら、どこのどいつだよ!?」
「こんな拉致誘拐まがいのことをして、ただで済むと思っているのですか!」
男の子と青年が猛抗議しています。ここは血気盛んな若手にお任せしましょう。
これは明らかな異常事態。私が持病を悪化させてぽっくり逝き、ここが実はあの世――というオチでなければの話ですが。
今は、少しでも情報が欲しいところです。
床に正座して成り行きを窺っていますと、同じく座っていたスーツの女性がおそるおそる四つん這いで近寄ってきました。見るからに青ざめています。
年齢的には孫に相当するうら若い女性だけに、無理もありません。
私とて、年長者として気を張っていなければ、我を忘れていたかもしれませんから。
「あの……すみません、なにが起こっているんでしょう? あたし、就活で会社説明会の待合室にいたはずなのに、気付いたらこんな場所に……」
どうも、状況は私と似たようなものみたいですね。
「私も自宅にいたはずなのですが、どういうわけかこのような始末でして。お力になれずに申し訳ありません、お嬢ちゃん」
「お嬢ちゃん?」
「ああ、これは失敬。初対面の年頃の娘さんに、お嬢ちゃんはありませんね。なにぶん、孫でもおかしくない歳の差だったもので、つい。いえ、天涯孤独の身ですから、実際に孫がいるわけではないのですが」
彼女は大きな目をさらに大きく見開いたのち、ぷっと噴き出しました。
「ありがとうございます。あたし、霧崎寧々です。大学三年生です」
霧崎さんですね。
どうして、お礼を述べられたのかはわかりませんが。
「斉木拓未と申します。定年退職しまして、今は無職の身です」
「ぷっ。面白い方なんですね、斉木さんって」
霧崎さんはまた噴き出して、
「そういう設定なんですか? ふふ、おっかしい。あたしの気分をほぐそうとしてくれてるんですよね? 気を使ってもらっちゃったみたいで、ありがとうございます」
と、目尻の涙を拭っていました。
図らずも、元気づける結果になったのはよかったのですが……私としましては、普通に応対していたつもりでした。なにか笑わせる要素でもあったのでしょうか? 私も思わず愛想笑いをしたものの、内心では首を捻るばかりです。
これがジェネレーションギャップというやつですか。コミュニケーションひとつとっても、私には難易度が高すぎるようですね。
そうやって少しは元気を取り戻してくれた霧崎さんなのですが、こんな状況下では長続きするわけもなく……すぐにまた不安に顔を曇らせてしまいました。
「あたしたち、どうなるんでしょうか……?」
「あ。それについては、今から説明があるみたいですよ」
先方の代表者――先ほどのメタボな方ですが、王様のような風体ではなく、本当に王様だったようですね――が私たちの眼前に立ちまして、厳かに説明してくれました。
大仰な言い回しに回りくどい説明の上、聞き慣れない単語も多く、簡潔明瞭を旨とする一般企業のプレゼンテーションでは突き返されそうな内容でしたが、贅沢は言えません。
要約しますと――
一.ここはカレドサニア王国という異世界の国。
二.魔王という人類の宿敵が侵略しようとしている。
三.魔王打倒のために英雄招来の秘術を用い、この四人が召喚された。
と、こういうことらしいですね。
ただ、そもそも異世界というものがよくわかりません。異国とは違うのでしょうか……?
『魔王』といえばゲーテの詩が有名ですが、どうやら特定の人物を指しているようですね。
戦国武将の織田信長が自称した『第六天魔王』や、キリスト教におけるサタンのような概念でしょうか。説明の解説がほしいところです。
私と違い、隣の霧崎さんはその説明だけで理解されたようですので、こっそり訊いてみましたが……
「斉木さんは、ゲームやラノベは……?」
そう訊き返されてしまいました。
ゲームといいますと、霧崎さんの年代からしましてテレビゲームのことでしょう。ただ、ラノベ――こちらはリノベーションの略、というわけでもなさそうですね……
霧崎さんの口ぶりから察しますに、常識の範疇のようですから、聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥ということで、私は素直に伺うことにしました。
「不勉強で申し訳ありません。近頃の若者の情勢にはとんと疎く……よろしければ、簡単に教えていただけるとありがたいのですが」
そうやって手短に教えてもらった内容をもとに、私は自分なりに解釈してみました。
(どうやら私たちは、戦時中の異国で兵士にされるために神隠しに遭った、ということですね……)
大筋では間違っていないでしょう。
私たちの親世代より伝え聞く、先の大戦中の徴兵制度のようなものですね。
ただし明確な相違としましては、ここが日本ではなく、私たちがそんな義務を負う謂われはないことです。
相手の同意もなしに拉致まがいに一方的に連れてきて、挙句にこの国のために命がけで戦えなどとは、常軌を逸しています。
前途ある若者たちを、そんな危険に晒すわけにはいきません!
当然、私自身も断固お断りです!
ここは年長者の私が、確固たる意志をもって否定の意を示そうとしたのですが……
先ほどの剣幕でしたから、私以上に若手の男性ふたりもどれだけ反発するかと思っていたのです。ところが、どういうわけか意外に満更でもなさそうでした。
高校生の子など、すでにやる気満々になっているような……今時の若い者の感性には、とてもついていけません。
戦争ですよ? わかっているのでしょうか……?
彼らふたりが同意してしまったことで、なし崩し的に霧崎さんも引き込まれてしまいました。
こうなってしまいますと、私だけ反対するわけにもいきません。
つい先刻までは見ず知らずの間柄でしたが、年長者の責任としまして、彼らを守る義務があります。
……しかしながら、ここは日本の法律が及ばない異国の地。
大人しくしている今は、相手も慇懃な態度ですが、下手に逆らうことでいつ暴挙に出ないとも限りません。
それに、私たちを連れてきたのが彼らなら、戻る手段を有するのもまた彼らをおいて他にいないでしょう。
結局のところ、主導権があちら側にあることは否めません。
これから私たちは、適性検査を受けることになりました。
よくわかりませんが、検査といいましても、魔法でステータスなるものを確認するだけだそうです。
なんでも、それにより個人の技能や身体特性を調べることができるそうでして。
白い外套の人は、宮廷魔術師という魔法の権威らしく、その方にステータスを見るための魔法のやり方を簡単に教わりました。
魔法と聞きますと、夢物語やフィクションとしか思えないのですが、ここでは呪文なる祝詞のような文言を唱えることで誰でも使えるそうです。
どういう仕組みなのでしょうか?
まあ、日本でも最近の科学技術は発展していまして、常日頃から理屈など露ほども知らずに使っているものもざらですから、今さらでしょうが。
それを考慮しますと、最新技術も魔法も似たようなものかもしれませんね。
「ステータス、オープン」
慣れない言葉を口にするのは、なんだか気恥ずかしいものです。
呪文はなぜか和製英語でした。
こちらの方々は、見た目は外国人っぽいですが日本語で喋っていますので、今さら不思議には思いませんが、どうやらそういうものらしいですね。
「あっ、本当に出ましたね」
目の前に、A4サイズほどの半透明な窓が浮かび上がりました。
触ろうとするとすり抜けてしまい、しかも本人にしか見えないというのは、まるで魔法のようですね。ではなく、本物の魔法でしたっけ。
「やった! 俺、勇者じゃん!」
どよめきの中、高校生の子がガッツポーズをして飛び跳ねていました。
よくわかりませんが、勇者というからには〝勇敢なる者〟なのでしょうか?
勇気は確かに素晴らしいですが、ただそれだけではないような雰囲気です。
きっと、すごいものなのでしょう。
「賢者だな」
またもや、周囲がどよめきました。
ジャケットの青年は、高校生と違って涼しげに言っていましたが、どこか誇らしげです。
賢者がすごいものだとは、私にも言葉のニュアンスからわかります。
「あ、あの……聖女、です」
場が三度、どよめきます。それどころか、熱狂すら感じられるほどです。
霧崎さんの恐縮っぷりが、ちょっとかわいそうなくらいですね。
聖女というのがどれくらいすごいのか、この反応だけでもわかるというものです。
といいますか、私ってさっきから、すごいすごいばかり言ってますね。
でも、仕方ないじゃないですか、よくわからないのですから。
「して、そなたはどうなのだ?」
メタボな王様と、目をぎらつかせた宮廷魔術師さんが、興奮して今度は私に詰め寄ってきました。
あの、近いんですが。離れてもらえます?
いわゆる大当たり三連発ということだったのでしょう。
私に期待するのはわからないでもありません……ただ、二度あることは三度ある、とはよく聞きますが、四度目も都合よくいくとはあまり聞きません。
むしろ、仏の顔も三度まで――いえ、これでしたら意味合いが違いますね。
これはあの、バラエティ番組でありがちな、オチが付く、というやつではないでしょうか?
こう、ちゃんちゃん♪といった音が鳴る感じの。
昨晩、たまたま何気なく見ていたテレビ番組がそういったものでした……
老い先短い老体に、過度の期待はやめてほしいものです。
事前に受けた説明によりますと、確認すべきはステータスの職業欄とやらであったはずです。
どれどれ……
他にも、HPやらMPやら意味不明な略記号が並んでいますが、職業は……あ、これでしょうか。
ステータスの職業と銘打たれた箇所に記載されていたのは、たった一文字でした。
『神』
んん? ……神?
それって少なくとも職業じゃないですよね? なにかの間違いでしょうか?
先ほどの勇者も賢者も職業っぽくはなかったですが、個人を指す言葉でした。対しまして、こちらはあまりに抽象的すぎませんか。
普通でしたら、たとえば神に仕える職業ならばそのあとにまだ文字が続くと思うのですが……日本では『主』なり『職』なり、外国では『官』なり『父』なりといったところですよね。
「どうした、そなた。答えぬか!」
悩みどころです。そのまま答えていいものでしょうか。
特に宗教絡みは、非常にデリケートな問題をはらむ場合が多々あります。
第一、職業が神などと、荒唐無稽で意味不明もいいところです。
「神……官? ……でしょうか?」
とりあえず答えたのですが、傍目でわかるくらいにがっかりされました。
「ただの神官……珍しくもない。いや! なにか素晴らしいスキルをいくつも持っているのではないか!?」
これもよくわかりませんが、ステータスの下のほうにあるスキル欄……これでしょうか。
スキルと聞きますと、仕事に必須の対人スキルや交渉スキルを思いつきますが、こちらもまたこの世界では職業と同じく、意味合いが少し異なりそうですね。
スキル欄にあったのは、〈万物創生〉ただひとつ。なにか、大層な名前ではあるのですが……
「ひとつだけですね」
「うぬぬ、たったひとつか……きょうび、幼子でも三つや四つは持っているぞ?」
そう言われましても。
「まだだ! では、レベルの数値は!? もしや、とてつもない強さを――」
なにやら、おふたりとも必死ですね。
こちらまで、少々焦ってきてしまいますよ。
レベル、レベル……ああ、これでしょうか。
そこに記載されていた数字は――
「すみません。1です」
私はいったいなにに謝っているのでしょうか?
「聞けい、皆の者! 今日この場に、三人の偉大な英雄が現われた! これは人類に、魔王をくだし、勝利を収めよとの神の啓示であろう!」
「「「うおおー!」」」
この場に居合わせる者たちが武器を掲げ、石畳を踵で何度も踏み鳴らしています。
……どうやら、私のことはなかったことにされたっぽいですね。
「この英雄たちにより、明日に迫る魔王軍の大侵攻にも、打ち勝てるであろう!」
「「「うおおー!」」」
え? 明日の大侵攻? なんですか、それ。
熱狂のさなか、手近な兵隊さんを捕まえてみました。
「なんだ、ハズレの奴か。今、盛り上がってんだよ、邪魔すんな」
いえあの、ハズレって。年長者を敬えとまではいいませんが、せめて言葉を選んでもらえるとありがたいのですが。
まあ、それはこの際、置いておきましょう。
「大侵攻ってなんです? 敵が攻めてくるんですか?」
「そうだよ。なんせ、魔王軍はこちらの十倍以上の軍勢って話だ。正直、俺も他の奴らを見倣って逃げ出したかったが、そうしないでよかったぜ。敵前逃亡は死罪だからな」
大軍が攻めてくる……?
おや? 先ほどの話の流れでいいますと……
「十倍? もしや、私たちがその十倍いる魔王軍とやらと戦うんですか?」
「あたりめーだろ。そのために、こんな大々的な儀式したんだしな。おめでたいお偉方も、ここまで追い詰められて、さすがに楽観視できなくなったみてーだな。おっと、こいつは内緒だぜ? はっはっ!」
「侵攻は明日で?」
「明日だよ」
「明日、私たちが戦うと?」
「だからそうだって言ってんだろ? しつけーな。もういいか?」
兵隊さんは怪訝な顔をしながら、歓喜に沸く輪の中に戻っていきました。
どうやら本当に、私たち四人は明日、十倍というその魔王軍と戦わないといけないみたいです。
私をはじめ、実戦経験はゼロと思われるこの四人で。
いくらなんでも、それはあまりに無計画すぎではないでしょうか……
◇◇◇
私たち四人は、城内の別室に移されました。
移動時に、廊下から外の様子が見られたのですが、やはりここは日本ではありませんでした。
この城は丘の上に建てられておりまして、麓には町があり、その周囲を高い壁が囲んでいます。
城が小高い位置にあるため、周囲の景色が地平まで見渡せるほどです。
城壁の外は、まさに壮大な大自然でした。広大な平原がどこまでも続き、大河が横切り、鬱蒼とした森が広がりまして、遠くには白く輝く山脈が連なっています。
人の手が加えられていない自然は、欧州旅行の際に見たどこの風景よりも美しく、雄大でした。
これを目の当たりにして、初めて異世界を実感しました。
ここは国などという些細な違いではなく、世界そのものが違います。そんな説得力がありました。
年甲斐もなく、自然美に感動していたのですが、若い人はそうでもないようで。
皆に置いていかれそうになったので、同行する兵隊さんに後ろから槍の柄で小突かれてしまいました。
応援ありがとうございます!
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